折々のことば(朝日新聞のコラムです。)
不知為不知、是知也、 孔子
「知らざるを知らずと為せ。これ知るなり。」
自分はこういう世界、このような問題があることをこれまでずっと知らなかったのかと、愕然とすることがある。「知らないことは知らないとする、それが知ることだ。」。限界や輪郭を知ってはじめて人はおのれの知のありようを知る。謙虚という徳が知恵の裏張りをなす。
『論語』からです。(金谷治訳注)
最初にこの言葉を読んで、わたしは解説にあるような哲学的な思考を持たず、もっと卑近な例を思ってしまいました。というのは、「知のありよう」等という哲学的言葉ではなく、
そうだねえ~、ほんと、自分が知らないことを自覚しなければ、碁の対局に勝てないなあ~、って。
つまり、自分は何でも知っていると思っている人に「進歩はない。」という事。何を知らないかとわかったこと自体が、進歩なのである。知らないことを「知るところ」までもっていかなくても、もちろん「持って行った方」が良いが、それだけで、一歩前進したのだ。
と思いました。
そして、わたしは、その知らなかったことを解決すべく日々努力しているわけです。努力している間に、また知らないことが湧き出してきますが。
自分に知らないことがあると知ることは、偉大な事です。
話はズレるかもしれませんが、いつも感じていることです……、
「何を悩んでいるのかがわかれば、悩みは解決したも同然。」
何かに悩んでクヨクヨしている時は、徹底的に「わたしは、何を悩んでいるのだろうか。」と考えます。たいていは、極くだらない事、悩んでも解決できない事、等々。それを知ったら、後は無視して「悩みは解決した」と同然……では?
ストレスもそうです。何かにストレスを感じている時、何がストレスになっているのだろうか?と考えると、自ずと解決します。
そんな妄想回路でした。