2023年12月13日水曜日

直近の興味は、



二つありました。大谷翔平の動向と自民党(政権)の動向です。


大谷翔平の方は、ほぼほぼ決定した模様です。あんな大金で契約して大丈夫かと思うのは、わたしが小心者だからでしょう。大谷翔平さんなら、それだけの分の活躍は出来るでしょう。


もうひとつ「なるほど」と思ったのは、7億ドルなら、円が一円下がったら7億円増えるというコメンテーターの言葉。そんなに大金なのね、と。



もうひとつ、自民党はどうなるのかという事。政権交代はあり得るのかと。別段、野党を応援しているわけではありません。アナキスト(?)を標榜している私としては、どの政党も気に入りませんが、自民党よりはましでしょう。


旧民主党が政権を勝ち取ったのは、よく覚えていませんが、2008年にエジプトに行った時には民主党政権でした。ですからその少し前でしょう。とても嬉しかったです。永遠に変わらない様相の日本社会が、少しは前に進むのではと。


なぜ覚えているかと言うと、その時のツアーのガイドさんに「日本で政権交代があった。エジプトはどうなの?」と聞いたからです。無謀でした。エジプトの当時の大統領は、独裁政治の感があり、国民は公に意見を言えなかったのでした。


民主党政権は、福島の大地震の原発事故と共に終わりを告げました。個人的感想を言えば、あの時原発事故がなければ、まだ民主党政権は続いていたかもしれないという事。わからんが……。


そして今回、ーーー日本の閉塞感をなんとか打破してもらいたい。

以上




2023年12月6日水曜日

追加情報

 



生成AIに潜むバイアスについてです。


人種バイアスもあるそうです(新聞記事情報)。黒人やヒスパニック系の就職や入学が白人に比べて厳しいとの事。アメリカの話ですが。1000人のハッカーが調査したところ、そんなようなことで。。。


AIを開発している人たちに白人男性が多い事からの現象かもと。開発者にも多様性が求められるとの結論です。


ヒトは、便利なツールを発明しても、業からはなかなか脱出できないようです。





2023年12月4日月曜日

終活



 

終活と言っても、ドル紙幣とユーロ紙幣のことです。


もう海外旅行はお終いにしようと。最後に行ったのは、モロッコでしょうか。いつでしたかネ。多分コロナ前なので、5年くらい前か?


海外旅行をお終いにしようと思うと、抽斗に仕舞い込んでいる紙幣は紙くず同然。それで、円と両替しようと考えていたのですが、外貨両替所は駅にしかありません。一か所だけです。海外に行くと、町中に両替所があるのになぜでしょうね。円が強いからか?


歳と共に、街に車で行くのが億劫に。駅付近は迷路のようですから。それでも行きました。グズグズしていると、また、価格が下落するかもと。



順調に駅まで辿り着けました。走っている内に、街中を車で走り回っていた時の感覚が蘇り、道路もそのままありましたから(当然か)。でも、まわりの景色は変わっていて、驚くほどモダンに綺麗になっていました。街路樹などの緑化も進んでいます。

 

地下の駐車場に入れて、両替所を探しましたが、少々時間を取りました 。でも、無事交換。最近は窓口の人も丁寧で慇懃になりましたね。手数料は思っていたよりたくさん取られましたが、「これで最後だ。仕方がない。」と納得。


全部で86000円くらいになりました。近くのデパートで、セーターを買いました。私にとっては贅沢品の23000円のセーターです。それでも、ルンルンと家に帰りました。


何故に旅行をやめるのか?この前、町田康さんが新聞に書いていましたが、わたしも彼の意見にまるっと賛成です。その話は、またの機会に……つづく。。。






2023年11月26日日曜日

なんてこったい。ディック凄し!



少し前にも書きましたが、ディックは1960年代70年代に活躍したアメリカのSF作家です。


その頃に書かれた作品、コンピュータが支配する世界。そのコンピュータが、アメリカ製、欧州製、ソ連製、中国製、日本製で、それぞれの個性を出して世界で争っている訳です。


それで、それぞれの言語で自主学習している生成AIは、それぞれの個性を持つのかなあ~、と書きました。



前置きが長かったですが、先日「チャットGPT、職業に性別偏見」との見出しが、新聞の一面を飾りました。


宇宙飛行士は男性的、看護師は女性的などと、ChatGPTは職業に対しジェンダーバイアスを持っていることがわかったと。大量のデータを学習しているAIが、もとのデータに含まれているバイアスを反映したのです。ーーー驚きです!


