2014年8月31日日曜日

「姥捨て山」考


松本人志大先生が、「『姥捨て山復活法案』をもうそろそろ通したらええやん。」と言っていました。センセーショナルですけど…わたしもそう思います。人類は、長生きすることに邁進していますけど、「中味はどうなん」と言うことですわ。平均寿命は延びたけど、健康寿命と一致していません。日本に関して言えば、健康で暮らせる平均年齢はやはり、「後期高齢者」と呼ばれる75歳までです。以前、『寿命100歳以上の世界』(著者:ソニア・アリスン)という本を紹介しました。近い将来、人は150歳まで生きられるようになるそうです。もちろん、健康寿命も長くなるとは書かれていますが、健康でなくなってから、死に至るまでの長~~~い人生をどのように生きられるでしょうか。

 

私が若かったころ、30年くらい前(?)、車で道を走っていても、救急車にでくわすことは、ほんとうにまれでした。年に1~2回かな。出くわしたら「ラッキー」てな感じでした。それが、今では、日に3回くらい出くわします。もちろん、誰が乗っているのかはわかりませんが、勝手な想像で、「ああ、また老人がどうかなったんだ~。」と。

 


 

オランダやベルギーなどの欧米(どの国かわかりませんが数カ国)では、「安楽死」が合法化されています。安楽死とは、日本で言う「尊厳死」ではありません。日本の尊厳死は、もう病気で助からないと言う時、ライフラインを絶つことです。あるいはモルヒネを打つとか。この行為も日本では、自殺幇助の罪や殺人罪に問われていました。今は、場合により認められているようですが。

 

オランダやベルギーの「安楽死」は、確実にその人の意思により「死を選ぶ」というものです。オランダのアネカさんという人が、安楽死を選んだ経緯を取材した記事を読んだことがあります。アネカさん(89歳)は、目や耳が悪くなり、もう今まで通り日常生活を送ることはできないと、安楽死ができる薬を求めます。それだけのことで死を選ぶ事には、いろいろ反応があったそうですが、結果、彼女の家庭医がその役目を引き受けました。彼女はいつ死ぬかの日にち・時間を決め、その時刻に彼女の家庭医が彼女の家を訪問します。そして、錠剤を手渡します。彼女は、静かにその薬を飲み下しました。そして、眠るように亡くなっていったのです。

 

世界で初めて「安楽死」を法制化したオランダでは、12歳以上が条件だそうです。ベルギーでも18歳未満の安楽死を認める方向です。あるいは、もう合法化したかもしれません。最近、そんなニュースを読んだような気もします。日本では、安楽死の合法化の問題に議論さえ起っていないのが実情です。

 

 

そして、つい最近の新聞記事です。「スイスへ相次ぐ『自殺ツーリスト』」

 

末期がんの患者たちが自殺を手助けするサービスを求めてスイスに訪れています。外国人「自殺ツーリスト」は2008年からの5年間で600人を超えたという記事です。

 

スイスでは、終末期の病人に対する医療従事者の自殺幇助が認められています。2008年から12年に欧州を中心に31カ国の611人が死亡したと認定されました。ドイツ人268人、英国人126人、フランス人66人、イタリア人44人、米国人21人、オーストリア人14人。日本人はいなかった模様。チューリッヒでは、「外国人に対する自殺幇助の禁止」を求める住民投票が実施されましたが否決されました。

 

 

こう見て行くと、「楽に」死ねるのも、スイスに旅立てる先進国の金持ちの特権みたいですね。日本でも、貧乏人も楽に「ホケン」で死ねるときが来るでしょうかね。





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