『変な家』
年末に新聞広告でこの本の事を知り、購入してしまいました。アマゾンで買うと1月1日に配達とあり、お正月から配達してもらうなんて申し訳ないなあ~、と思いつつも。
考えてみると、5~6年前までは、「お正月巣籠」などと称して本を6~7冊買っていました。結局は、3~4冊しか読めなかったのですが。現在、囲碁に夢中で読書をする機会が徐々に減ってきたということです。
それでもこの本を買ったのは、広告に「間取り」が書いてあったからでしょうか。部屋の「間取り」を見るのがひとつの趣味なのです。その間取りが変だという「お話」。広告の内容を読むと、「ふ~ん、確かにおかしな間取りだ。」と、興味を持ってしまいました。
実は、この本の広告を見ることは、これまで2~3回ありました。初めは、不動産関係の本なのかと。こんな変な間取りの家に騙されて買ってはいけません、というような警告本かと。しかし、サスペンス・ホラーらしい。
『変な家』は、エンターテイメント小説らしく、すぐ読めそうだなと思ったのも買った理由のひとつです。実際には、12月31日に届きました。想像通りすぐ読めそうで、1月2日に2~3時間で読めてしまいました。よく言えば、引き込まれた……と言うことですか。
読みやすかったです。物理的にも。文字が大きくて、行間が広くて、年寄りに優しい作りです。サクサク読めたのは、戯曲のように会話で成り立っているからかも。戯曲なら場所設定とかのト書きがありますが、それもないです。
アマゾンの書評欄に「もう少し、人物描写があれば……」と言うのがありました。その通りと思います。ひとつのプロットがあって、それがそのまま述べられている感じです。が、そのプロットが面白いので、読めます。。。
変な間取りからの想像で、ここでどのような事件が起こったのかを解き起こす。その想像の事件がオドロオドロしくて、奇妙奇天烈です。「想像した事件」が本当に実在するのかというところが、ミソです。
結論は言わない方が良いと思います。が、「すぐ泣いてしまう」わたしは、泣いてしまいました。年末のテレビドラマの再放送、再再放送、再々再放送を見ても泣いてしまうわたしですから、まあ一種の浄化作用です。
面白いプロット、その「筋」だけで書かれた本です。飾りが何もない。『タンゴ・イン・ザ・ダーク』を思い出しました。この本も書きたいことがひとつあって、それだけのために他の飾りをくっつけたと言った感じでした。
しかしながら、その「書きたい事」は圧巻で、長編にしなくてもそこだけ書いて終っておけば良いものをと思った次第です。
『変な家』の著者は雨穴さん。この方の第二弾を期待します。素晴らしいプロットとそれを引き立てる表現力を!
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