2013年8月13日火曜日

郷に入っては郷に従え…か?









ハワイ島に3週間滞在しました。一つの目的は英語学校に通うこと。でも、この学校の生徒は日本人がほとんどなので、英語を学ぶというよりは人に会うという目的。ハワイ島に3週間、一人で滞在してもたいしてすることはないでしょ。



しかし、この学校、とてもこぢんまりとしていて、一週間目は生徒が3人、二週間目は二人、三週間目は違う生徒と二人きりでした。先生は、日本で英語を10年以上教え、それからハワイに行ったようです。生まれはカリフォルニア。生徒の数に不満はありません。返ってよかったようなもの。問題は先生のポリシーです。



この先生は、日本人の友達と共著で英語のお勉強の本を書いています。日本のアマゾンで上位にランキングされていると言っていました。正確ではありませんが、題名は「中学英語でも充分英語は話せる」と言ったようなもの。つまり、日本の英語教育は、よくないと言われているが、実際には、とても良い。中学までに学んだ英語で充分英語の会話をこなすことができると。わたしも賛成します。十分かどうかはわからないけれど、ある程度は大丈夫と思います。それで、その英語をアメリカ人のように話せというのが彼の教えです。



つまり、アメリカ人のようにWhat was that? をWawaza? と。それから、really? とか、相槌をアメリカ人のように大袈裟に言え、と言った類。せっかく英語を知っているんだから、アメリカ人にわかりやすいように話せばより通じるという論理。一見納得できそうです。が・・・、どう思われますか。



わたしは、もちろん反対だと主張しました。彼は、僕のやり方はこうだから、受け入れることができるところだけ受け入れればよいと言いました。わたしが反対の理由は、ひとつには、英語がグローバル化によりインターナショナル言語として機能し始めているということにあります。彼にも言ったのですが、英語にもいろいろな国の英語がある。だから、アメリカ英語も単に英語のひとつのバージョンにすぎず、英語のアメリカなまり版ということ。アメリカ英語を習っても、イギリスに行けば「なにそれ?」ということになりかねない。だから、先生の言うように、アメリカ英語を学ぶのではなく、世界に通用する英語を学ぶべきだと思うのです。



しかし、彼は日本語を話します。ハワイでは日本人相手にツアーガイドをしていたようで、ツアーガイド用の日本語はバッチリです。つまり、完璧な丁寧語を話せるということ。彼は、英語にはない尊敬語・丁寧語・謙譲語を受け入れて日本語を話しています。でもそれは、日本語が単に一地域の言語だからと言えるのかも。日本語は日本だけで完結しているのだから。で、わたしは考えました。つまり、わたしがハワイ島だけをターゲットにして英語を話すなら、少しは妥協してもいいかもと。アメリカ人のように陽気に「really!!!」と言ってもいいかもと。意固地に世界は英語に支配されている・・・なんて考えないで、ハワイではハワイの陽気さで、イギリスではイギリスの雰囲気で・・・小芝居してみてもいいんじゃないかって。郷に入れば郷に従え・・・ってね!





ハワイから帰って、『日本人のための日本語文法入門』という本を読みました。ひとことで言ってしまえば、日本語自体に「日本の精神は宿っている」ということ。つまり、この本は外国の人に日本語を教える時、どのように日本語の文法を説明したらいいのかという趣旨で書かれているのですが、いくら日本語を学んでも、日本の精神を理解できなければ、一つ一つの日本語を使いこなせたという事にはならない。といって、日本人になれということではなく、ただ、「言葉=文化」ということを言いたいだけです。いくらその言語を理解したからと言って、その言語に支配されてしまう訳ではないのだから(強制されなければ)、少し考え直してみるか・・・という気になりました。



どうでしょうか。







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