今日の朝日新聞の「折々のことば」は、
家事は、あなたと家族が快適に暮らしていくための手段であって、けっしてあなたの生涯の目的ではないのです。 ―――犬養智子
50年前に刊行された『家事の秘訣集』によるものです。上手に家事をサボる400の驚きの提案がなされているという事。家事は大切なことだからこそみなで協力し合いましょうとの提言です。
もちろん、家事は「大切な事」です。しかし、わたしはそれ以上に、もっともっと「生きるそのもの」と思っています。生物は、生きるために自分自身の体をメンテナンスし、また、清潔に保つ努力を四六時中しています。人類は、自分自身が「生物である」という事を忘れてしまっているのでは。
自分の命を大切にするという基本的なことをないがしろにし、他の事を、例えば勉強とか仕事とかを、重要視します。つまり、体に良い食べ物を考えるより、もっと働いて多く稼ごうとか、身の回りを綺麗にすること――部屋を掃除する、洗濯をする、あるいは自分自身を清潔に保つ――よりもっと実利のあることをしようとか。
さて本題の「後手の先手」とは、囲碁用語です。囲碁は先手を取って自分の有利な方向に囲碁を進めて行こうと考えます。ですから後手を取ってはいけません。しかし、「後手の先手」とは、今はこの手は後手のように見えるが、将来的に働くので実は先手なのだ――というような手の事です。
碁会所の囲碁仲間は、たいてい70歳前後の爺さんなので、よくセクハラまがいの発言を聞きます。
「奥さんは家で何をしているんだろうねえ。掃除とか洗濯とかしかしてないんだよ。」とか、「女は家でご飯でも作っているしかないね。」とか。
まるで、自分は外で働いてお金を稼いで「大層な事」をしているのだと言うかのような発言。そのあなたの体を守ってきたのは誰なのだ――と言いたい。つまり、そんな囲碁仲間に対し、
あなたが思っている女性の仕事とは、『後手の先手』なんですよ~。
と言いたいわけです。
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