2021年12月13日月曜日

戸籍から犬神家の連続殺人事件を探る……という事です。



 


『犬神家の戸籍』

 

 

ご存知、横溝正史の『犬神家の一族』、―――この怪奇な連続殺人のドロドロ劇を冷静に「戸籍」の観点から分析しています。著者は遠藤正敬氏。専門は政治学、日本政治史です。「戸籍」というものにこだわりがあるらしく、著書は、たいてい「戸籍」という単語が入っています。

 

わたしがこの本を読もうと思ったのも「戸籍」に興味があるからです。ナチュラルボーン・フェミニストとしては、「戸籍」はまさに差別の温床と思われるから。遠藤氏も同じ意見のようです。

 

もうひとつ、もちろん推理小説のファンだからです。と言って、私、横溝正史の本は一冊も読んでいないことに今回気付きました。映画やテレビドラマでこれでもかとばかりに流れていたので、すっかり読んだ気になっていたのでした。

 

『犬神家の一族』も石坂浩二さんの金田一耕助から古谷一行の金田一耕助、その後の現代的バージョンの金田一まで、フルバージョン見ている気がします。

 

 

さて、原作を読んでいないわたしとしては、映像の『犬神家の一族』しかわからないのですが、それぞれの監督の思惑として細かい部分が改変されているらしい……。政治学者としての遠藤氏はその辺のところに「疑問アリ」のようです。というのは、第二次世界大戦の前と後で「戸籍制度」が変化しているから。ですから、この事件が民法の改正前に起こったのか、後に起こったのかで遺産相続の状況が変わって来ます。

 

『犬神家の一族』は、家長のワンマン佐兵衛がとんでもない遺書を残して亡くなったことにより起こる連続殺人事件の顛末です。

 

先ず、佐兵衛は、天涯孤独の身。両親が誰かもわからず、孤児として育ちます。という事は、彼の戸籍はいつ作られたのか?彼の系譜も不明です。そして、彼は一回も結婚をしていません。三人の娘がいますが、それぞれの母親が違う婚外子の子供達です。そして、その配偶者はすべて婿養子。ここで、戸籍に関連して嫡子・庶子の問題、養子の定義等々が浮上します。

 

「本編の遺産を巡る連続殺人事件」にこれらの戸籍問題はまったく関連してこないのですが、科学系ではよくある「ウルトラマンが現実の地球に現れたらどんなことが起こるか。」とか、「ドラえもんのタケコプターは、現実にはどうなるか。」とかの人文科学系版と言えますか。

 


 

私事ながら、今年の初めに父が亡くなりまして、遺産相続の煩雑さに辟易しました、父の生まれた時からの戸籍を揃えなければいけなかったのです。

 

98歳でなくなりましたので、その間のです。しかしながら、あまりの古さに最初の2~3年の戸籍は廃棄されていました。その分がいるなら、廃棄されたという証明書をもらう必要がるという事でしたが、なんとか「無し」で済ませてもらえました。

 

その膨大な戸籍にはいろいろな情報が入っています。その情報は一般に公開されていたようです。民法の改正により徐々に誰でも見られるものではなくなってきていますが、まだまだ問題も有りそう。

 

「夫婦別姓」が議論されている(されているか?)昨今ですが、なぜ、「戸籍」が必要なのかという問題も国会で議論してもらいたいものです。

 

 


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