フィリップ・K・ディックの『ガニメデ支配』を読んでいます。R・ネルスンとの共作なのですが、欧米のSF界では、共著は珍しくないとの事。しかし、ディックの力の方が相当勝っているようで、他のディックの作品と変わりありません。
まだ途中ですが、「なるほど」と思った一言を紹介します。
「黒人は宗教さ!」
ディックのお話は、「黒人」とか、どういう訳か「ジャップ」とか、人種の事が良く現れます。この場面はこんな風です。
「<黒人>て言葉はなにを意味すると思う、裏切り女さんよ?人種か、それとも宗教か?」
「人種に決まっているでしょ。」
「黒人は宗教さ、ユダヤ人と同じにな。白人もそうだ。白人教を別のひと言で表わすとなんになると思う?」
「知らないわよ」ジョーンは警戒しながら返した。
「<偽善>だ」
ガニメデ星人から地球を守る抵抗勢力の指導者、黒人のパーシィXとガニメデのスパイとして彼に接触する日系アメリカ人のジョーン氷芦の会話です。
これを読んで、何かに「人類に人種は存在しない。」と書いてあったなあと。それは、『ヒトの変異』だったと思います。人は住む場所によって「色や体形」がその土地の環境に影響されているだけで、人の違いは「文化」であると。そんなような意味だった――です。
ナ・ル・ホ・ドです。
「人種問題」は彼の作品の『キモ』なのでしょう。
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