2021年12月29日水曜日

『折々のことば』からの………思いつくままに。。。



折々のことば(朝日新聞のコラムです。)


不知為不知、是知也、   孔子


「知らざるを知らずと為せ。これ知るなり。」


自分はこういう世界、このような問題があることをこれまでずっと知らなかったのかと、愕然とすることがある。「知らないことは知らないとする、それが知ることだ。」。限界や輪郭を知ってはじめて人はおのれの知のありようを知る。謙虚という徳が知恵の裏張りをなす。


『論語』からです。(金谷治訳注)



最初にこの言葉を読んで、わたしは解説にあるような哲学的な思考を持たず、もっと卑近な例を思ってしまいました。というのは、「知のありよう」等という哲学的言葉ではなく、


そうだねえ~、ほんと、自分が知らないことを自覚しなければ、碁の対局に勝てないなあ~、って。


つまり、自分は何でも知っていると思っている人に「進歩はない。」という事。何を知らないかとわかったこと自体が、進歩なのである。知らないことを「知るところ」までもっていかなくても、もちろん「持って行った方」が良いが、それだけで、一歩前進したのだ。


と思いました。


そして、わたしは、その知らなかったことを解決すべく日々努力しているわけです。努力している間に、また知らないことが湧き出してきますが。


自分に知らないことがあると知ることは、偉大な事です。


話はズレるかもしれませんが、いつも感じていることです……、

「何を悩んでいるのかがわかれば、悩みは解決したも同然。」


何かに悩んでクヨクヨしている時は、徹底的に「わたしは、何を悩んでいるのだろうか。」と考えます。たいていは、極くだらない事、悩んでも解決できない事、等々。それを知ったら、後は無視して「悩みは解決した」と同然……では?


ストレスもそうです。何かにストレスを感じている時、何がストレスになっているのだろうか?と考えると、自ずと解決します。


そんな妄想回路でした。





2021年12月13日月曜日

戸籍から犬神家の連続殺人事件を探る……という事です。



 


『犬神家の戸籍』

 

 

ご存知、横溝正史の『犬神家の一族』、―――この怪奇な連続殺人のドロドロ劇を冷静に「戸籍」の観点から分析しています。著者は遠藤正敬氏。専門は政治学、日本政治史です。「戸籍」というものにこだわりがあるらしく、著書は、たいてい「戸籍」という単語が入っています。

 

わたしがこの本を読もうと思ったのも「戸籍」に興味があるからです。ナチュラルボーン・フェミニストとしては、「戸籍」はまさに差別の温床と思われるから。遠藤氏も同じ意見のようです。

 

もうひとつ、もちろん推理小説のファンだからです。と言って、私、横溝正史の本は一冊も読んでいないことに今回気付きました。映画やテレビドラマでこれでもかとばかりに流れていたので、すっかり読んだ気になっていたのでした。

 

『犬神家の一族』も石坂浩二さんの金田一耕助から古谷一行の金田一耕助、その後の現代的バージョンの金田一まで、フルバージョン見ている気がします。

 

 

さて、原作を読んでいないわたしとしては、映像の『犬神家の一族』しかわからないのですが、それぞれの監督の思惑として細かい部分が改変されているらしい……。政治学者としての遠藤氏はその辺のところに「疑問アリ」のようです。というのは、第二次世界大戦の前と後で「戸籍制度」が変化しているから。ですから、この事件が民法の改正前に起こったのか、後に起こったのかで遺産相続の状況が変わって来ます。

 

『犬神家の一族』は、家長のワンマン佐兵衛がとんでもない遺書を残して亡くなったことにより起こる連続殺人事件の顛末です。

 

先ず、佐兵衛は、天涯孤独の身。両親が誰かもわからず、孤児として育ちます。という事は、彼の戸籍はいつ作られたのか?彼の系譜も不明です。そして、彼は一回も結婚をしていません。三人の娘がいますが、それぞれの母親が違う婚外子の子供達です。そして、その配偶者はすべて婿養子。ここで、戸籍に関連して嫡子・庶子の問題、養子の定義等々が浮上します。

 

「本編の遺産を巡る連続殺人事件」にこれらの戸籍問題はまったく関連してこないのですが、科学系ではよくある「ウルトラマンが現実の地球に現れたらどんなことが起こるか。」とか、「ドラえもんのタケコプターは、現実にはどうなるか。」とかの人文科学系版と言えますか。

 


 

私事ながら、今年の初めに父が亡くなりまして、遺産相続の煩雑さに辟易しました、父の生まれた時からの戸籍を揃えなければいけなかったのです。

 

98歳でなくなりましたので、その間のです。しかしながら、あまりの古さに最初の2~3年の戸籍は廃棄されていました。その分がいるなら、廃棄されたという証明書をもらう必要がるという事でしたが、なんとか「無し」で済ませてもらえました。

 

その膨大な戸籍にはいろいろな情報が入っています。その情報は一般に公開されていたようです。民法の改正により徐々に誰でも見られるものではなくなってきていますが、まだまだ問題も有りそう。