こういうことを研究している人がいるということも驚きですが、ChatGPTの運営側もAIのバイアス対策に取り組んでいるという事実にも驚きました。説明してよ~ん。広く世間に知らしめよ、です。


ジェンダー問題ばかりでなく、それぞれの言語に無意識に含まれているバイアスも生成AIに反映されているかもと。


予見したディック、畏るべしかな!




2023年11月19日日曜日

『透明標本』という本



「透明標本」

 

 

先日、新聞のコラムで富田伊織さんの事が紹介されていた。

 

「肉を脱色して透明にし、薬液を使って骨を青や赤紫に染める『透明標本』。もともとは生物の骨格を知る研究用の技術。それを芸術の域まで高めた。」

 

とある。

 

なにか見た記憶があるなあ~、と。そうだ、本を持っている。2009年に買っている。その時は、新聞の書評を読んで購入した。

 

その書評では、

 

骨格標本というと、骨以外の柔らかい組織を取り除いてつくるタイプが思い浮かぶが、この手法には限界がある。小さな魚などでは骨格の細部や軟骨組織まで、そっくり取り出すのがむつかしいのだ。

 

とある。



 


この技術で骨格標本を作る意味はわかった。体内に収まっている状態の骨格を観察することができるのは、分類学上大いに益するようだ。

 

科学的価値は理解したが、それを芸術の域まで高め観賞するのはどうなんだろうか。わたしの個人的趣味の問題だが、それが「生きていたものである」というところが、どうも頂けない。

 

「まるでガラス細工のような美しさ」とのキャッチコピー。わたしもこれがガラスで造られているのなら、美しいなあ~、と思える、と思う。

 

本は、写真集なのでパラパラと簡単に観賞できる。が、わたしはこの本を買ったときにパラパラと見ただけである。感想は、「おぞましい」。ホルマリン漬けの標本を見て、楽しい人、勉強になると思える人には、よさそうだが、わたしはね、っと。

 

標本の存在意義は認めるが、そこに芸術性をプラスしなくても……、生き物は、生き物として自然に返してあげようよ~、という私の意見です。




2023年11月12日日曜日

妄想のつづき。。。


前回、ヒトは人に育てられてヒトになるのでは?と書きました。


で、AIはどうなの?と。生成AIです。


アメリカのSF作家であるフィリップ・K・ディックが、1950年終わりか1960年初期に著したSFで、タイトルは忘れましたが、コンピュータが牛耳る世界で、アメリカ製のコンピュータ、ソ連(ロシア)製、欧州、中国、日本製のコンピュータが出て来ます。それぞれのコンピュータがそれぞれの国を治めているのですが、それぞれの国の特徴が表れているわけです。


つまり、国民性によって、製作されたコンピュータも性格が違うという事。となれば、それぞれの言語で学んだAIは、そのそれぞれの言語の特性を具現化するのか?と。


今、日本政府は日本語による生成AIを計画しています。そうなると、英語で学んだAI、ロシア語で学んだAI、中国語で学んだAI,日本語で学んだAI(欧州は何語で学ぶかは知らないが)は、その国を代表してその特質を示すのでしょうか。


そうなると、ヘイト問題はどうなるのでしょう?それぞれ恣意性を持つのでしょうか?



話は逸れますが、(妄想だから)、


AI翻訳は格段に進歩しています。ドイツのAI翻訳サービスDeePLの最高経営責任者ヤロスワフ・クテロフスキーさんのインタビュー記事を読みました。


外国語を学ぶ必要はなくなるのではないか?との問いに、「外国語をまなぶことで脳は訓練される。異文化についても知ることができるのでは。」と答えています。


同感です。外国語(あるいは外国)に興味のある人が勉強することになるのではと思っています。つまり、趣味ですね。外国語研究の趣味。仕事だけに興味のある人は、AI翻訳に任せておけばよくなりそうです。


