ロバート・ルイス・スティーヴンソン著の『The Bottle Imp』の続きです。でもその前に、ロバート・ルイス・スティーヴンソンが書いた他の本を調べてみました。『宝島』(Treasure Island )は、子供向け海洋冒険小説です。古典文学が好きでなく、怪奇・冒険・SF・推理小説ばかり読んでいたこども時代に、わたしも読んだ覚えがあります。内容は覚えておりませんが。
もうひとつ先回紹介した『新アラビア夜話』(原題: New
Arabian Nights)があります。『アラビアンナイト』は、日本人がこども時代に読んだ海外の本の11位に入っています。それで、この本もそんなこども向けの御伽話かな…、なんて思っていたら、どうやら違うような……。
タイトルはスティーヴンソンが愛読していた『千夜一夜物語』(別名「アラビアンナイト」 (the Arabian Nights))に由来するのですが、主役のフロリゼル王子とジェラルディーン大佐のロンドンとパリでの活躍は、アラビアンナイトで夜のバグダッドの都をお忍びで跋扈するハールーン・アッ=ラシードと腹心の大宰相に見立てたものであるようです。なにか、アラビアンナイトを彷彿とさせる怪奇短編集。早速アマゾンで調べて買ってしまいました(英語版)。入荷は未定ですが、楽しみに待つことにしました。英語版ですから、原文がどんな文章なのかも楽しみです。ウフフッ。
第一章では、Keawe が「騙されて」瓶を買ってしまいました。その中に魔人が住んでいて、どんな望みも叶えてくれるが、自分が死ぬまでにその瓶を他の人に売り渡さなければ、死んでから地獄の業火で永久に焼かれ続けるというもの。また、その売値は、自分が買った時より安くなければなりません。Keaweはとにかく、大きな家を手に入れ、その瓶は彼の友達のLopakaの手に移ります。彼は自分の船が欲しかったのです。
では、第二章。
Keaweは、手に入れた豪華な家に住んで幸せに暮らしていました。ある日、友達の家に遊びに行く途中で、美しい娘を見かけました。彼は彼女に話しかけ、たちまちのうちに彼等は恋に落ちたのでした。しかしその夜彼は、自分の皮膚に何か斑点があるのに気付きます。彼は「らい病」に罹ったのでした。らい病とわかれば隔離されてしまい彼女と一緒に住むことはできません。もちろん、内緒にしてそのまま豪華な家で彼女と暮らしていくことは出来ます。が、彼は彼女を深く愛していたのです。彼女を傷つけることはできません。
★ で、彼は、友人のLopakaに売った瓶を買い戻そうと思ったのです。つまり、彼の「無垢性」はこれで消えたのですねェ…。欲が出てきました。
彼は、Lopakaを探しましたが、彼は自分の船で航海に出てしまったのです。それで、Lopakaの友達で急に金持ちになったLawyerがいることを突きとめ彼に会いに行きます。彼に会うと、彼はもう瓶を売り払ってしまった後でした。そこから順番に、瓶の行方を辿るために、急に金持ちになった人を探し出し会いにいくのです。そして、ようやく瓶を所有している人物に巡り合います。
★ 考えるに、欲から瓶を買って成功した人はたくさんいたのですね。瓶を売り抜けた人々が。
Keawe followed the lawyer’s advice and
tracked the bottle imp to later and later owners. Everywhere he went, he met happy rich men,
until at last he came to another new house, but its owner’s face was white with
fear, his eyes were black from lack of sleep, and his hair was falling out.
Keaweが瓶を買いたいと言うと、その男はとても喜びました。しかし、その男が瓶を買ったその値段は2セント。
The man looked as if he was about to die
when he told Keawe that he had bought it for two cents.
“Then you can only sell it for…….”
“Yes, only for one cent.”
“And whoever buys it will not be able to
sell it again……”
“And must burn in hell forever!”
しかし、Keaweはためらわず、「愛」のために瓶を1セントで買ったのです。
Keawe was afraid of what he had done, but
his love for Kokua was very strong and it made him happy.
そして、彼は家に帰りKokuaと結婚し、もちろん彼のらい病は治りました、幸せに暮らしていたのでした。しかし、彼の頭から地獄の業火のことは一時も離れませんでした。Kokuaは、彼が不幸せそうな様子であることに気が付きます。そしてそれは総て自分のせいだと思い込みます。
When Keawe found her crying in the house
one day, he asked her what made her sad.
She explained that everybody thought that he was very happy before he
married her but that now he was unhappy, and she didn’t know how she had made
him so unhappy.
それで、彼は事情を総て彼女に話します。すると、彼女の解決策は、
“I will save you! It is still possible to sell the bottle
imp. What is the problem with one
cent? In England, they have a coin
called a farthing, which is worth only half a cent, and in France they have
centimes, which are worth about five for one cent. We will go to French Tahiti! Kiss me, my love, and do not be afraid.”
★ なんと言うエゴイズムでしょう!!!しかし、まあ、たいていの御伽話では、賢い妻が夫のピンチをその賢さ(頓智)で救うんですよね。
Keawe was delighted and called Kokua his gift
from God.
早速次の日、彼等はタヒチに旅立ちます。そこで家を借りて瓶を買ってくれる人を探すことにしました。彼等はとても裕福そうに見えたので誰もが関心を持ちましたが、そんななんでも願い事を叶えてくれる瓶を「4CENTIMES」で売るとはだれも信用しませんでした。それで、Keaweが最後の真実を彼らに告げると、もう誰も相手にしませんでした。彼等は売る相手を見つけることができず、ふたり沈黙のうちに惨めさに浸ります。
第二章は完。第三章につづく。
★ 世の中そんなに上手くは行かないということですね。つまり、全ての人が欲張りではないっていうこと。タヒチの人は、より道徳的で信仰心の篤い人たちだったのでしょう。なにか示唆的だなあ。「正直の頭に神宿る」かあ。そして正直者は貧乏なんだよね。
After a while, nobody wanted to speak to
them, claiming they had an agreement with the devil. They sat together in silence at night, each
as miserable as the other.
次回につづく~~~。
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