少し前の『折々のことば』です。
就職試験って「似合わない格好でも生きていけますか?」って問われているんだなって。
イラストレーターのみうらじゅんさんは、美大生の時、似合わないと思いながらも<いちおう>リクルートスーツを着て就職の面接に行き、終わってつくづくこう思ったという。そしてそれに納得できるかと、畳みかけるように自分に問うた。我慢して挑むも、その場で諦めるも、納得は後にしかやってこない。
という解説です。
わたしもつくづくそう思います。わたしが就職活動をしていた時は、リクルートスーツという概念は、まだ徹底していませんでした。でも、皆それなりに黒のスーツとか紺のスーツを着ていました。(そもそも、女性に就職口など皆無といってもよかった時代ではあるが)。
わたしは、そんなことを気にも留めず、茶系のソフトスーツやグリーンの杉綾織のスーツを着て試験や面接に臨んでいました。と言うか、そんなスーツを着なければならないと、知らなかったので。
「似合わない格好でも生きて行けるか?」に関しては、中学生になって制服を着なければならなくなってから、ず~~~っと、感じていました。小学校は好きな服を着ていても良かったのに、突然、ひとつの決められた服しか着ることができなくなるとは。
それから、高校。そして大学生になってようやく解放されたと思ったら、スーツですと!
高校時代は、まだ学生運動の残り火がありました。「制服反対!」と言うような運動もありました。制服に賛成する人は、たいてい、皆で同じ服を着て仲間意識を持つとか、同じ学校への帰属意識を持つとか言います。
それなら、同じ服を着たい人だけ着れば良いじゃないか。来たくない人にまで押し付けて「仲間」もないだろうに。しかし、皆で着ないと単に好きな服をグループで共有している事ですから。嫌な人にも着せなくては「制服」になりませんからね。
という訳で、他の校則の縛りもあり、高校時代は、「冬眠する」と決めて毎日過ごしていました。
まだまだ、そんな時代が続いているのですね。ちょうど昨日の夕刊の一面に「理不尽校則ーもうやめる」という文字が躍っていました。「都立高校 新年度から5項目全廃」---と。
馬鹿々々しい時代は続いているのですねェ~。