「十分なデータさえあれば、エイリアンの言葉だってAI翻訳で理解できるのでは」の質問には、「AI技術はそれを可能にするはず」と答えています。


それじゃあ~さあ~、と思います。エイリアンより地球の生物の声を聴いたらと。


鳥の鳴き声から意味を見出している研究者もいますし、その他の動物も然りでしょう。植物の「声」を分析している研究者もいますよ。


それだけの資料があればAIに学ばせて翻訳してもらえるんじゃないのかなあ~。


興味深いことになってきそうです。ネ。





2023年11月5日日曜日

今日の妄想



フェミニズムに関して、よく引用されていた言葉。


「女は女として生まれない。女となるのだ。」


ボーボワールです。女は生まれた時から「おんな」ではなく、女となるように育てられて……「おんな」となります。


高校生の時にこの言葉を知って、「なるほどねえ。」と思ったのですが、考えてみればなんでもそうですね。


わたしは、「日本人」として生まれたのではない。日本人となるように思考形態、生活形態、等々、教えてこられた。


同様に、パレスチナ人もイスラエルの人々も、生まれた時は「人間」だった。人自体も、人に育てられたからヒトになる。


そう考えると、全ての人が愛おしくなります。




2023年11月3日金曜日

『パレスチナ』

 



イスラエルのガザ侵攻が、現在問題になっている。それで、以前『パレスチナ』という本を買ったと思い出した。


「中東の火薬庫に平和は訪れるのか?」というキャッチコピー。柴生光和氏が著したもので、平成16年に買っていた。


「イスラエルとパレスチナ」は、その頃も世界的に問題となっていた。実際、わたしが高校生の時から(関心を持ったのは高校時代という意味です。)中東問題は、大きくなったり治まりかけたりしながら続いていた。


それで、2001年、9・11事件もあり、「パレスチナ問題」とは何かを、正式に理解した方がよさそうと、この本を購入した。その後、中東問題は落ち着きを取り戻した感があったので、心の奥に埋没していた。


今回思う事は、


最終章の第6章「これからどこに行くのか」で「平和は来るのか」と問いかけている。芝生氏は、「楽観的ではあるが」とことわったうえで、「迎えたばかりの21世紀に実現するだろうと思っている。いや、そう信じたい。しかしそのためには、いくつもののりこえるべき障害がある。」と述べている。


以前「女性が男性と同じ権利を持つには、あと100年かかると言われている。」と書いたように、人間の意識の進化は遅々として進まない。科学技術や医療技術は、格段に進歩している。それに伴い、人の意識も進歩していると錯覚しがち……ということ。


ここで、わたしは建設的意見を述べることはできない。知識不足とエネルギー不足である。自分の情けなさを知る。




2023年10月27日金曜日

再び蜘蛛の話


服に蜘蛛のタマゴを見つけ大変驚いた…という話をしました。ガムテープではがして洗濯しました。そして、クローゼットにしまいました。


ところが、同じ服にまた卵が。クローゼットに蜘蛛がいるのか?


そこで、ちがうクローゼットを見てみると、他の服にも卵が。。。黒とか紺の服ばかりです。初めて見た時は、「ギャー!」という感じでしたが、今では、指でつまんで剝がせます。でも、ここまで来ると「これは、わたしの妄想ではないのか?」という疑問が。


ホントはタマゴではなく糸くずなのでは?と。しかし、壁にかかっている鏡にも卵を発見。電子レンジの隅にも発見。窓にも発見。



なぜ?なぜ?なぜ?


初めての経験なので、温暖化のせいかもと。蜘蛛も涼しい部屋に移動したのかと。さて、真実か妄想か?


蜘蛛の寿命とか卵をいつまで産むのかは、調べていませんが、とにかく殺虫剤を買おうと。蜘蛛にも有効な殺虫剤を買いました。昨日噴射しました。部屋中に。


様子を見ます。妄想かどうか。


きっと、「楳図かずお」のせいです。幼い頃読んだ『蜘蛛おんな』とか『化け猫』の類の漫画が、未だ、影響しているのかも。




2023年10月25日水曜日

モノがしゃべる。


 近年、いろいろな物が話すようになりました。うちでは、エアコンとお風呂が話します。


初めて遭遇したときは、何喋っとんのじゃ、うるさいなあ~、と思っていました。


エアコンは、スイッチオンにするたびに、「冷房を体感27度で運転します。」とか言うし、設定を変えると、「体感28度にします。」とか言うし。お風呂も、「栓の閉め忘れに、ご注意ください。」とか言うし……。


うっとおしいなあ~。。。


しかしながら、寝室のエアコンは古いのでしゃべりません。そうすると、「なんか言わんのかい!」とツッコンデしまいます。お前も何か言えよ~って思ちゃって。


エアコンは、OFFにすると、「お掃除運転を始めます。」というので、「ハイハイ。」と応えます。また、毎回「する」と言うので、「また、すんのかい!」などと。


人間、ホント、すぐ馴染んじゃうものですね。




2023年10月13日金曜日

驚・い・た!



