こんな研究分野があるとは知りませんでしたが、「新しい分子をデザインする化学」だそうです。岐阜大学工学部准教授池田将さんの記事を見ました。彼は、「自分で考えて自分で形を変える分子を作りたい。」と、化学合成で人工的に作る人工細胞の作成に励んでいます。
2014年、病気になると体内で増える物質を認識して、溶けるゲルを開発しました。水をゲル状に固める分子を製作したのです。水に入れて加熱すると、分子の一つ一つがブロックのように積み重なり、ナノサイズの繊維状の構造を取ります。水に対して1%だけその分子を入れると、繊維が網の目状に出来、水がゲル状に固まります。
このゲルに薬を入れておけば、血糖や尿酸値などに反応してゲルが溶けた場合、薬が放出されて治療を始めることになります。中に入れる薬に合わせて、何に反応するとゲルが壊れるかという設計をする訳です。
今年は、低酸素状態を感知して折りたたまれる分子を開発し、今後も、「病気の診断や治療に役立つ分子を開発したい。」とか。
このような科学の発展に水を差すようなことを言いたい訳ではありません。もちろん、いろいろなことが発展してきたおかげで、我々人類の暮しも進化し、寿命も延びて、人間が地球上を埋め尽くすようになってきた訳でありますから。
しかし、あまりにも「自然を弄くり回している」という感は拭えません。自然界に無い物を次々に作り出しています。遺伝子組み換え食品や遺伝子操作した動物、サイボーグ化させた昆虫…等など。
ナノサイズというのもそうです。人間の肌は、その隙間以上に大きな物質を通さないように出来ています。有害物質を通さないためということもあるのでしょう。しかし、ナノサイズにすることによって肌から吸収できるようにした化粧品などもできました。何か異常事態が起きた時はどうするつもりでしょうか。
また、極小のスクラブというものもあります。洗顔クリームの中に入れて、肌の角質化を防ぐとか…。そういう極小の物質が、下水から川へ海へ流れ込みます。それを小さな魚達が体内に蓄積します。それを大きな魚が食べます。つまり、蓄積される量がだんだん大きくなるということ。そして、そんな魚を人間が食べます。その量はまだまだ人間に害を与えるほどではないと、WHO(?)、どの機関かは知りませんが、発表しています。
まあ、人間が自然体系を破壊して、いつの日にかしっぺ返しを受けることは間違いありませんが、見るところ、人類自体がその自然体系から逸脱しようと試みているのかも。そんなことを考えた2016年でありました。
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