英語の「お勉強」でそれぞれがトピックを持ち寄るクラスが増えました。…と以前書きました。月1回のクラスなので、そんなにトピックを探す苦労はいりません。でも、日々、新聞紙上から興味ある記事を選び切り抜いています。アナログ人間なので…、紙が良いです。
で、最近の一押しトピックは、「オランウータンに『人権』」です。アルゼンチンの裁判所がメスのオランウータンを動物園から開放するようにとの判決を出したのです。オランウータンにも人間と同じ基本的権利が認められると言う事。もし、この判決が確定すれば、動物園やサーカスでの動物の扱いに議論が及びます。
ブエノスアイレスの動物園にいる28歳のサンドラは、1986年にドイツの動物園で生まれました。94年にアルゼンチンにやって来たという状況です。動物保護団体が、「ずっと不当な監禁生活を強いられている」と、訴えたのです。
判決では、「動物であっても、類人猿のオランウータンには基本的な権利は認められるべきだ」としています。3人の裁判官は全員一致で、「オランウータンでも法的には人間と同等の権利があり、自由を享受できる」との結論を出しました。動物園側は当然反論しておりますが。
この記事を読んで、アメリカの哲学者を思い出しました。人間より能力のある類人猿は、彼等より劣るとされる人間よりも権利を与えられるべきだと言っています。つまり、人間かあるいは類人猿かの境界より、どちらに能力があるかでその位置を定めるべきだと言う事。その人物はちょっとあやふやですが、リチャード・ローティでは。ローティは、自らを「リベラル・アイロニスト」と称しています。違っていたらすいません。
それで、ちょっと面白くなって検索してみました。アメリカでも同様の裁判がありました。NPO「非人間の権利プロジェクト」がアメリカ・ニューヨーク州の3つの裁判所に「チンパンジーを法的に人間と認めて」という訴訟を起こしたのです。申し立ては、チンパンジーが保護区での解放を求める内容となっています。
ひとつは、中古トレーラーの販売所で檻に入れられたままの「トミー」の代理人としてのもの。二つ目は、ナイアガラフォールズの民家で飼われている耳の聞こえない26歳のチンパンジー「キコ」についての同様の申し立。三つ目は、ロングアイランドで歩行に関する実験に使われている、研究所所有の「ヘラクレス」と「レオ」について。
これらの申し立は、ニューヨーク州がかつて奴隷たちが自らの立場に異議を申し立、自由を獲得する為に使った「人身保護令状」の原則に基づいているとしています。
もっと検索してみますと、『大型類人猿の権利宣言』という本にぶち当たりました。その解説では、
「わたしたちは人間であると同時に大型人類猿である。チンパンジー、ゴリラ、オランウータンと人間の境をなくし、彼等も『人権』をもつべきとする既存のモラルへの警鐘の書」
とか。
英文は、
The Great Ape Project: Equality Beyond
Humanity
This collection of thirty-one essays by the
world's most distinguished observers of free-living apes make up a uniquely
satisfying whole, blending observation and interpretation in a highly
persuasive case for a complete reassessment of the moral status of our closest
kin.
どうですか。賛成しますか。
わたしとしては、類人猿の権利を認めるなら他の生き物の権利も求めるべきだし、それを超えて、人工知能の権利も認めるべきと思います。
人工知能については、特別な思い込みがあるものですから……。
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