2021年5月14日金曜日

映画化もされた『探偵スルース』の著者の作品です。

 

 


 

プライベート・レッスンの先生が変わりました。前のカナダ人の先生は「首」になりました。学校のオーナーはどうしても彼の傲慢な態度が許せなかったようです。我々2~3の生徒にとっては、そんなことはどうでもよくて、優秀な先生なら良かったのですけれども。

 

まあ、優秀かどうかはわかりませんが、ちゃんと打てば響く先生でした。それから、へそ曲がりなわたしにとっては、「なまいきな先生」の方がやり甲斐がありました。ファイトしがいがあって、燃えますからね。

 

と言う訳で、新しい先生はイギリス人のMr. Millerman (あだ名です)。以前の先生は、歴史が専門でしたが、今回は文学のよう。それで一回目は、アンソニー・シャファーのマーダラーを取り上げてみました。先生には細かいところまでプレゼンしましたが、ここでは止めておきます。

 


 

Anthony Shaffer の名前を知ったのは、ずいぶん昔のことです。若かりし頃、『探偵 Sleuth』というイギリス映画が、日本にやって来ました。主役はローレンス・オリヴィエとマイケル・ケイン。二人とも名優です。

 

その後、この映画は、マイケル・ケインの役をジュード・ロウが演じ、年を経たマイケル・ケインがローレンス・オリヴィエの役を演じました。ちょっと面白い趣向でしょ。それで興味を覚え、彼の本をもう一冊買ったという訳です。

 

その本がMURDERER です。前に一回読んでいるのですが、二回目に挑戦しました。英語の読書会をやり始めてから、英語の本をじっくり読む癖がつき、英語の読解力が進歩しました。以前わからなかった所がすんなり理解できて嬉しい~。単語力も以前に比べてついているので―かもしれません。

 

いっこうに、本の内容に話が進みませんが、これは推理劇。という事で、筋を話してしまうと、これから読まれる方には興ざめとなってしまうと思い、どこまで言っていいんだろうかと悩みます。

 

簡単に配役を言いますと、CASTは4人です。そして二幕劇です。Bartholomew という画家、その若き愛人Millie、そして、妻のElizabeth。それから、Sergeant Stenning。劇は、最初のセリフ “Open up. Police” と叫ばれるまでに、30分必要と書かれています。

 

その30分の間に悲劇的な事が起こる訳です。そして、ポリスの登場。無言の中でなにが起こったかを記述することは、なんだかためらわれます。前述の理由で。

 

大まかな内容は、いつもの如く平凡な妻と夫と愛人の愛憎模様と言うところですが、シチュエーションが二転三転し(誰が誰を殺したかったのか?)、話しに引き込まれてしまいます。

 

愛人のミリーは二十代前半の女性、妻のエリザベスは40歳くらいと書かれていました。バーソロミューは何歳かの記述はありません。バーソロミューは画家ですが、超一流とはいかないようです。エリザベスは、婦人科の医師で賢い女のようです。

 

そんな賢い女がなんで「馬鹿な恰好だけの男に惚れるかね」、というところがみそのよう。そして、愛人は若くてかわいい「ノータリン」です。

 

そうそう、これは書いても良いでしょう。バーソロミューは、殺人とか殺人者のことに異常な思い入れがあり、過去の有名な犯罪者を崇めています。それで、いつも過去の犯罪を模倣して犯罪ゴッコをミリーとしています。そんな彼にエリザベスは愛想を尽かしていますが、なぜだか別れられない。

 

バーソロミューはそんな妻を疎ましく思い、殺人の計画を立てますが、それが上手くいったかどうかは、この本をお読みください。彼は、彼の崇める犯罪者リストに載るようなことができたのでしょうか~。

 

これは戯曲ですから、当然セリフのみの構成。イギリスの本らしく、その会話は皮肉に満ち溢れていて、読み応えがありますよ。英会話の先生に皮肉の一発でも言いたい方には参考になるカモ。おススメします。

 




0 件のコメント:

コメントを投稿