2013年8月13日火曜日

『「Gゼロ」後の世界』



今日の新聞書評欄より・・・、『「Gゼロ」後の世界』



かねがね、西欧諸国の勢いが衰えてきて、世界のリーダーも「G3」から「G7」、「G8」、「G10」そして「G20」と、新興国の意見を取り入れなければいけない状況になってきたな~~~と、思っておりました。が、著者(イアン・ブレマー)の意見によりますと、G20は、互いの共通基盤がほとんどないため、機能しないそうです。



米国と中国が、「G2」なるものを構想していますが、これも時期尚早との事のようで、「ようこそ、Gゼロの世界へ」と。つまり、世界をリードするトップがいないと言うことです。アラブ社会、南アメリカ、アフリカ、アジアとばらばらの価値観を持つ国々を誰が引っ張って行くのでしょうか。興味深い時代に突入しました。個人的には、世界を一つの価値観でまとめる必要はないし、それぞれの身の丈に合った「幸せ」を手に入れることができればイイナ…というところですけれど。



彼は、Gゼロの世界を、米中を中心にそえて推測しています。それによりますと、米中が世界の責任を分担するより、両国が敵対関係になる「冷戦2.0」の可能性の方が強いとのこと。しかし、軍事的対立ではなく経済的対立で。他に、「国家資本主義に企業は勝てるのか」というようなテーマの記事も読みました。そうなると「資本主義」自体の定義も変わってきそうです。市場アクセス、投資ルール、通貨基準など、中国は同じ資本主義のルールに乗って来るのでしょうか。





オバマ米政権がなぜ「TPP」に熱心なのかも、本書でクリアになると、評者の言。たいへん、おもしろそうなのではありますが、日本経済新聞出版社2520円と言うことで…、どお?文庫本になってからでも、間に合うんじゃないかと思うんですけど。原書は19??円と少々、お安かったです。―――――価値アリ、価値ナシ。どうでしょうか。





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