読み終えました。。。
『A Prayer For Owen Meany』(John Irving著)、やっと読めました。この本の中で、John(この本の主人公)が何の本だか忘れましたが、「二十歳から読み始めて、ようやく40歳で読み終わった」と書いているので、わたしも、「まあ、いいか」っと。多分、足掛け2年くらいかかっていると思います。読んだり、読まなかったりしていたので。
アーヴィングのいつもの如く、30年以上にも及ぶ人々の「生き様」の物語です。と言って、歴史的系列で出来上がっている物語ではなく、一つ一つのエピソードが積み重なっていって、気がついたら三十年に及んだみたいな…。そして最後の章が圧巻です。今までのエピソードが総て重なり合って、クライマックスにもつれ込みます。不思議な相貌を持ち、全然身体的に成長しない、そして、すべての人を虜にするような才能と機知を発揮した幼なじみのOwen Meanyが「何者であったのか」が解き明かされます。ここで、言わない方が良いのではと…、あえて、書かないことにします。
とても宗教的な(キリスト教)内容ですが、既成の宗教という感じではなく、すべての人の心にある「何か」を表現しているのではと感じます。
こんなエピソードがあります。Owen Meanyは身長5フィートくらい。それ以上成長しませんが、Johnといつもバスケットのダンクシュートを練習しています。JohnがOwenを投げあげて、Owenがシュートします。
When it was so dark at the St. Michael’s
playground that we couldn’t see the basket, we couldn’t see Mary Magdalene(聖像です), either. What Owen liked best was to practice the shot until we
lost Mary Magdalene in the darkness. Then he would stand under the basket with
me and say, “CAN YOU SEE HER?”(彼のセリフはいつも大文字です。彼のこどものような特異な声を表わしています)
“Not anymore,” I’d say.
“YOU CAN’T SEE HER, BUT YOU KNOW SHE’S STILL
THERE---RIGHT?” he would say.
“Of course she’s still there!” I’d say.
“YOU’RE SURE?” he’d ask me.
“Of course I’m sure!” I’d say.
“BUT YOU CAN’T SEE HER,” he’d say---very
teasingly.
“HOW DO YOU KNOW SHE’S STILL THERE IF YOU
CAN’T SEE HER?”
“Because I know she’s still there---because
I know she couldn’t have gone anywhere---because I just know!” I would say.
・
・
・
“YOU HAVE NO DOUBT SHE’S THERE?” he nagged
at me.
“Of course I have no doubt!” I said.
“BUT YOU CAN’T SEE HER---YOU COULD BE
WRONG,” he said.
“No, I’m not wrong---she’s there, I know
she’s there!” I yelled at him.
“YOU ABSOLUTELY KNOW SHE’S THERE---EVEN
THOUGH YOU CAN’T SEE HER?” he asked me.
“Yes!” I screamed.
“WELL, NOW YOU KNOW HOW I FEEL ABOUT GOD,”
said Owen Meany. “I CAN’T SEE HIM---BUT I ABSOLUTELY KNOW HE IS THERE!”
(彼等の高校時代の話です。)
引用が長くなりました。しかし、Johnは彼の言った意味を最終章の大団円のあとで深く噛みしめることになるのです。
わたしは無神論者です。でも、そんなこともあるだろうと思います。近代になって「神」が死んで、「科学」が神の地位を手に入れました。しかし、「科学で総ての事を証明しなくてもいいんじゃないか」というのが、今のわたしの心境です。「科学」と「神」は違う次元のことであるばかりでなく、我々はたくさんの違う次元が寄り集まった世界に住んでいるような気がするからです。
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