題名に惹かれて購入しました。
オリオン座の一等星「ベテルギウス」が超新星爆発しているかもしれないというキャッチ。ベテルギウスは640光年離れているので、もし、この過去640年の間に爆発していたとしても気がつかない訳で、その640年目が今年か来年か、はたまた2~3年後かも知れません。
なのでェ……、「えッ、ほんと?もう爆発しちゃって今年にでもそれが見られるの。」と、この題名を見て早とちりしてしまいました。読んでみると、実際にはわかりませんが、過去の他の超新星爆発をした星の例から考えると、わたしたちが生きている間に「見られるかもしれない」ということです。もし、ベテルギウスが爆発を起こすと、3~4ヶ月は満月の100倍の明るさで輝き、昼間でも見えます。そして4年後には見えなくなります。
さて、本の内容はと言いますと、とてもシンプルで読みやすいです。わたしは宇宙の話も大好きで、他の本も少々読んでいますが、それらの本から得たわたしの雑多な知識をスッキリ整理してもらったような――感じです。
「わたしたちの」宇宙がいつ、どのようにできたかというお話がとても簡潔にわかりやすく書かれています。興味はあるが、どうも「わかりづらい」とお思いの方にはピッタリの本です。
近年、「理論上はこうだ」ということが、いろいろな観察機器の発達によりちゃんと証明されるようになってきました。「ヒッグス粒子」しかりです。「まだわからない暗黒時代の謎」というのも興味津津です。
ビッグバンが起きて、水素とヘリウムと少々のリチウムが生まれました。それが38万年後に原子として安定したのです。それらの原子から星が生まれることになるのですが、星が生まれなければ光が生まれないので、第1番目の星が生まれるまでの10億年の間は、我々人類は光をとらえられないということになります。つまり、光をとらえてわかる宇宙の誕生物語は、その期間だけは知る手段がないという事です。それがダークエイジ、暗黒時代と言う訳です。
南米のチリでALMAという電波望遠鏡が日本、アメリカ、ヨーロッパ共同で建設されました。宇宙に最初の天体ができた時の光や電波をとらえることができるかもと。これで暗黒時代の謎を解く「手がかり」が得られると期待されています。また、次世代の望遠鏡も研究されており、暗黒時代に何が起ったのかを知る事ができるようになりそうです。
1999年、ハワイ島のマウナケア山頂に日本の望遠鏡「すばる」が設置されました。この日本の技術が結晶された望遠鏡は、「宇宙の謎を解く」と、世界的にも期待されています。
2011年の8月、ハワイ島に行った時、見てきましたよ~~~。標高4200メートルのマウナケア山頂に行くには、いろいろな条件、試練が(ちょっと大袈裟)あるのです。そこを乗り越えて(ツアーですが)「すばる」と雄大な夕日と天体ショーを満喫しました。このような本を読むと、「オオッ、マウナケアに行ってよかった!」という気になりますね。
日本は世界でもアマチュア天文学者が多いそうです。平安時代にも1054年の超新星爆発を見た人がいます。鎌倉時代初期の歌人である藤原定家が残した『明月記』に平安時代の出来事の伝聞として、超新星爆発(客星)のことが記述されています。中国の『宋史』にも客星(一度だけ現れる星)として記述があり、1054年の7月4日から1056年の4月5日まで見ることができたと記されています。
過去から(そして未来の人もと想像しますが)、人類は星を見ながらいろいろ哲学するのだなあと感嘆します。
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