 

「夫婦別姓」が議論されている(されているか?)昨今ですが、なぜ、「戸籍」が必要なのかという問題も国会で議論してもらいたいものです。

 

 


2021年12月11日土曜日

今日の一冊 ②


『かざる日本』です。


毎週土曜日は、新聞に読書欄、本の紹介があります。『かざる日本』は、その紹介の中の本ではなく、下段にある本の広告欄にありました。


「この世ならざるもの」を招き寄せ、日常を異化し、聖化するーーー<かざる>という営みには、私たちの心をざわめかせる不穏な力がそなわっている。美術・工芸はもちろんありとある領域に分け入り、<かざり>の術式を解明する。


と、ありました。




「日本の美」は「様式美」です。ほんとに日常的なものを様式化し美術にまで昇華させます。海外の旅の経験により、日本のこだわりというものに気が付きました。


少し話はズレるかもしれませんが、ハワイ島でコースターを買ったとき、「包みますか?」と聞かれたので、「そうですね。飛行機で帰るので包んで貰った方が安心かも。」と軽い気持ちで頼みました。日本と同じようにさっさっさとすぐ包んでくれるだろうと思ったのです。


それが、新聞紙に無造作にぐちゃぐちゃと包まれて、6枚のコースターを包むのに10分くらいかかりました。現地の友達にも何を頼んでいるのだと言わんばかりに、睨みつけられました。


そうなんだと、日本のこだわりって、こんなことなのだと。


この本に興味が湧いたもう一つの理由は、この頃、本を読む根気が薄れてきたので、こんな、綺麗な写真が載っていそうな本を、フワリフワリと眺めていたら幸せかも……と。


章立てには、


組紐

室町将軍の座敷飾り

石清水祭の供養神輿


などなど、あります。


一興でしょうか。





2021年12月7日火曜日

ほんの少~~~し、暮らしやすくなった気がします。



それは、最近「当然の事」と思われていたことが、差別であると認識されてきたからです。私の場合は、女なので、「女は~~~、云々かんぬん」に関してですが。


当然のことーーー例えば、女性が家事をする、育児をするから始まり、男性を立てるとかなんとか、カンとかです。


大学時代にフェミニスト活動をしていました。その時、社会で活躍している女性をよんで講演会の如きもの(たいしたものではありませんが)をした時、その女性が、「家族が協力してくれているのでわたしが働ける。」というような意味の事を言いました。


わたしが、「なぜですか?家事は女性の仕事と決まっている訳ではないでしょう。」と言うと、理解されず無視されました。


テレビ番組などでも、出演してコメントを言ったり、司会者、専門家…、と言ったような人々は、すべて中年以上の男性。高価そうなスーツを着て、偉そうなことを言っておりました。


が、最近、少々様子が変わってきました。意見を言う女性も偉そうなファーザーズ・ペットのような人々でしたが、最近は、若い起業家とか、NPOで活動しているような人々が出てきました。


男性も、おじさんばかりでなくスーツを着ていない人々も。



一番良かったなあと思うのは、囲碁の世界。男性棋士と同格に戦う女性の棋士も出てきました。若いリベラルな男性棋士が活躍するようになり、雰囲気も変わってきたところもあるのでしょう。


これは、AIの出現の賜物とか。自分自身でAIを活用して勉強できるようになったからです。男性中心の勉強会で女性は小さくなっていましたが、そんな所で無視されても自分の力で研究することが出来るようになったからです。


私自身も、今までは男性ジイサンに、鼻であしらわれていました。彼等は、わたしが負けたら威張って蘊蓄を語りだしました。こちらが勝つと、不機嫌になって怒鳴ったりする人もいました。


この頃は、女性も自分に勝つという事が解って来たらしく、まあ、ムッとする人もいますが、だいたいは笑顔で検討など致します。


そんなこんなで、ほんの少~~~し、生きやすくなったネ、という事です。




2021年12月3日金曜日

今日の一冊

 



『蜘蛛女のキス』です。


昨日の夕刊にホリプロの「蜘蛛女のキス」のミュージカル版の記事が載っていました。「懐かしいなァ~。」と思って本棚を探しました。ずいぶん昔に買った文庫本を発見。


確か、ウィリアム・ハート主演の映画があったはず。もちろん見ました。


1988年に購入しています。アルゼンチンの作家、アヌエル・プイグの作品。ブエノスアイレスの刑務所の監房で出会ったホモセクシュアルと革命家の「お話」。


ホモセクシュアルの彼を忌み嫌う革命家が、同じ監房で過ごすうちに彼への気持ちが軟化していきます。


二人の不思議な愛情物語は、涙なしでは語れませんよ~~~。




2021年12月1日水曜日

12月になりましたァ~~~。

 



以前にUPした紅葉の件ですが、カエデの葉は落ちてしまいました。

オレンジのままで。


最初の年に見たように「真っ赤」にはならずに。もう一度見たいものです。


モミジは、色づいてきました。