上海で暮らしたことがあると言っても、2003年から2005年までの約2年間です。それも北京オリンピックや上海万博以前の話ですから、上海は、まだまだ今の様相を呈していませんでした。と言っても、中心地は高層ビル群。日本より発展している側面もありました。
最近のロシアのウクライナ侵攻で、中国のこともよくニュースに取り上げられるので思い出しました。
習近平の「人権無視」、「思想統制」の事などです。でも、中国の人は、国家のやることをそんなに身近に感じていないと思います。
中国人の友達を見ていても、一番大事なのは家族、そして、親戚、そして地域のこと。国家は、異次元で活動している組織の如。しかしながら、日本もそうですよね。たいていの人は、政府のいうことに反応しないし、関心もない。自分の日常をより良く過ごすだけ。思うのは、「民主主義」を自分の力で奪い取った市民と与えられた市民の違いかと。
話が逸れてしまいました。思い出したのは、上海の英会話学校で会った人たちのことです。友達に頼まれて、英会話学校に通っていました。その頃、上海にその手の学校が出来始めて、まあ、数合わせです。
一人は、よく覚えていませんが、「政府が何かを禁止したが、そのことについてどう思うか。意見を言う授業」。その時の生徒は3人で、わたしと台湾人と中国人。わたしと台湾人が自分の意見を言いました。先生が(中国系アメリカ人)あなたはどう思うかと、中国人に訊きました。割と年配の男性でした。彼は、「羨ましい。」と言いました。私たちが「えっ、」と言うと、「あなた達が自由に意見を言えるのは羨ましい。私たちは、政府に意見は言えない。」と。
またある時、30代くらいの女性が言ったことです。「小さい弟が間違って毛沢東の写真を破ってしまった。母は、驚いて警察に見つかるといけないので、その写真を隠した。その後、しばらくビクビクして暮らしていました。」と。
台湾人の女性は、「ここに居る人たちは、わたしを台湾人とは思っていない。中国人なんだ。」と。
上海では、おもしろい経験をしたと思います(辛い事の方が多いが)。先生も面白い人もいましたよ。アフリカ人の先生とか。何が面白いかと言うと、上海には似合わず、いつもパッリとしたアイロンの効いた白いシャツを着ていた事です。
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