この間テレビを何気なく見ていたら、ある医者が興味深い事を言っていました。癌治療の特効薬、オプジーボについての番組です。記憶はあいまいですが、この薬は癌細胞を特定し、癌細胞だけを攻撃するので、人体に優しいという事。つまり、手術なしに薬だけで癌が治るということか。
しかし、この薬の値段が半端じゃない。年間3500万円程度必要といいます。日本には健康保険とか高額療養費の制度が充実しているので、実際に個人が払うのは130万円程度という話。この番組で紹介されていた癌患者さんは、月額4~5万円くらい薬代を負担していると言っていました。
では何が問題かと言いますと、個人負担以外の薬価は税金で賄われているという事実です。このオプジーボの効力が高ければ高いほど、多くの人が使用することになります。その分国民の負担が多くなるという事。約5万人の患者への投与が想定されています。そして、これは税金から支払われます。
そして、その医者の言ですが(お医者さんの名前は覚えておりません。國頭英夫さんかもしれません。が、わかりません。)、…医者や製薬会社は人の延命のために研究しているのです。科学が進歩し、多くの人に役立つことはいい事です。しかしそのために、膨大な負の遺産を抱える事になる(薬代の事)。それは、科学の進歩に制度が追い付いて行かないからです。…、だいたいこんな様なことを語っていました。
実際、最近の科学の進歩は目覚ましいものがあります。この特効薬然り、その他iPS細胞による皮膚の製造、角膜の製造、臓器の製造、または今話題のAI。AIによる自動運転自動車やIoT。昨日の新聞では、AIがAIを創る時代を見越し、AI自体にも倫理観を与えなければいけない…、とかが述べられていました。
と言うことで、我々一般人は置いてきぼり。また、人が作る制度も置いてきぼり。科学の進歩を見張る、あるいは制御する、あるいはサポートする人間力の進歩も考えに入れてもらいたいもの。ところが、政府は大学の文系を切る様相です。プラクティカルな学部にのみ力を入れないで、今のところは社会に役立たなそうに見える文系の学問――哲学とか文学とか――を専攻する学生も育成していかないと社会に破綻が起こりそう。未来を想像できる人の育成が必要と思いますが~。
人間の産業活動により排出される有害物質により引き起こされた四大公害病。日本では、特に高度経済成長期、つまり1950年代後半から1970年代のこと。このまま科学の進歩を野放しにしておいたら、新たな災害が起りそうな予感がするのですが、いかがでしょう。
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