今回のREADINGクラスのショートストーリーは、ポーのThe Masque of The Red Deathです。赤死病の仮面とでも訳すのでしょうか。ゴシック・ホラーの様相。世界の名著からいつも選んで来るクラスメートの選択です。世界の名著にポーも入っていてよかったあ。ようやく私好みの小説が登場しました。
が、読んでみると少々難物です。というのは、ポーはミステリーやホラーの作家であるとともに詩人でもあります。詩は読解するには難しいですよね。倒置法とか省略とか……。
内容をもろシンプルに言いますと……、
赤死病が流行し、その病にかかると人は赤い斑点ができそこから血を噴き出して死に至るというもの。
THE “RED DEATH” had long devastated the
country. No pestilence had ever been so
fatal, or so hideous. Blood was its
Avatar and its seal---the redness and the horror of blood.
そこで、the Prince Prosperoは、廷臣や友である伯爵や男爵あるいは即興詩人や道化師、ダンサー、宮廷楽師などをひきつれて、赤死病から逃れるために、彼の城閣のある修道院の一つに立て籠もります。
When his dominions were half depopulated,
he summoned to his presence a thousand hale and lighthearted friends from among
the knights and dames of his court, and with these retired to the deep
seclusion of one of his castellated abbeys.
その中には、奇妙な部屋が7つあり、それぞれの部屋が、それぞれの色で調和的に装飾されミステリアスな雰囲気を醸し出しています。そして芸術的に。そのひとつが、黒の部屋。そこには黒の重い緞帳が壁の天井から床まで垂れ下がっています。しかし、他の部屋とは違い同じ色で統一されていませんでした。窓ガラスが深紅。まるで真っ赤な血のような色。そこには恐ろしい雰囲気が漂いだれも近づきませんでした。
The seventh apartment was closely shrouded
in black velvet tapestries that hung all over the ceiling and down the walls,
falling in heavy folds upon a carpet of the same material and hue. But in this
chamber only, the color of the windows failed to correspond with the decorations.
The panes here were scarlet---a deep blood color.
赤死病がクライマックスを迎える頃、the Prince Prosperoは仮面舞踏会を盛大に催します。そして真夜中を過ぎた頃、パーティの参加者の中にひとりの見知らぬものが紛れ込んでいる事がわかります。そのことは、人から人へと囁かれ、the Prince Prosperoのところまで届くことに。
彼は怒り狂って剣を振り回し、その人物を黒の部屋まで追いつめます。そして、剣をその人物に振り下ろすと、その中味はエンプティ。the Prince Prosperoは、その場に倒れ死に至りました。そこから、赤死病に一人一人と罹り、順に死んでいくのでした。完璧に防護された城の中に赤死病が潜みこんだのです。全ての人が死に絶えました。
He bore aloft a drawn dagger, and had
approached, in rapid impetuosity, to within three or four feet of the
retreating figure, when the latter, having attained the extremity of the velvet
apartment, turned suddenly and confronted his pursuer. There was a sharp
cry---and the dagger dropped gleaming upon the sable carpet, upon which,
instantly afterwards, fell prostrate in death the Prince Prospero.
この次が解釈するのに少々難しかったのですが、つまり、エンプティでよかったのかなあと。
------seizing the mummer, whose tall figure
stood erect and motionless within the shadow of the ebony clock, gasped in
unutterable horror at finding the grave-cerements and corpse-like mask which
they handled with so violent a rudeness, untenanted by any tangible form.
赤死病は、黒死病のアナロジーととらえる向きもありますが、ポーが寓話(モラル・テール)を嫌っていたという研究があり、それは間違いであろうと言われています。やはりミステリアスな美しい世界を描いたということでしょうか。
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