2013年8月13日火曜日

制度と結婚

 法務省は、性同一性障害で性を変えた夫婦間にできた人工授精の子を非嫡出子とした。同じ人工受精でも夫が生来の男性の場合は嫡出子として受理されている。現在千葉法相は現行の扱いを改善する方向で検討中。

 

「連帯市民協約(PaCS)」が欧州で普及している。十八歳以上の成人が共同生活の契約を結び、政府がそれを結婚と同等のものとして認めるもの。特にフランスで多く受け入れられ少子化問題解決の一助となっている。後で知ったことだが、仏政府の意図は少子化解決の為や男女の自由な関係の為ではなく、「同性間の結婚」を認知するかどうかの決断を回避する為との事。同性間の結婚を「制度としての結婚」に組み入れることなく、この協約により結婚と同等の権利義務をカップルに与え体裁を整えた。



 こう考えてみると、問題は「誰が制度としての結婚を必要としているのか」という事。わたしは元来「制度としの結婚」に反対している。結婚は個人の問題である。その事実を政府に報告しなければいけない事に疑問が残るからだ。もちろん財産権や子供の福利の問題等考慮しなければいけない事もあるが、どの道今の制度の実情は「正統」な人たちを制度で守り、「正統」からはずれた人々を差別化するだけのものである。制度により全ての人が全く平等に同じ権利を持ち同様の扱いを受けるようになれば、逆説的にそれがその制度の役割を終える時であろう。先の性同一性障害の人も「特殊」として排除され差別を受けない社会だったら、「戸籍」を女から男に変える必要もなく、こどもがこどもとしてすべて平等な存在であったなら「嫡出子・非嫡出子」の登録をする必要もなく、同性であっても「愛しあっている」ことをわざわざ政府などに報告する必要もないのだ。現在、人は制度に組み込まれることによって、自分が「正統」であることを示さなければならないとうことである。









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