2013年9月5日木曜日

新しい社会を求めて・・・


最近、興味そそられる記事を見た。『取締役は全員ニート』という記事だ(朝日新聞)。

 

この企画を打ち出したのは、安田氏(NPO法人理事長48歳)。安田さんが経営コンサルタント会社を経営していた時、多くの「組織に属するのは嫌」という若者に会った。それで、ニートだけで会社を立ち上げたらどうなるかと、計画したという。はじめは三千人余の参加があったが、実名登録を呼びかけたところ、300人余りに絞られた。「雇う、雇われる」という関係をなくしたいと言うことで、全員が取締役。年内の設立を目指している。

 

ここで、わたしが興味を引かれた事は、参加希望者のアンケート。

 

持っている資格:小型船舶免許1級、TOEIC990点、ソムリエ、美容師免許、溶接、学芸員…等々

 

やりたいこと:どんなことでも個性が輝ける日本を作る、ニートの立場からのエンタメ情報発信、ブラック企業の撃滅、人や社会に役立つこと…等々

 

やりたくないこと:人を不幸にすること、毎日定時で出社、儲けしか考えないやり方、満員電車で通勤、過労、手のかかっていないものを高く売ること…等々

 

 

 

満員電車で通勤したくないなんて根性がなっとらん・・・、なんて批判が聞こえてきそうだけど、そもそも家から相当に離れた場所に働きに行く事こそ、少々おかしくないでしょうか。これらのアンケートを見ていると、今、現在の資本主義に対し、何かがおかしいと感じ、それに代わる新しいパラダイム(規範)を模索している人たちと共通しているなと思うのです。

 

例えば、評論家の渡辺京二氏。彼は、「資本主義の深化が共同社会を壊した、まだ成長が必要か」と問うています。

 

「お隣さんに、『悪いわね』といって、子どもを預けていたのが、今はベビーシッターを雇わなければいけない。つまり共同社会では無償で支え合ってきたものを、資本主義社会は商品化してしまう」

 

もちろん、お金を支払った方が簡単です。お金を払えば人間関係を構築するという面倒くさい事をしなくてもいいから。しかし、そうやって人と人の繋がりをバラバラにして、全ての人を消費者にして「お金のやり取り」だけの関係を作りだす・・・、というのが、資本主義が発達するための方法なのです。

 

また、NPO法人グリーンバレー理事長の大南信也氏(60歳)。彼は、人口減少が避けられない山村で「創造的過疎」計画を推し進めています。「『逆指名』で移住者を呼び込む」という計画です。

 

「過疎地で人口が減るのは仕方がない。でも、自分たちが思い描く過疎の未来があってもいいのではないか。」と、自分たちが自らの地域の理想像を先ず描き、そこから逆算して何が必要かを決定していきました。彼のそのための活動はいろいろ多岐に渡っていますが、興味引かれるのは、町に必要な職業を持った人を逆指名して移住してもらったと言う事。ホームページで町が求める職業を募集すると、パン職人さんやらウェブ技術者さんなんかが、集まってきました。この5年間で誘致した移住者は44世帯82人で、2011年度に初めて転入者が転出者を上回ったそうです。

 

以前見た記事、「ドイツのある町では、町の中では金銭のやりとりで仕事をせず、自分の得意分野の仕事をお互いに提供し合う」に少々似ているなあと思いました。実際、もう一度こういう昔ながらの人間関係に戻ることは、相当な努力が必要とは想像できますが・・・。


 




にほんブログ村 その他日記ブログ ひとりごとへ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