2013年8月13日火曜日
『アマテラスの誕生』
『アマテラスの誕生』
マクニ―ルの『世界史(A World History)』にまだ取り憑かれています。マクニ―ルは文明を四つに分け、それ以外の文明はその文明の亜流であると書いていると以前言いました。その四つの文明とは、チグリス・ユーフラテス文明、ナイル文明、黄河文明とインダス文明ではなく、ギリシャ文明を入れているから、少々変だと。しかし、誤解していました。彼は、メソポタミア文明に影響を受けて興ったギリシャ文明、インダス文明、メソポタミア・エジプト文明と黄河文明という区分をしていました。
19世紀の終わり、あるいは20世紀の初め、「世界最古の物語」が発掘されました。4~5千年前に楔形文字で書かれた物語です。その内容はまだまだ研究されつくしていませんが、近東地域に位置するバビロニア、ハッティ、カナアンの文明です。これが、彼の言う最初の文明でしょう。聖書もインド叙事詩もホメロスもこの影響下にあります。そして、そこからのギリシャ文明・メソポタミア文明・インダス文明・黄河文明です。
彼によると、文明にはひとつの理論に基づいた官僚国家が必要だということです。「ひとつの理論」とは、現在意味する「理論的」なものという事ではありません。人心をひとつにする「物語」です。それで、この「物語」を他の文明は持ち得なかった。だからこの四大文明のどこかから拝借したというもの。実際には宗教です。西欧(現在で言うと)のキリスト教、インドのヒンズー教、イスラム教と仏教(仏教はどうでしょうか。中国は「天」思想ですね)。例えばモンゴルはどうでしょう。彼等のジンギス汗はユーラシア大陸を征服しましたが、人を説得する「ひとつの理念」はなかった。イスラム教に接触するとすぐイスラム教に転向してしまいました。
マクニ―ルは『世界史』を書いています。しかし、その世界史がやや西欧中心なのは致し方ありません。とは言え、新しい世界史観を創出しています。そこでは日本のことも触れられていますが、やはり日本人の書いた日本の歴史ほどではありません。そこで、実際、日本の歴史はどうなんだろうかと思った訳です。彼は、日本の歴史を中国文明に影響を受けたいわゆる「亜流」文明とみなしています。そこまで単純なのだろうかと思いました。で。『アマテラスの誕生』(溝口睦子著)に辿り着いたということです。
溝口氏は、「アマテラスを日本に統一国家をもたらすための皇祖神」としています。つまり、ひとつの文明に不可欠な「物語」。
やっと、お題の『アマテラス』に行きつきましたが、続きは次回という事で…すいませんが…失礼します。
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