次の読書会の当番がわたしということでいろいろ悩みましたが、ようやくジェームス・ジョイスの『ダブリン市民』に決めました。ダブリン市民の単なる市井の日常を描いたものですが、御存じの通り世界の名作となっています。
選んだ理由は、一に、もう評価の定まった作品であると言うこと。皆さんの受けもいいでしょ(?)ちょっと軟弱な思想ね。二には、ダブリンに住む人々の話が15篇の小編にまとめられているので、会の規則の「10ページ程度」というのにぴったり当てはまると言うこと。これまた、軟弱な理由なんですね。最後の、決め手は、やっと、わたしも「おもしろそうだ」と実感できたから。
この本は、英語の読書会に関係なく、多分2~3年前に買ったものです。その時は、英語を勉強するのに、自分も興味が湧くような作品がいいだろうと思って買いました。が、読んだところ全然興味が湧かなかったのです。だって、本編の前にIntroductionが40ページほどあるんです。それから、『ダブリン市民』は1904年に書かれましたが、なんやかんやあって、実際の発表は1914年とのこと。本を買って、最初にパラパラと読んだ感想は、なんかアイルランドの辛気臭そうなカソリックの宗教的題材だなあ~、と言うものでした。それで、この本はわたしの本棚の片隅に片付けられたのでした。
そして、読書会が始まって、なにか良い本がないかなあと、本棚を探っていた時に再び脚光を浴びたと言うおはなし。もちろんそれは、適当な長さだからという意味で。それから、最初の話『THE SISTERS』だけですが、3回ほど読みました。一回目は、やはり、「ああ、しんきくさ!」と、こんな話を会に持っていったって、受けないョ~っと、止めました。それで、J・G・バラードの『溺れた巨人 The
Drowned Giant 』を持って行きました。
二回目の感想は、「やはり、アイルランドのカトリックの話だあ。」と興味が湧かず断念。マーク・トウェインの『やまびこ THE CANVASSER’S TALE 』にしました。三回目は、「んッ、なにか難しそうな。」と。これは、読みこまなければ、理解できそうにないと、読書会に持って行くのはよしました。それで、レイ・ブラッドベリーの『UNCLE EINER 』にしました。
レイ・ブラッドベリーは大まかに言って、ファンタジーの作家です。彼の『アンクル・エイナー』のお話は、他の人に理解されなかった模様。ファンタジーを理解できない人々がいるのだと、この時気付きました。そう言えば、「小説が嫌いでノンフィクションばかり読んでいる人もいるよ。」っと思い、自分の趣味だけで選んで一人で楽しんでいてはいけないと……、反省しました。
そして今回です。今までは、『THE SISTERS』を辞書を引かないで、わからないところは想像で読んでいましたが、今度はちゃんと辞書で単語を調べて読んでみようと。そうしたら、もっと語れる何かを得られるかもしれない、そして俎上に乗せられるかもしれないと思います。登場人物の一人一人も、何かを語り出してきましたから、今度こそうまくいくと思い、覚悟して読書会に臨みます。
という決心です。
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