2013年8月13日火曜日

マイケル再び・・・



マイケル・ジャクソンの『THIS IS IT』のDVDを買って、見た。ちょっと泣けた。彼が亡くなったのでもう彼の新しい作品を見ることはできない。ビッグ・ファンではないが彼へのオマージュとして買った。生前彼はマスコミひいては大衆の餌食となったが、亡くなった今、彼等は何を思うのかと問いたい。もし彼がまだ生存していてコンサート・ツアーが実行されていたなら、一斉に批難の嵐が巻き起こったに違いないと想像する。

真の芸術家はいつも大衆の負のターゲットなのである。なぜなら彼等は大衆に迎合しえないから。芸術家はアルコールやドラッグに閉じこもる。サリンジャーも亡くなった。彼もまた早くから社会を拒絶しひとり田舎家に引き籠った。つまり、芸術家は自分自身の体を痛めつけ早世するか世間から自分を隔絶するかして、そして彼等の芸術性を保つのである。

なぜか。現在、誰もがこの統制された社会の経済活動から逃れることができないからだ。貴族社会が崩壊して大衆が芸術家のスポンサーになってから、大衆は芸術家の特殊な能力にあこがれながらも、彼らを飼いならさずにはいられない。芸術家の方も社会の一員として振舞い、経済の仕組みの中に組み込まれる。生きていくために。余程の天才でない限りこの仕組みから逃れることはできない。大衆に受け入れられる作品を模索すればするほど、それにつれてその作品の芸術性は薄れ単なる万人のための製品に堕する。

ホームレスとか公園のコミュニティー自体に賛成する者ではないが、考えてみれば都会でこの社会の仕組みから逃れる道はここだけなのかもしれない。都会の中の見捨てられた場所。そこで誰が何をしようが顧みられない場所。しかし、それは余りにもネガティヴな思考・生き様だ。芸術家としては、堂々と大衆の単純な意思と立ち向かい、自らを粉砕してもらいたい。それが彼等の宿命と思うから。





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