2013年8月13日火曜日

遺伝子ビジネス





個人的に、遺伝子組み換え技術とか、クローン、ES細胞、iPS細胞、等の情報を追いかけています。クローン羊のドーリーが世界を賑わしたのはいつのことだったでしょうか。それから、クローン馬とか、豚、ましてアメリカでのクローン・ペット猫を作る商売などありました。今や、そんな話、忘れ去られた感があります。



もうひとつ、忘れられた感があるのは、「ES細胞」。受精卵から作る胚性幹細胞(ES細胞)から、上記のクローンなどが作られたのですが、なにせ受精卵ということ、倫理的な問題が取りざたされました。しかし、2005年頃には、骨髄からも胚性幹細胞が得られることがわかりました。そこで「羊膜細胞バンク」なる商売が成立しました。出産の際に、その「あかちゃんの将来」の為に羊膜の細胞を一部保存し、もっと医療技術が進歩し、かつ、そのあかちゃんが大きくなった時に移植手術が必要になった場合に役立てようと言うものです。



契約すると、出産後、羊膜を名刺大に切り取って保存液に入れて会社に送ります。もちろんお医者さんが、です。細胞は培養・増殖され冷凍保存されます。わたしが調べたところでは、日本に二社ありました。その内の一つは、保存期間は十年。費用は九万円(消費税別)。契約一号は、東京に住むバイオ・ベンチャー社長の息子だったと報道されました。その時、デイブ・スペクターは、「アメリカでは常識よ。あかちゃんが生まれたら、医者が必ず「どうしますか」と訊ねる。」とコメントしていました。確か、秋篠宮殿下も悠仁さまが生まれた時、契約されたと思います。わたしはその時、悠仁さまに何かがあった場合も、クローンができますね~~~と、思ったのを覚えています。



その後、乳歯や親知らずからも「歯髄幹細胞」が再生医療に活用できるとわかり、新たな「細胞バンク」の創立の運びと成ります。歯髄幹細胞は胚性幹細胞と異なり、倫理上の問題が少ない上、通常医療用廃棄物として処分されるものなので収拾しやすいということです。



一方この間に、京都大学がマウスの皮膚から「万能細胞」を作ることに成功します(2006年)。誘導多能性幹細胞―iPS細胞と名付けられました。iが小文字なのは「かっこいいから」だそうですよ。これで患者からのありふれた細胞から拒絶反応がない再生医療の実現の可能性が出てきたのです。



さらに今では(2011年)、皮膚などの細胞をiPS細胞に変換することなく、直接必要な細胞に作り変える事ができるそうです。まだ、研究段階ですが。これで細胞のがん化のリスクが減ります。「ダイレクト・リプログラミング」と呼ばれています。



このように、科学技術は日進月歩です。昨日新しかった技術は、もう今日には古くなっています。これで、わたしが言いたかったことは、最初に書いた秋篠宮殿下も契約したと言う「羊膜細胞バンク」、どうなっちゃうんでしょうか。契約者の方々。とても卑俗な関心で申し訳ありませんが・・・。





もうひとつ、関心事があります。2003年に、約32億個のDNA配列からなるヒトゲノムが解読されると、また新しい生物学の分野が生まれました。「合成生物」です。遺伝子DNAや生体反応回路の一つ一つを、機械の部品と同じように考え、再配列し、新しい生物を産み出すのです。新生物の作成を競い合う「国際遺伝子工学機械コンクール」というものまで開催されています。微生物では、もう完全合成に成功しているようです。



これとは別に、細胞そのものを人工的に作り出す研究も進められています。もうすでにある細胞が作られたと言う報道を見たことがあります。ちょっと、いつだったかは覚えておりませんが。つまり、細胞一つ一つを作り出して、新生物「生命の誕生」を図れるということです。恐ろしい時代になりつつありますよ。









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