実は、次回の英会話クラスのプレゼンの「お題」が『日本人が発明した一番重要なもの』です。わたしは、「えっ、日本人の発明・・・。日本人はリノベーションは得意だけど、どうも、イノベーションはね~~~。」と言ったんです。しかし、考えてみれば、近年、驚くばかりの発明が日本人の手で成し遂げられています。それもニッチでとてもユニークな研究ばかり。わたしは、それで、「ミドリムシ」のことについて述べようと計画しています。
ミドリムシは、ほんとうは「虫」ではなく学名ユーグレナという微生物の一種です。葉緑素を持ち光合成をするので植物の仲間と思われていましたが、鞭毛運動で動き回ることができる原生動物でした。体長0.05mmながらアミノ酸やビタミンなど59種類の栄養素を持ち、食べ物としてのバランスが良いそうです。ミドリムシのサプリメント自体は以前から存在していましたが、今回の発明は、ミドリムシを大量培養する技術です。ミドリムシは他の生物に食べられやすい微生物なので大量には育てにくかったのです。
この技術を開発したのは東大出身者によるベンチャー企業「ユーグレナ」です。会社を起こした原点は社長である出雲充(33)がバングラディッシュに訪れた経験にあります。彼は、飢えに苦しむ子供たちを目の当たりにし、世界の飢餓を解決する仕事をしたいと思い、帰国後、文系から農学部に転向したのでした。そこで、ミドリムシの存在を農学部での友人である鈴木健吾さんから教えられました。鈴木氏は培養技術を確立した立役者で、この会社の研究開発部長として出雲氏をサポートしています。出雲と鈴木が2005年に立ち上げた会社は、今、従業員36人、2012年9月期の売上高約16億円の企業に成長し、2012年、東証マザーズにも上場しました。
東京では、「みどりラーメン」なるものを食べることができるそうです。ミドリムシ6億匹の粉末がスープに溶け込んでいます。その他にもお菓子や飲み物を味わえるお店も都内にできたとか。また、JR渋谷駅そばのジュースバーで、ミドリムシの粉末入り飲み物が提供されています。
このような食料としてばかりでなく、藻の研究はエネルギー問題からも世界的に注目を集めています。藻からバイオエタノールを作りだし、車や飛行機を動かす計画です。出雲氏は近い将来飛行機の燃料としてユーグレナオイルを供給すると宣言しています(2015年か2020年でしたが忘れました)。その他、世界の大企業(英国の石油会社BP、米国のエクソンモビール、三井物産など)も、新たな資源として研究を進め実用化する為に技術を競い合っています。
2013年5月、国連食糧農業機関(FAO)が昆虫食を推奨しましたが、昆虫よりミドリムシの方が優雅だと思いませんか。思わないか。
その他、今、わたしが注目している「日本の発明」はたくさんあります。例えば、紙を木に戻す技術、ガラスより強い透明な紙、人工光合成の技術、光量子ビットの量子テレポーテーション(量子コンピュータにつながる)、人工血管を絹で編む技術などなど。長生きすれば、これから先いろいろ面白い事がありそうですよ。
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