2013年8月13日火曜日
前回の訂正
前回、ES細胞は忘れられた感があると書きましたが、訂正いたします。この一週間で立て続けにES細胞に関する二つの記事を見ました。ES細胞には倫理的側面も多々あるので、研究は進まないだろうと思っていましたが、けっこう進んでいたんですね。厚生労働省は、治療法がない難病患者に限って臨床研究の対象として、指針作りを始めていたところだったようです。
ひとつは、重い肝臓病の新生児にES細胞からつくった幹細胞を移植するものです。肝臓病への応用は世界初で、国立成長医療センターは三年後をめどに、臨床試験に臨むとか。
先天性代謝異常症で生まれた新生児にES細胞から作った肝細胞をへそから肝臓に通じる血管に注射し、体重が5kgを超えるのを待って、両親らの肝臓を移植するもの。新生児の肝臓は移植により摘出されるので、もし注入した細胞ががん化しても危険性はないとのことです。
もうひとつは、まだマウスの実験段階です。ES細胞から成長ホルモンなどを分泌する臓器「脳下垂体」を作ることに成功しました。以前にも、マウスのES細胞から体脳皮質や網膜を立体的につくることに成功していますが、今回は複雑な機能を持つ人工臓器を作り出したというところに意味があります。
実験では、人工下垂体を作り出して、下垂体を取り除いたマウスに移植したところ85%のマウスが生き残りました。他の器官とのバランスも良好なようで、自然なフィードバックが確認できた模様です。この研究者は「5年をめどに、ヒトES細胞でも下垂体をつくりたい」と話しています。
以上、わたしの勝手な思い込みで、ES細胞は時代遅れの産物と言ってしまいましたが、研究は続いていたことをお知らせいたします。
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