 

先日テレビを見ていたら、母校の高校がニュースになっていた。もちろんローカルニュースですが。


「ブラック校則」の括りで、生徒会で制服を見直す議論をしているという事。結果、制服を普段は着なくても良いとなった模様です。しかし、学校の行事の時は着用しなければいけません。


結局、制服廃止には至っていないようです。制服も購入しなければいけないので、親の立場としてはどうかな。(わたしが高校に入った時に、男子の制服と女子の制服の価格が違ったので、これはどうなの?と思ったものでした。「性の違い」によって入学負担金が違うって。)



驚いたのは、この事ではなく、わたしが同校に入学したときも「制服反対運動」があったことです。約50年前です。その頃は、まだ「学生運動」の残滓があったので、生徒も自分の意見を言っていました。


わたしは、制服には反対です。だって、着たいものを着たいじゃない。その他服装については、いろいろな規則がありましたが、わたしは反対ではなく無視していました。紺や黒のコートには、ベージュのコートを着ていました。もちろん普通のコートですよ。「黒とベージュのコート」の、どこが違うのかわからない。理不尽なことには心が就いていけないのです。


50年以上も経って、制服も廃止できないという現実。人の「自由意志、人権とは」という意味で。男と女の権利が平等になるには、あと100年かかると言われていますが、「さもありなん。」と思った次第でした。




2023年10月11日水曜日

恐るべし! 蜘蛛。。。


 

以前も蜘蛛の話は書きました。蜘蛛を殺さない事にしているので、家に蜘蛛が出没すると。「蜘蛛は殺すな!」が、我が家の家訓なのでした。しかし、楳図かずおの『蜘蛛女』の如く、蜘蛛は恐ろしい。




先日、明日着て行く服を壁にかけておきました。そして、見たら表面に白い点々が……。


「嫌だあ~、埃でもついたのかあ~。」と思ったら、蜘蛛のタマゴ。。。裏表に十数個づつ。


ギャー、と思って、ガムテープで、取り除きました。洗濯すれば大丈夫か~?


これからは、絶対、蜘蛛を見たら「殺す!」ことにします。蜘蛛用の殺虫剤も買いに行きます!


げに、恐ろしき蜘蛛よ。




2023年9月25日月曜日

泉鏡花、生誕150年。


 

泉鏡花が1873年に金沢市で生まれてから、150年だそうです。それで最近、泉鏡花の著書が書評欄、あるいは広告欄に載ります。


見る度に唸ってしまいます。欲しい本が9680円だからです。国書刊行会の『泉鏡花セレクション』4巻まであります。


見る度に、ほ・し・い。欲しい。だけど、買っても読むかどうかわからない。でも、手元に持っていたい。四冊なので約4万円。どうですかね。


1970年代初頭に三島由紀夫の遺志を継いだ澁澤龍彦が企画したものの、幻に終わったというもの。それを山尾悠子氏が奇跡的に復活!!!ーーーです。



他に、岩波文庫の『鏡花短篇集』も紹介されています。704円です、こちらを買おうかなあ~と、ソソラレマス。が、結局、澁澤龍彦編集の本は頭から離れないでしょう。いつの日にか買ってしまいそう。そうすると、岩波文庫は要らないということに。


悩みます。。。




2023年9月17日日曜日

続妄想「生きる」


 

前回の妄想は、「人は身体の耐用年数を超えて生きている。」でした。


関連して、『なぜヒトだけが老いるのか』という本に、「そもそも老後は、野生の動物にはない。」書かれています。なぜ人だけが、老いても生き続けていくのかというと、現役世代をサポートしていくためだと。サポートがないと、生き延びられないほどヒト社会は複雑になっているということです。


そう言えば、ネアンデルタール人が絶滅した理由のひとつに、「子供が早く巣立つ」というものがあったようなあ~。子供が早くに家を出ていくので、おじいちゃんおばあちゃんがお世話をする必要がないのです。



「老いは進化の過程で、生物としてのヒトが手に入れた特権だ。」とありますが、そうなの?と。まあ、教訓として「いかに人らしく生きるかは、老後をどう過ごすかにかかっています。」となります。


どうなんでしょう。「天才」と呼ばれる人は、野垂れ死になどしておりますが。。。作品として社会に貢献しておりますが、社会制度には直接は貢献していないかと。





2023年9月15日金曜日

今日の妄想ーーー「生きる」

 


