『脳波を無線送信―――義手やPC操作』という記事を読みました。大阪大学などの研究グループが世界に先駆け臨床実験をするそうです。
全身の筋肉が動かせなくなる難病患者の頭の中に電極を埋め込み、脳波を直接受信し無線でパソコンや義手に送信し操作するのだそうです。以前は、頭皮に貼りつけた計測器で脳波を読みとっていたのですが、今回は頭を開いて直径1mmほどの電極を100個くらい直接脳の表面に貼り付けます。頭蓋骨に数センチ四方ほどの穴をあけ、そこに無線で体外に信号を送る装置を埋め込みます。装置は体外から充電できるようです。ペースメーカーより進歩しましたね。異物を体内に入れるリスクはありますが、ケーブルで繋ぐより感染症の危険が少ないとか。
もちろんALSの患者さん達にとっては朗報と言えます。が、以前にUPしたように「人間はどこに向かっているのだろうか」という疑問を禁じ得ません。人間の身体のいろいろな部分をiPS細胞で補強したり機械に置き換えたりして、人はどんどんサイボーグ化していきます。『銀河鉄道999』で少年鉄郎が機械の身体を求めて旅するように、人類は自らを機械化し、永遠の命を手に入れようとしているのでしょうか。
日本が世界に先駆けてこのような研究を進めて行く訳のひとつは、たいていの日本人は「オタク」であるという事実があるように思います。マニアックな人々が多過ぎる。また、ヒト以外の物に「魂」を感じるという文化もあります。文化と言うか宗教的(?)か。近代文明を持つ国が、未だにアニミズムを信仰している国は珍しいとか。「鉄腕アトム」を読んで育った我々は、機械にも情緒を求めてしまうのかな。
とにかく、フィリップ・K・ディックの『火星のタイム・スリップ』の自閉症の少年の哀れな末路を思い出してしまいした。
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