今、熱いお茶を啜りながら書いています。私の息子は漫画家なんですが、つい最近彼の作品が一般誌に掲載されました。これまでは、書店に置けないようなマニアックな作風だったのです。しかし、それを止めた訳ではなく、作風の範囲を広げたんですね。
それで漸くわたしも周りの人に話せるようになったというわけ。コミック月刊誌だったので、アマゾンで5冊購入し、周りの読んでくれそうな人に差し上げました。綴じ込みのアンケートはがきを出すようにと念を入れて。相当なオヤバカです。
最近、映画はほとんど見ていません。と言うか、映画館に足を運んで見たのはいつのことでしょうか。思い出せません。学生時代や若い時分は、年に100本以上は見ていました。まあ、ヴィデオもない時代でしたけど。
その後、子育て時代は映画を見る暇もありませんでした。ラジオ番組などで「映画の流れ」を語るようなものがあるでしょ。そう言うのを聞くと、在る時期だけ全然わからない映画があるのです。そう、子育て期だけわたしの映画の歴史が途切れているのです。
その時期をクリアーした後は、レンタルビデオ屋さんの全盛期で、1週間に4~5本は見ておりました。映画館にもたまには行っておりました。が、第二の空白期が訪れます。2003年から2005年のあいだ上海に暮らしていた時期です。
上海ではDVDは、道端で売られていました。もちろん海賊版ですが。最初に路上でDVDを購入した時は、めいっぱい騙されました。だって、DVDが1本100円もしないなんて、思わないでしょう。「2本で1000円」と言われても、「安いなあ」って買ってしまいますよ。
そして、中国人の友達と一緒の時、彼女が路上の売人にディスカウントを求めているので、DVDまで値切れるのかとビックリ。そして、彼女が1本80円くらいで買ったので、2度ビックリ。その時わたしは騙されていたのだとわかりました(彼女には騙された事を打ち明けませんでしたが。)。そのDVDを売っていたオジサンもわたしの方を見て、「こいつにかかっちゃあ形無しだあ。」という表情を見せました。彼女の事ですよ。
その後、わたしのDVD購入術は進化して、どの店が安いとか私好みの物を売っているとかわかるようになってきたのです。もちろん、DVDは海賊版なので違法です。DVDの売人も警察が来ると、蜘蛛の子を散らすように雲散霧消します。が、警察が去るとまたすぐ戻って来ます。ですから、一応お店で売っているDVDも違法なのです。しかし、警察の手入れはありません。
アメリカ人の友達が、「いいお店があるよ。」と言いました。「でも、見かけはDVDは売っていないんだ。食堂みたいなところを通り過ぎて裏のドアを開けると、DVDがいっぱい並んでいるんだ。」と。わたしは、そんなお店は見ませんでした。みな堂々とDVDを並べて売っていましたよ。でも、だいたい2~3坪くらいのお店です。馴染みになると、新しく入ったばかりのDVDを取り出して見せてくれました。
と言うわけで、ここでもわたしは、週に4~5本はDVDを買って見ていたのでした。しかし上海から帰ってから、その後遺症で映画を見れなくなってしまったのです。つまり、映画を見過ぎて、話の展開がわかるようになってきて、どの映画も面白くなくなりました。
しかし漸く最近、新聞の新作映画の紹介欄を見ていると、もう一回見てみようかなあ~、と思うように。そのひとつが『ブラインド・マッサージ』。中国映画のようです。
南京で2人の盲人が共同経営するマッサージ院のお話。そこに勤める人々もすべて盲人。「様々な人生を背負ってこの院に関わる盲人たちの日常が、冷徹に描き出されていく。」とあります。
つまり、わたしたちは盲人を可哀そうな庇護しなければいけない人々と考えがちですが、ところがどっこい、彼らも当然のことながら「人間」なのである…、と言う事。悪い人もいれば、良い人もいる。純情な人もいれば、エロい人もいるという事。一つの括りで一絡げに考えてはいけないのです。
観客は、盲人の世界に取り込まれ、彼らの時間を生きる、彼らの触覚を感じる、彼らの「美しさや滑稽さ、もがき苦しみ、歓び」を共有する。そして、彼らが盲人であるということで、「世間と隔絶した、あるいはひとところに押し込められた仮借なき世界」を共有するのです。
まだ、映画は見ておりませんが~。
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