2013年8月13日火曜日

『世界史』

『世界史(上)』ウィリアム・H・マクニ―ル著を読んで





この本は上下巻にわかれているのですが、わたしはまだ上巻しか読んでおりません。上巻は、

第一部 ユーラシア大文明の誕生とその成立―――紀元前500年まで

第二部 諸文明間の平衡状態―――紀元前500年から後1500年まで

と、なっています。



彼によりますと、世界は四大文明と蛮族にわけられるようです。四大文明は、中国、インド、メソポタミア、ギリシャ。通常、四大文明というと、ナイル、チグリス・ユーフラテス、インダス、黄河文明ですが、彼はギリシャ文明を入れていて少々わかりにくいです。ギリシャを入れないと、ヨーロッパとの繋がりを語れないからでしょうか。とにかく、文明はこの4つであり、その他の文明はその亜流ということのようです。



蛮族は、生活技術、戦闘技術は独自に進化していくのですが、それが「文明」まで到達しなかった。それを文明まで高めるポリーシー、理論がなかったという事のようです。蛮族は、そのすぐれた戦闘能力により文明国に攻め入り、文化を吸収した。あるいは、その逆で文明国が周りの蛮族を平定して文明をもたらした。そして徐々に世界が広がっていったということ。



文明が興る絶対要素は肥沃な土地。そこから農産物が収穫され、余剰な生産物が生まれると文明が開化するのです。余剰な生産物があれば、自分の糧のために働かなくてもいい人たちが生まれる。その人たちが、社会機構を構築していく。または、専門的な技術職に就く人々も養える。学問の世界でも宗教の世界でもそれだけを考えていられるわけです。つまり、貴族、王族、軍人、神官そして工人の誕生。



しかし、彼等の食を支える基本の「基」の農民がなぜ唯々諾々と彼等の支配に従ったのでしょうか。そこを上手いこと官僚が政治しているんですね。それから、神話体系。神がこの世を創った。そして、地上を治めるべき人を選んだ。その人たちが言うことは神の言葉である、神のご意志である、ということ。農民は神の意志を、天罰を恐れ、神に捧げものをする。奉納できないものは、労働力で奉仕する。これで権力者は神の名の下、立派な建造物を建てられるわけです。例えばピラミッドなど。そして、政治と宗教の力関係がうまくマッチしている時、文明は栄える。うまくいかなくなると、その文明の衰退を招く・・・。この素敵な機構を蛮族は考え出せなかったので、ちょっとパターンを拝借と言うことに。



つまり、今も昔も世界にはこの四つの考え方のパターンしかないということですか。第一部の1500年までは、この4つの文明は平衡並行して存在していました。それが、現在なぜギリシャ文明を基にした西欧文明が世界を席巻しているのかは「歴史の謎」と、どこか違う本で読んだような記憶がありますが、第二部でその解答を得られることを期待します。





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