ごく、たまに投稿します。新聞の声の欄やらラジオの聴視者コメント等々。


以前、「わたしの『折々のことば』」というので、心に残った言葉を投稿してくださいと言うのがありました。わたしは、「新鮮とは殺したばかり」というのを投稿したのですが、採用されず。。。


上海に暮らしていた時に、上海人の友達がレストランで、「この鶏は新鮮だよ。さっき、殺していたネ。」と言ったので、なるほど、「新鮮」とはそう言う事かと納得しました。



また最近、新聞広告で同じ募集を見かけました。今のわたしの気になっている言葉は、「人は、身体の耐用年数を超えて生きている。」というもの。


そうだよね~。人以外の生物は、身体が役に立たなくなったら死ぬもんねえ~。猫とか象は死期を悟ったら、どこかに姿を隠すと聞きました。まあ、たいていは、その前に飢え死にするか、獲物にされるかですけど。


人は死なないねえ~。この歳になると周りはどこか体の具合が悪い人だらけ。「令和に入って、5回手術をした。」という人もいました。それでも<皆>生き続けています。


ということで、「何が幸せなんだろうか?」と、思っている昨今です。




2023年9月6日水曜日

「人新生」


 

人新生ーーー「ひとしんせい」とか「じんしんせい」と読まれます。わたしは、ヒト新生が好きです。


人新生は、地層の名前です。人新生時代という事。例えば、「白亜紀」。約一億四千年前から6500万年前まで。白亜層が形成された時期です。地層や岩石の新旧を重なり方や化石で時代を区分します。


という事で、ヒト新生は人類が影響を与えた地層という事です。1950年代初頭からと言われています。明らかに、人にしか作れないものが地層に蓄積して、前の地層と別物になっていると明確にわかります。プラスチックとかそんなもの。


ですから、これは地質学の用語です。が、今、哲学や政治学の分野でも使われています。



『「人新生」の惑星政治学』という本の書評を見ました。ですから、本は読んでおりません。


何事も人間を中心において考えてきましたが、もはや自然の事を考慮しなければ、人は生き残れないという状況です。

この著者の主張するところは、「自然とヒトの不可分性を前提に、両者の生存を追求する。」ということで、それが「惑星政治学」という事のよう。アリストテレス以来、「政治」は言語を操る人間の行為に限定されてきたが、ノン・ヒューマンの声を「聞く」、「感じる」ことが肝要。


人間中心主義からの転換が急務です。




また最近の「折々のことば」で、「理性の最後の歩みは、理性を超えるものが無限にあるということを認めることにある。」とありました。パスカルの言葉です。


17世紀フランスの思想家は人知には限界があることを知ることが大切だと言っています。


ですから、昔から偉大な人々は、そんなことはとうにご存知なんですが、なんでしょうねぇ~、西欧思想の影響でしょうか。もちろん西欧思想家にも同じことを言う人はいましたが、たいていは「異端」ということになっておりました。


そんな今日の妄想でした。




2023年8月27日日曜日

『女ことばってなんなのかしら?』という本。


 


『女ことばってなんなのかしら? 「性別の美学」の日本語』というタイトルの本ですが、読んだわけではありません。新聞書評で見かけました。そこからの……いつもの妄想です。


「言語に深く打ち込まれた性差別」ということ。基本的に賛成です。


相手を罵倒する言葉も、命令する言葉も、女性の口からはスッと出ない。それは、女性が年上の男性を叱り飛ばすような言葉は、日本語にはないからだと。女性たちはいつの間にか、「女らしい言い回し」で、へりくだり、男性を立てるように……こういう事が言葉から成っているということのよう。


その通りだと思う。しかし、ここで「年上の」というところに引っ掛かる。同様に、日本語の丁寧語、謙譲語、尊敬語もそうではないのか?日常的に「上下関係」により言葉が話されている。日本語は難しいと言われるが、難しいのはこの辺りの所で、意味の通じる日本語を話すのはそんなに難しくはないでしょう。



著者は平野卿子さん。翻訳家とある。なるほどと。わたしも十年くらい趣味で英語を研究してきた。英語には、少々の丁寧語や相手を敬う言い回しというものはありそうだが、言葉に体系的に存在すると言うことは無い。他の言語に詳しくはないが、日本語ほど「相手と自分の力関係」を推し量って言葉を選ばなければいけないという事はなさそう。英語では、YOUはYOUしかない。


