2019年3月15日金曜日

こんなひと言――見つけちゃいました。





今読んでいる本から―――








フィリップ・K・ディックの『ガニメデ支配』を読んでいます。R・ネルスンとの共作なのですが、欧米のSFでは、共著は珍しくないとの事。しかし、ディックの力の方が相当勝っているようで、他のディックの作品と変わりありません。



家を改築中で、家に「滞在」していなければいけない事が多いので、この本を読み始めました。まだ途中ですが、「なるほど」と思った一言を紹介します。








「黒人は宗教さ!」



ディックのお話は、黒人とかどういう訳か「ジャップ」とか人種の事が良く現れます。この場面はこんな風です。



「<黒人>て言葉はなにを意味すると思う、裏切り女さんよ?人種か、それとも宗教か?」

「人種に決まっているでしょ」

「黒人は宗教さ、ユダヤ人と同じにな。白人もそうだ。白人教を別のひと言で表わすとなんになると思う?」

「知らないわよ」ジョーンは警戒しながら返した。

「<偽善>だ」



ガニメデ星人から地球を守る抵抗勢力の指導者、黒人のパーシィXとガニメデのスパイとして彼に接触する日系アメリカ人のジョーン氷芦の会話です。





これを読んで、何かに「人類に人種は存在しない。」と書いてあったなあと。『ヒトの変異』だったと思います。人は住む場所によって「色や体形」がその土地の環境に影響されているだけで、人の違いは「文化」であると。そんなような意味だった――です。





ナ・ル・ホ・ドです。





2019年3月11日月曜日

予告したのとは違う本の感想ですが……

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『我々はなぜ我々だけなのか』





この本は、一月末に読みました。温泉旅行に行って、時間があったからです。感想文を書く思いはありましたが、なかなか書けず仕舞い。そうこうしている内に、先日この本の書評が新聞に掲載されました。



そこに「新書」とあったので、「あれ~、もう新書になっちゃたんだあ。」――これは、早く感想文を書かねばと。でも、勘違い。わたしの本も新書でした。つまり初めから新書の相当売れ行きの良い本だったのです。という訳で、時代に乗り遅れないように感想文、書きます。






新聞の書評の題は、「原人に肉薄する科学者たち」です。我々ホモサピエンスは、現在は、地球上にただ一種。しかし、およそ200万年前に「原人」と呼ばれる人類がアフリカから出た後、さまざまな原人が世界中に住みついたのです。つまり、「亜人種」と言われる、ホモサピエンスと非常に近い人類です。そして、なぜ今、地球上には「我々しか」いないのか。



その理由は、まだまだ研究途中ですが、本書はどこまでその研究が進んでいるのかという内容です。また、それ以上に興味あることは、今までの本は、ネアンデルタール人に代表されるように、ヨーロッパの亜人種についての研究でしたが、本書は「アジアにおける人類の進化」がテーマです。アジア人として、興味が湧きませんか。



アジアには北京原人、ジャワ原人ばかりでなく、「第4章-フローレス原人の衝撃」や「第6章-台湾の海底から」、また、ロシアのデニソワ洞窟からは、10万から5万年前頃のデニソワ原人が発見されており、同時期にネアンデルタール人も存在していたことがわかっています。私たちは、以前は一人ぽっちではなかった様です。








わたしの第一の疑問は、人類は約20万年前にアフリカから脱出して世界中に居場所を拡大していきましたが、なぜその前に違う人類が世界中にいたのか―――でした。実際、第一回目の人類のアフリカ脱出は、ネアンデルタール人に阻まれました。二回目の挑戦で成功したのです。



本書によりますと、チンパンジーがボノボと別れた700万年前頃に人類である原人が生まれました。人類の歴史は、だいたい、初期の猿人、猿人、原人、旧人、新人となります。この区分は学術的なものではなく、一般向けの理解を助けるための用語です。英語にはないのですが、人類進化の流れを理解するには便利そうです。



300万年から200万年前の間にアフリカで原人が誕生します。ホモ・ハビリスです。ホモ・ハビリスはアフリカに留まっていましたが、ホモ・エレクトスが「出アフリカ」を果たしました。という訳で、ホモサピエンスがアフリカ脱出を図った時、すでに、亜種人類がユーラシア大陸に存在していたのですね。



この辺の事情はとても複雑で、いろいろ疑問が湧いてきます。現在では「アフリカ単一起源説」が確立していますが、これも21世紀に入ってからの事でした。それ以前には、それぞれの地域にいた原人から人類が進化してそれぞれの人種、つまり白人、黄色人種、黒人なんてこと?―――になったという説もありました。「是非、本書を御一読下さい。」と言うほかないです。



もうひとつ興味深いのは、以前、ネアンデルタール人のDNAが現人類にも存在し、ネアンデルタール人と我々の交雑があったと確認されています。クリスチャンには耐えられないような真実です。そのように、アジアの中の原人、ジャワ原人、北京原人、フローレス原人等々が我々の内にあるかもしません。その意味では「我々は一人ぽっちではなかった。」と言えるかもと、本書は指摘しています。













2019年3月3日日曜日

少々、GIVE UP

2月は、1回しかブログを更新できませんでした。

ここで、弱音を吐きますと、今、囲碁の昇段がかかっているのです。文章を書く余力がありません。

しかし、予告だけしておきます。

次回は(今度こそ)、『アナキズム入門』の感想文を書きます。

自分を追い込んで目標を達成するという、いつものパターンでありますが。