今回、新しい先生に英語を習う機会があった。イギリス人の先生。それで、普段わたしが疑問に思っていることを聞いてみた。
以前、イギリス人の先生が、「イギリスに憲法はない」と言っていたようなことがあった。つまり、イギリスはまだ女王の国なのである。もちろん、現在女王が暴走すれば、イギリス国民は黙ってはいないので、そんなことはしない。つまり、不文律なのである。で、ほんとうにそうなのかと。それで、新しい先生の答えは「イエス」。英語だから、答えは「ノー」と言うべきか。とにかく、成文化された憲法はないということ。
もともと、どうしてこんな質問に至ったかと言うと、ヨーロッパの人々は、なぜ、自分の国の歴史を学ばないのかと言う疑問からである。わたしたちは、小学校の頃から日本の歴史を学ぶ。それも、縄文時代の3000~5000年前の歴史からだ。ヨーロッパは、いくら個々の国が存在していなかったとは言え、実際に、人は住んでいた訳なので、学ぶべき歴史は存在するだろう。なのに、彼等はギリシャ文明とかローマ帝国の歴史を学ぶらしい。
この質問は、いろいろな先生達にしている。カナダ人とかアメリカ人とかに。彼等は、もちろん、彼ら自身の歴史を持ってはいないのだが、答えはやはり「ローマ帝国」の歴史。そこで、歴史を持っている(と思われる)イギリス人の先生にも尋ねる。彼等の答えも、いつも「ノー」だ。つまり、自国の歴史は学ばない。今回の先生は、歴史自体を学校では学ばないと言った。わたしが、わたしが小学生の時は、週に3時間は歴史を学んでいたと言うと、非常に驚いていた。
彼の話では、彼が学んだ歴史は「第二次世界大戦」の事だけだと言う。第二次世界大戦の始まりから終わりまでだ。
「何故なの?産業革命とか、宗教改革なんかのことは学ばないの?」
彼が言うには、イギリスにはいろいろな人種の人が住んでいる。それを、中世からの歴史など、イギリス人の事を学校で教えると言うことは、国粋主義者と糾弾される。他の人々に対して、差別する事になる、と言うこと。
「それに、僕たちは、第二次世界大戦以外の歴史を恥じているんだ。唯一、この戦争だけが、世界を救ったイギリスの誇りある行動だ。」
つまり、彼等は植民地時代のことを恥じているらしい。イギリスが、世界を植民化した歴史だ。彼等は、世界の4分の1を支配したのだ。
以前、ドイツ人のご婦人たちに、マルタの英語学校で会った。彼女たちは、未だに、ナチやヒットラーのことを恥じていた。それで、フランスはどうなんだろうかと思い、彼にフランスのことは知っているかと聞いてみた。
「フランスは、自国に対し多大にプライドを持っている。彼等は、ルネッサンスの事やナポレオンの事を学んでいるよ。でも、第二次世界大戦の事は学んでないね。ずっと、占領されていた恥ずべき歴史だからね。」
歴史の授業はこんな事らしい。日本でも「恥ずべき世界大戦」のことは学校で教えないし、国それぞれで「事情」が存在するようだ。
もうひとつ「スノーデン事件」で気になったことも聞いてみた。イギリスでも盗聴していたということについて。記事で、英当局がガーディアンの資料を没収し破棄したが、ガーディアン紙は、「憲法で言論の自由を保障されたアメリカのデータを基に報道を続けた」という一文を見たのだ。それで、イギリスでは「言論の自由」は保障されていないのかを聞いてみたのだ。答えは、「保障されていない」ということ。
もう、二度ビックリ!民主主義と民主的議会のお手本のような国イギリスで・・・と。
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