��003年、わたしが初めて上海の浦東空港に降り立ったとき中国人の友達Jが迎えに来てくれた。彼女とはイギリスで初めて会った。わたしが日本に帰ってからもJはわたしにメールをよこして”I miss you. I miss you.” と書いてきた。という訳でわたしは上海の空港に降り立った訳だ。彼女の顔を見て少し驚いた様子のわたしを見て彼女は「迎えに来ないと思たか。」と少し変な日本語で言った。彼女は小さな男の子と一緒だった。Jはその子を「息子のトニーね。」と紹介した。7歳だった。中国の人はたいてい英語式の名前を持っている。彼らは英語を習う時英語の名前を与えられるのだ。「トニー」も彼が幼稚園で英語の先生からもらった名前だ。トニーは今年から小学校1年生だが、小学校の英語の先生が「トニー」はもうすでに一人いるから違う名前にすると言われたととても憤慨していた。
中国の人はたいてい英語風の名前を持っていると書いたが、韓国の人も西洋風の名前を持っている。最初にそういうことがわかったのは南アフリカに行った時のこと。英会話学校のクラス分けの面接の時に西洋の名前をもっているかどうか聞かれたからだ。わたしが少し憤慨したようすで「NO!」というと面接官は「No problem.」、中国人は皆持っているから訊いただけだと言った。その時はどうして中国人は西洋風の名前を持っているのかわからなかったが、後で理由のひとつは中国人の名前は西洋の人には発音できないからだと知った。そして今回イギリスの学校に行ったとき、韓国人も同じなのだとわかった。
イギリスに着いたのは日曜日だった。月曜日から学校に行くはずだったが月曜日はイギリスのナショナルホリデーということで、代わりに学校がロンドンに連れて行ってくれた。小さなバス旅行だ。学校のドアの前に生徒が集まってくる。その前に生徒の中に日本人が一人いると聞いていたのでわたしはどの人が日本人だろうと好奇心いっぱい。皆「ハロー」、「ハロー」と集まってくる。10人ほど三々五々に集まってきたが、結局日本人はいないようだった。イタリア人、スペイン人が3人、フランス人が2人、ドイツ人が2人、あと韓国人はわかった。彼らはすごく陽気に自分の名前を教えてくれたから。2人いた。男の子と女の子。男の子はジョー、女の子はヨンヨン。あとでわかったのがダブリンという名の台湾人。ジョンとカミというカップルの台湾人。そして中国人のJだ。
みんな集まってバスに乗り込むと添乗員の人が出席を取り始めた。あとでその人は先生だったとわかった。名簿には本名が記載されているらしくその先生が東洋人の名前を呼ぶ度に笑い声が起こる。まるっきり発音できないのだ。それに引き換え日本人の名前は簡単らしくわたしの名前は2~3回で言えた。彼は結局あきらめて彼らのニックネームで出席を取った。
そしてこのJが後にわたしの友達になったのだ。
続く。
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