最近しつこくSelf-Reference Engineのことを書いていますが、今回はその作者の円城氏についてです。彼の経歴をみると、なんだか興味深い。北海道出身で大学は東北大学理学部物理第二学科です。この時、SF研究会に所属していたとのこと。同大学を卒業後、東京大学の大学院に進みますが、物理ではなく、総合文化研究科博士課程を修了しています。「学術」の博士の学位を取得。
その後、北海道大学、京都大学、東京大学で博士研究員として働きますが、34歳の時、次年度の研究費と給料を得る見込みがなくなり転職。企業のウェブ・エンジニアになるも2008年に退職し、作家の道に邁進します。
話はコロっと変わって、わたしが興味を持ったのは、この「博士研究員」というもの。以前、化学か物理関係の本を読んだ時、その著者が「渡り研究員」(彼はアメリカの大学を転々としている模様)で、身分が保障されておらず、自分で本を書いてアピールしているのだと書いているのを見ました。その著者の名前を失念しておりスイマセン(彼に)。
その時はじめて、研究員と言うのはたいへんな職業なんだと知りました。研究員は、大学で研究に携わるたいそう難しそうな職業なので、お給料も身分も格段に保障されていると思っていました。世間の認識はそうだと思うのですがいかがでしょう。しかし、彼らは、研究が上手くいかないとか必要がないとなれば、ばっさり、企業か政府かは存じませんが、切られてしまうのです。研究費をカットあるいは研究そのものも打ち切りとなってしまうのです。せいぜい2~3年の契約社員(?)なのです。
最近ジム友達ができて、彼女のお嬢さんが京大の研究員と聞きました。彼女が言うには、30歳にもなるのに、身分も保障されていないいつ首になるかもしれない状態なんだと、嘆いていました。
わたし、
「聞いたことある。渡り研究員って言うんでしょ。本で読んだわ。でも、執筆とかして印税生活という手もあるでしょう。」
彼女、
「よく知っているね。でも、彼女に執筆なんてむりよ。この前、娘から電話が掛かって来て、助教というポストに就けるかもしれないって。それに就ければ、一応少しは安定するかもと言っていたの。」
そのポストは、三人の人が立候補したそうです。一人は、男性で既婚。子供もいるそうです。もう一人は彼女のお嬢さんより若い女性。そして、彼女のお嬢さんと言うこと。テストありいの、プレゼンありいの…、結構大変な選考過程のよう。若い女性のことは大丈夫と。彼女よりはキャリアがあるし、プレゼンも上手くいったと聞きました。最終選考に残る手ごたえはあったそうです。この選考に漏れれば、彼女の契約期間はあと一年で、次の研究所を探さなければいけません。
で、結果は、男性がポストを獲得しました。何か、胡散臭い臭いが漂うな~~~。男性で、結婚していて子供もいて扶養家族がいっぱいという状況。「男には家族を養う責任がアル」というような俗説。彼女のお嬢さんは「女で30歳で独身」ですからね。彼女は、動物の糞を採集して研究し、その動物の生物的周期を解明するというお仕事です。その関係の教授が、彼女を研究室に呼び寄せてくれるかもしれないということでした。最後の綱です。
それで思い出すのが、小保方さんです。彼女は大学の研究室ではなく、企業に属していますが、事情は似たようなものではないのかな~~~、と推測します。週刊誌の見出しではありませんが、なんだかドロドロとした現実がありそう。このシステムも競争社会を作りだし、労働効率を上げようと意図するアメリカの『陰謀』だそうですよ。日本は15年ほど前からこのシステムを採用したと何かで読みました。
あいまいでスイマセン。
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