日曜日は、新聞に書評欄があります。今日目にした興味深い本は、『寿命100歳以上の世界――20××年、仕事・家庭・社会はこう変わる』です。(Sonia Arrison著)。100歳以上とタイトルにありますが、人が150歳まで死なない未来を予測しています。と言って、読んだ訳ではありませんが。書評を読んだだけです。
人が150歳まで死なないなんて想像もできません。まあ、書評によれば、20世紀の前半まで先進国で人の平均寿命が80歳になるなどとは思いもよらなかったとあります。ならば、平均寿命が150歳になっても、それなりに生きていけるのでしょうか。
以前、iPSとか、ES細胞などの研究により、人は死ななくなるという話がありました。人は不慮の事故で体がバラバラになる以外は死なないと。それはそうかなと思いましたが、もっとずっと先の話かと思われるので、真剣には考えませんでした。しかし、「150歳」という具体的な数字が示されれば・・・、ちょっと衝撃です。
書評によれば、平均寿命が150歳になるとともに、健康寿命も延びて行くとあります。今、日本でも、健康寿命は70歳くらい。それでいくと、70歳から150歳までどのように生きて行けばいいのか…ということになっちゃいますから健康寿命も延びてもらわなければね。
150歳まで生きられるとしたらどんな問題が起こり得るか、単純に考えてみました。
まず、何歳まで働いたらいいのっていうこと。現在、定年は60歳・65歳?それから、20年は生きるとすると、130歳まで働かなければいけないのか・・・。疲れるう~。人が130歳まで働けば、若い人はどうするのかという問題も出てきますよね。今でも、就職難の世の中。年寄りは早く引退しろよって、話でしょ。というのも、テクノロジーが進んで、機会が人の職場を荒らしていますからね。
皆が、老後150歳までのんびりと余生を送ることが可能ならばいいですよ。でも、それは、現在でも先進国のお金持ちしか許されないことです。150歳まで、老骨に鞭打って働くなんて、考えるだに恐ろしい。人間社会が進歩(成熟)すればいいですが、そんな気配もないので、きっと、金持ちだけ長生きして富を一人占めしますよ。そして、途上国とか、低所得者はやはり惨めに生きて行くしかないのです。その惨めな時間が増えるということです。
健康と仕事の話はしました。もうひとつ、セックスです。どうでしょうか。80歳くらいまでなら結婚生活もうまくいくかもしれません。それももう死ぬとわかっているから上手くいくのかも。それが150歳となると…ね。結婚、離婚、結婚、離婚と忙しいことになりそうです。それから、今の家族制度が続いて行くなら、とんでもない数の大家族ができそうですね。または、人は子供を産まなくなり、年寄りだらけの世界になるのかな。途上国は若ものだらけ、先進国は年寄りばかりなんて。国の格差、また、国内でも貧富の格差が進みそうですね。
率直な話、わたしの周りには、定年後何をしたらいいのかわからない人だらけ。皆が自分探しの旅に出られたらいいけど、それにも才能が要りますから。「そもそも人類がこれ以上寿命を延ばすことは、幸福と言う点から言っても地球環境の点から言っても良いことなのだろうか」とは、評者の言。死を遠ざけようとするのは、人類の性。でも、現実的にそれが可能になった時、我々はどう考え、どう生きて行けばいいのでしょうか。
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