2013年8月13日火曜日

靴くらい脱いでよネ!

わたしの棲家は、事務所兼教室兼・・・なので、いつも錠は開けておかなければいけないのだが、一人のときにはいつも鍵はかけている。理由の一つは、もし誰か来てもどうせ話は通じないと言う事。でも時には、誰かがJと連絡を取ってJより前にここに来るということもある(Jはたいてい約束の時間に遅れてくるのだ。)。一度、そういった人に、「請等一下。」(ちょっとお待ちください)と言ったつもりがどうも「請動一下。」と発音してしまったようで、変な目つきで見られた。



もうひとつは公安(警察)だ。



別段悪いことはしていない。中国では滞在する時公安に届けを出しておかなければいけない。わたしは来た当初はJの家に居候していたので届けは出していなかった。Jもそれは「ひとりで住むときの安全の為」に届けを出すのだと考えていたようだ。そしてこの度のアパートである。契約者はわたしだ。大家さんがどうしても中国人でなく日本人と契約したいと言うからだ。契約のために公安の証明書が必要。そして届け出が必要。



あとで知ったことだが、届け出は上海に着いて、その着いた日か少なくとも次の日にはしなければいけなかったのだ。その時もうすでに上海に着いてから2週間は経っていた。Jとアパートの近くの公安に行ったが、そのことで文句を言われた。通常は罰金を取られる(例のごとくまけさせる事は可能)。だがJの交渉で「次からちゃんとするように」との説教ですんだ。このような特別なこと-----契約とかビザの更新とか-----がなければ届け出は必ずしも必要はないけれども(違法ではあるが)、今回は届け出もすませてわたしたちは何も悪いことはしていないことになる。



と思っていたら、Jがここは住居として契約しているので派手に商売をしてはいけないと言う。大家さんは了解しているし、他の人にはわかりっこないから大丈夫だけどアパートの管理の人が来るといけないから鍵はかけておこうと言うことに。そしてもし誰かそんな感じの人が来たらすぐにJに連絡するようにと。わたしはここでは仕事はしていないことになっているので、道具類のある部屋は見せないように。「大丈夫よ。個人の部屋を勝手に見る権利はないよ。」と言う話し合いはしていた。



そして、ある日「公安」が来た。



その前にJから「もう近くにいる。すぐ着くよ。」というメールが入ったので鍵を開けておいた。わたしは仕事をしていると周りの音は聞こえなくなる。だから玄関チャイムの音が聞こえなかったのだ。でも、玄関で何か音がするな~~~、Jかなと思っていくと、制服を着た怖そうな30歳前後の男と、普通の服を着たおじちゃんが2人いた。制服は公安だとわかった。あとの二人は誰?とにかく「靴を脱げ」とわたしは身振り手振りで言ったが、彼らはそのまま上がりこんでソファーに座ってたばこを吸い出した。Jかと思っていたので仕事部屋の戸を閉めていなかった。制服はそこも覗いた。話が通じないのでJの携帯に電話して制服に渡した。



彼は何か話していたが、とりあえずJが来るのを待つことになったらしい。



��が来た。Jもいつもと違って少し緊張した様子。おじちゃんたちは何もしゃべらなかった。Jは制服となんだかんだ話し合っている。わたしには全然理解できなかったが、しばらくしてみんな帰っていった。



��の話。

おじさんたちはこのアパートを管理している人たち。公安は外国人居住者は総て1~2ヶ月くらい毎に訪問していると言っていた。何の道具か聞かれたがわたしが趣味で作っているものに必要と答えた。わたしは何かの調査の為にここに来ていることになったらしい。



そして、

「1階にいる警備の誰かが公安にちくったらしいよ。何かあげた方がいいかもしれない。顔見たら挨拶した方がいいね。」



わたし、

「いやだね。あんな愛想のない怖いおっさんに挨拶なんかするもんか。」



あとで知り合いになった25Fに住む日本人は「公安なんか来たことない。」と言っていた。



あの日の出来事は謎だ。



0 件のコメント:

コメントを投稿