2013年8月13日火曜日

「日本は移民を受け入れるべきだ」と簡単に語る英会話の先生に対する反論





たいていはアメリカ人の先生ですが、日本の高齢化社会を憂いて「なぜ日本は移民を受け入れないのか。誰が老人の面倒をみるのか。そして、少子化で農業や工場の労働力はどうするのか」と、心配してくれます。しかし、彼らの主張を聴いていると、まるで低賃金できつい労働を移民の人たちに任せてしまえと言っているかの如くです。実際わたしがそう言うと、「彼等の国と比べると日本での賃金は多いと思われるので、大丈夫。彼等も満足しているし、日本もその利便性を享受できるよ。」と。このような話合いは、ちょっと低レベルだとは思いますが。



それから、リーマンショック以降の世界の経済状況をみると単純に移民を奨励することは実情に合わなくなってきたと思うのですが、どうでしょうか。そこでイギリスの首相キャメロンの演説を最近知りました。演説そのものは長くて、そしてサイン・インしなければ読めないものだったので読んではいません。ですからニューズウィーク日本の「移民受け入れという慈善はやめた」というキャッチ・コピーがどこから来たのかわかりませんが、ガーディアンが公開している演説全文の記事タイトルは・・・Cameron Pledges to Cut Back on UK Immigration です。



ニューズウィーク日本の記事によりますと、



キャメロン首相は、2011年4月14日、保守党の会合での演説で、EU諸国以外からの移民の受け入れを制限する方針を明らかにした。移民の受け入れ数を現状の年間「数十万人」から「数万人」に減らす。



EU諸国以外からの移民が多くなった要因としてイギリスの福祉制度を批判しつつ、現政権は「大量の移民ではなく優秀な移民」のみを歓迎すると発言した。



キャメロン首相の演説の要約のほんの一部ですが、



移民がイギリスに多大な貢献をしていることは間違いないが、長い間、イギリスは移民を多く受け入れ過ぎてきた。移民の数を80~90年代のレベルにまで削減する。



合法移民については、EU諸国以外からの移民の数に制限を加え、不法移民については取り締まりを強化する。難民の認定についても見直しをする。



英語がほとんど話せない外国人が英国民と国際結婚するケースがあるが、配偶者ビザ申請の条件に最低限の英語能力の証明を求めている。偽装結婚の可能性を排除する為である。また、イギリスに来る配偶者の年齢制限を21歳以上と規定している。



イギリスは今後も世界の優秀な頭脳や、迫害から逃れてくる人々を歓迎する。だが、我が国の国境は開放されているわけではなく、移民の数は受け入れられる範囲でなければならない。そこに「もし」とか「しかし」といった条件はない。



BBC NEWS によると、



連立内閣の自由民主党のVince Cable は、キャメロン首相の演説で言われた移民制限の数字は連立内閣の総意ではなく、保守党の考えだという事です。移民を制限するという事で同意はしているものの具体的な数字は示していないとか。



キャメロン首相は今までの移民政策はリベラル・エリートが作ったもので、世論とは一致していないと語っています。



イギリスの最新の世論調査では、



Only 4% of Lib Dem voters agreed that the present level of immigration is best for Britain, 78% wanted 100,000 or less, 19% did not know・・・



だそうです。だから78%の人は、移民は十万人以下で十分と思っているということですか。





��月16日の新聞では、シンガポールも外国人雇用を抑制する制作に転じるとありました。やはり、この不景気の中、守るべきは自国の労働者。移民については、その国に余力がある時に限るということでは。状況が悪くなれば切り捨てられる「移民」とは何かの、基本的議論も必要なのではと思います。





BBCの記事について613のコメントが寄せられたようです。その数例が紹介されていました。わたしもその中から紹介してみます。



I think David Cameron is correct to raise the issue. Highly qualified immigrants add significant value in the UK, especially in the medical industry where we can’t find our own talent. There has to be better control though, similar to Australia for example. In the UK it feels like too many people are allowed in who require financial support from the taxpayer and this should not be allowed.





Can we leave racism right out of this. The fact is that UK is grossly overpopulated, compare it to any other European state---short on housing---motorways choc a bloc---just too many people altogether. We are the same population as France but with half the land. So yes---let us limit immigration with the proviso that skilled people who can help the economy of the country should be fast tracked in.





優秀な人だけ受け入れるというのもなんだかな~~~とは思いますが、優秀な人は優秀な人で、その分野で優れている国で働きたいと思うのも納得がいきます。こちらから優秀な人材を請うて来てもらうのは移民とは違う概念ですけれど。





どんなもんでしょう。反論できているでしょうか。







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