『英語と旅する』のつづきです。
「初日に学んだこと・・・」
この日に学んだこと。90分と90分の授業の間に休み時間がある。2階(イギリスでは1階)にはラウンジがあり、その周りに教室がある構造。そのラウンジには、ポットが置いてあり、インスタントコーヒーやティー・バッグ、砂糖、パウダーのミルクなどが備え付けられている。生徒は自由に何を飲んでもよい。そこで、アフリカ系の人たちがパウダーのミルクをお湯に溶いて飲んでいるのを見かけた。なぜだろうと不思議に思った。そうだ彼等はイスラム教徒なのだと気づく。つまり、コーヒーとか紅茶とかカフェインが含まれているものは飲んではいけないのだ。その後、生徒たちの集まりでも、彼等はアルコール類をいっさい口にしないのが見て取れた。
また、キム(キンバリー)先生はアパルトヘイトについても話していた。黒人の子供たちがたくさん死んでいると。なぜ死ぬかわかるかと。それは、水がないから。そして窓ガラスがないから。みんな、窓ガラスのない寒い部屋で、雨水を飲んで生きているのだと。おかあさんたちも、暖かいミルクや食べ物を子供たちに食べさせることができない。ただ、水と暖かい部屋があれば助かる命があると。しかしまた逆にこんなことも言っていた。通りを歩くと、ストリート・チルドレンたちがよって来て、「何かくれ」と言うだろう。でも、何もあげてはいけない。「ひとりに何かをあげたら、次の日、もっとたくさんの子供たちに取り囲まれることになるよ」という事だ。
学校からの帰りのバスは、要領がわかったので、簡単に乗ることができた。どこで降りたらいいかも心配だったが、三日間、近くの大通りを行ったり来たりしていたので、難なく降りられた。ただ、行きは二三の人と一緒に降りたから、ただ付いて降りただけだったが、帰りは降りる人がわたしだけ。なんて言ったらいいのだろうかと思い悩んだ。思い切って、
「I’d like to get off here.」と言ったら、
「Stop! Driver!と言え。」と言われて、
「そうかあ」とそれからはそう言うことにした。しかし、何か付けた方が良いだろうと考えて、PleaseとかThank youをつけ加えることにした。
この話を日本に帰ってから友達に言うと、
「・・・それで降りるときは『ストップ、ドライバー』と言うのよ。」
「えっ、なに!それでいいの?失礼じゃないの?」
「だって、ドライバーがそう言えと言ったんだよ。」
「ふ~ん」
という感じだ。
つまり、わたしたちはそう言うことに躊躇してしまう。「日本語は原始的だ」と言ったイアンに聞いてもらいたい。なんと礼儀正しい日本人たちかと。こんな小さなところにも文化のすれ違いがあるのかと思う。その後も他の学校で、本屋さんで自分の探している本が見つからない時、「申し訳ありませんが、・・・(はどこにあるか案内して下さい。)と英語で言いたい」と先生に質問した日本人の生徒に、先生は「そんなこと言う必要はありません。どうしてもと言うのなら、Pleaseと付けておけば十分です。」と答えたものである。
つづく・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