2016年12月13日火曜日

『21世紀の豊かさ』


新聞の書評欄で見ました。興味を持った本を読むことなくUPするので、「書評の書評か?」と、自分で突っ込みを入れております。最近のトランプ氏現象やイギリスのEU離脱、ヨーロッパの保守右翼台頭など…、世界の状況は変わりつつあります。そこで、これからの世界はどのようになって行くのが、あるいはどのようになるのが人類の幸福なのかと。

 

社会民主主義というのがキーワードのようです。

 

「20世紀の社会民主主義は、民主主義と資本主義の洗練化に貢献し、市場と国家の連携を通じて経済的かつ社会的な進歩の理想を普及するまでに至った。」

 

しかし、今、その「進歩」は限界を迎えているようで、経済のグローバル化に伴い社会民主主義は新自由主義に駆逐されつつあると。そこで、ラテンアメリカ、ヨーロッパ、日本の研究者たちが、経済の成長の限界を迎えた今、社会民主主義の再活性化を模索して書いた本が「コレ」と言うことです。

 

日本でも模索されつつある「里山資本主義」とか、中央集権からの地方の活性化=コモン(共)の復活です。自然と共生しつつ、資本主義経済の枠からの脱出です。なんでも金で解決しないで、人の労働力を共有することによって(つまり、お互いに助け合って暮らして行きましょうよということ。)、生活を廻して行きます。わたしには散髪の技術がありますから、あなたは大工仕事をしてください…、なんて。それはそれで、ちょっとシンドイですが。そんな、メンドクサイ人間関係から解放されるために、お金でけりをつけて来たんですから。

 

もちろんわたしは社会民主主義に一票入れます。が、同時に自己改革も迫られるなあ…、と。

 



 

でも、今回のアメリカ大統領選では、奇妙なねじれ現象が起きていると思っちゃいますが。つまり、社会民主主義を押している民主党クリントン氏が負け、本来新自由主義を押す共和党が「新自由主義に反対する」トランプ氏を立てて勝者になったということ。

 

トランプ氏を押したのは、中産階級の労働者です。経済のグローバル化に伴い新自由主義が台頭し、能力あるものが勝者になるのだというスローガンのもと、貧富の格差が広がりました。資本主義社会は、中産階級で保たれているのです。(私見では、)中産階級が資本主義の矛盾を隠蔽していますから。中産階級同士で喰い合っているから、アッパー・クラスとローアー・クラスの存在が隠されているのです。そこで、アッパー・クラスのトランプ氏が労働者の為に立ちあがるとは、オモシロイ。

 

わたしは、これは現代の「市民革命」だなあと思います。大衆の勝利です。市民革命はブルジョア革命であって、決してプロレタリアートの革命ではありません。またまた、無産者階級は置いてきぼりにされて、世の中は進んでいくんだなあ…、と。







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