永らくアジアへ旅行するのは躊躇していました。20数年前、バリ島とタイへ旅行したことがあります。その時のアジアの様子は今回のペナン島と大いに違っていました。つまり、言いにくいですが、アジアはまだ貧しかったのです。欧米や日本からの観光客が集まる豪華なホテルの周辺には、貧民層の小さな家々が密集していたのです。こんな状況の中、のほほんと観光気分には浸れない、というよりボランティア活動なんかに取り組むべきだと。しかしながら、わたしはそんなキャラではないしと、アジア旅行を封印したのでした。(軟弱でスイマセン。)
そして今回ペナン島に行きました。近年のアジアの発展ぶりは素晴らしく、もうアジアへ行ってもいいんじゃないかと。引け目を感じることなく、ゆったりとバカンスを楽しめるかなと。先回ニュージーランドのフィチアンガの語学学校に行った時、生徒にタイ人が多かったことも一因です。今まで、中国人や韓国人に学校で会う事はありましたが、その他のアジア人に会うことはありませんでした(サウジの金持を除く)。
で、やはりアジアは良いわあ、落着くわあ、です。ヨーロッパ人やアメリカ人より同じ顔立ちのアジア人にはやはり親しみがわきますよね。これは私だけの「偏見」かなあと思ったところ、最近面白い記事を見つけました。『日本人を助けた中国軍艦』です。4月のお話らしく、ペナンで新聞を読んでいませんでしたから、初耳の出来事です。
インド洋の小さな島、ソコトラ島で起きたお話のよう。イエメン情勢の悪化によりその島の空港が閉鎖されました。その近くにいた中国軍艦がその島に滞在していて閉じ込められていた中国人をオーマンの港まで送り届けました。その中にひとりの日本人がいたのです。この記事を書いた記者は、その日本人を助けた中国人の女性にインタビューをしました。
北京在住の日本のアニメが好きなイラストレーターで、アラビア語を独習し、趣味で中東を旅行している張阿美さん。3月下旬に日本語教師の中国人の友達とソコトラ島に行きました。それでこの事件に巻き込まれ、同じホテルに泊まっていた日本人のAさんと知り合いました。他にも外国人旅行者は十数人いましたが、「東アジアの顔は私たちだけだったから、話をするようになった」と張さんは言っています。それから10日間、三人は食事を共にし、日本語や英語で「どう島から脱出するか」について話し合いました。
そこで、中国大使館から中国軍艦を派遣し、救援すると連絡が入ったのです。張さんが「日本人の友達がひとり一緒だ。」と大使館員に告げると、一緒でもいいとの返事をもらいました。Aさんも日本大使館に連絡し、事情を説明すると「お願いしてください。」との同意をもらいました。オーマンの港に着くと、「日本人に最初に下りてもらいましょう。」という客人に礼を示した艦内放送が流れたそうです。
記者は、Aさんにも取材を申し込んだそうですが、その時いろいろな批判がネットに飛び交ったので、辞退したいという事のようです。つまり「おめおめと中国の軍艦なんかに…」という類のものです。
これはこれでいろいろ考えさせられる記事ですが、それはまた考えるとして…、今回のわたしの興味は、「東アジアの顔は私たちだけ」にあります。ペナンは同じ「東アジアの顔」ではないけれど、アジア人としての共感は覚えます。確かにね。
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