と言って、ネイティヴ日本語スピーカーでない人に、意図せずぞんざいに話されると、「ムカッ」とする。日本語の文化と伝統という話にまで行きそうである。


しかし、そんな制約があるなかでも、話相手にカウンターパンチを浴びせることはできる。よく言われる、京都人の「皮肉」である。嫌味を言って、「わたしは、怒っているのだ。」という事を分からせることは出来る。わたしも怒っていると、異常に丁寧な言葉を使っていることがある。


英語の単語自体に尊敬とか謙譲とかの意味は含まれていない。が、英会話の先生と話している時、頭の中で日本語に変換しているのだが、先生によって丁寧な日本語が浮かんで来る時と、乱暴な日本語が浮かんで来る時がある。やはり、話し手の先生の人柄なんだねェ。


以上。




2023年8月20日日曜日

『言語の本質』を読んで



『言語の本質』

 

 

言語学に興味があります。この本の帯に「なぜヒトだけが言語を持つのか」とありました。この本のサブタイトルは、「ことばはどう生まれ、進化したのか」です。言葉は、神秘的です。宇宙や深海のように。

 

この本を読んで言語の「本質」がわかるかどうかはわかりませんが、「言語に本質というものがある」とはわかります。ソシュールの『言語学』からのメルロ=ポンティの『意味と無意味』、あるいはフーコーの『言葉と物』などに、もう一度挑戦できると良いのですが。

 

 

今井むつみ氏と秋田喜美氏の共著です。秋田喜美氏はオノマトペの研究者ですが、今井氏との交流で言語と人間の本質を考えるようになり、共著による「オノマトペによる言語の本質」に結びついていきました。




この本を読んで興味を持ったことが二つあります。ひとつは、「記号接地」という問題です。ひとつひとつの言葉が関係性を持って、巨大システムとなり、「言語」というものを成り立たせていくのですが、少なくとも最初の「ことば」の一群は身体と接地していなければならないということ。

 

わたしたちが、その言葉を知っていると言う時、それは視覚、触覚、食べ物ならば味覚をも取り込んで、理解が成り立ちます。「メロン」という言葉を聞くと、その味ばかりでなく色、手触り、匂いなども想像します。このことから、身体を持たないAIは、本当に言葉を理解できるのかという疑問が出て来ます。

 

自分の体で実感した言葉をひとつも持たないこどもが、辞書だけを見て、その記号の羅列から意味のあることばを紡ぎ出すことができるのだろうかという問題です。AIは膨大なデータを学習することで言葉を紡いでいきます。

 

それが意味のある事かどうかは、紡いだAIには、なんの関係もない事ですが(実際感情はないのだから、意味も無意味もないでしょう)、それを使う人にとっては問題です。データを与えているのは人間ですが、AIの進歩によりどうなって行くのかは今後の話です。

 


もうひとつの興味は、アブダクション推論です。論理学では推論といえば演繹法と帰納法です。この中で、必ず正しい結論を導き出すのは、演繹法だけです。帰納法とアブダクション推論は、つねに正しい答えにたどりつけるわけではありません。帰納法推論では、99%が当てはまる事象に基づいて、結論(一般化)を出します。しかし、新たな発見をもたらすのは、帰納法とアブダクション推論であり、演繹法から新しい知識は得られません。(この辺の理解は本書を読んで下さい。)

 

このアブダクション推論は、少々の例外を除き人間にしか見られない事のようです。このような事から、人間だけが言葉を得たということにつながっていきます。(だから、人間は偉大だという事ではなく、その他の生き物は、生命を維持するのにそんな事をする必要がなかったということ。)

 

幼児がことばを操れるようになる時、アブダクション推論の誤りが生まれます。例えば、「足で投げる」。手で投げると足で蹴るとの身体的類似性から、アブダクション推論してしまう訳です。推論から得た知識。そして、その修正。こうして、お話ができるようになっていきます。

 

 

この「二つの興味」を得ただけでも、本書を読んだ甲斐があったという事です。

 


 

もうひとつ、オノマトペに関するオモシロイことの発見。

 

日本語にはオノマトペがたくさん見られるのに英語にはそんなに見られないという事。それは、日本語の動詞の中にオノマトペ的要素は含まれていないので、そのような意味を付け加えなければいけないという事。

例えば、

 

汽車が汽笛をピーッと鳴らしながら走り去った。は、The train whistled away. と、whistleだけで表現できます。

 

猫がシャーと鳴いた。は、The cat hissed. トラックががらがらと私道に入っていった。は、The truck rumbled into the driveway. です。

 

このような事がAIで自動翻訳されると、人にとっては、永遠にわからない事になりますネ。蛇足ながら…です。