次の英語読書会はサキです。メンバーの一人が選びました。が、また、学生向きの簡単にしたものを選んだようで、英語の深みが伝わりません。オックスフォード編集の英語上達度にあわせて書きなおしている物のようです。話は理解しやすいですが、なんだか、「朝、起きました。家を8時に出ました。会社に着きました。」っていう感じか。
「サキってさあ、怪奇小説家じゃないの~~~。」という、わたしの質問に、「ふ~ん、心理サイコかも。」とそのメンバーは答えました。
因みにウィキペディアでは、「サキ(Saki)、本名ヘクター・ヒュー・マンロー(Hector Hugh Munro、1870年12月18日- 1916年11月14日)は、スコットランドの小説家。オー・ヘンリーとならぶ短編の名手であり、ブラックユーモアの強い、意外な結末をもつ作品を得意とした。」とあります。
わたしだって、実際に彼がホラー小説を書いていたとは思っていません。「サキ短編集」っていう文庫本を持っていたような気がしますが、古本屋に売り払ったみたいです。しかし、どこでどうなって、わたしは彼がホラー小説を書いていると思っているのかを考えたところ、「そうだ、『怪奇小説傑作集』に入っていたかも。」と。怪奇小説のアンソロジーです。わたしは、五巻まで持っています。その後、出版されたかどうかは知りませんが。この本には、ラヴクラフトやブラックウッドなどの生粋(?)の怪奇小説家の短編はもちろん入っていますが、その他アポリネールやトルストイの小説も組み込まれています。
見てみたら、やはり入っておりました。1969年に買っていました。サキの作品は、『スレドニ・ヴァンシュタール』という題。小さな男のことその叔母が主役です。その本の解説を読みましたら、サキは、「ビルマ駐在の警察官の子として生まれたが、生まれるとすぐ、ひとり本国のイギリスに帰されて、彼の叔母と暮らしていた」ということです。彼の作品には、度々、口やかましい叔母が出てくるとか。相当、悩まされたんでしょうかね。
この「スレドニ・ヴァンシュタール」とは、少年が飼っているイタチの名前です。「口やかましく、根性の曲がった彼の叔母」と二人暮らしの中、その叔母にイタチの存在を知られるとイタチが殺されてしまいそうなので(実際、彼が大切に育てていた雌鶏は、殺されて食べられてしまったのだ。)、少年は納屋にイタチを隠して飼っています。そこで悲劇が起こるという塩梅。ちょっと、ゾクッとしますよ。興味のある方は…、どうぞ。
読書会のサキの作品は3篇の短編でした。それぞれブラックユーモアたっぷりの作品でした。ホラーではありませんが。意地の悪い叔母も出てきます。わたしは、この作品を読んでいて、マーク・トウェインを思い出しました。同じく皮肉っぽく、クールな人生観です。イギリスとアメリカですが、生きた時代もほぼ同じのようです。次回の読書会はわたしの当番ですが、またマーク・トウェインの短編を持って行こうかなあ、なんて思ってしまいました。同じ傾向はダメかなあ。ジェームズ・ジョイスの『ダブリン市民』とどちらにしようかと悩む秋の夜長です。
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