2016年8月23日火曜日

『サイボーグ化する動物たち』


前回、人類はサイボーグ化しつつあるのではないか…、と、チラッと言及しました。iPS細胞による人類のいろいろな部分の再生です。これは機械ではないので、サイボーグ化とは言えませんが。しかし、最近のテクノロジーによるコンピュータ制御の義肢などの発達があります。「テクノロジー・ドーピング」と言う言葉が現われたように、それらの義肢を装着することで障害者が健常者(どう表現して良いのかわかりませんが)以上の能力を今や発揮することが可能です。それが健常者のアスリートにとって脅威となっている状況です。

 

人間の場合は「倫理」の問題が邪魔をしているので、人類のサイボーグ化はまだ先の話でしょう。しかし、他の動物はどうでしょうか。いつかは忘れましたが、「昆虫をドローン化する」技術をアメリカが開発したと聞きました。その時は詳しい内容はわかりませんでしたが、最近その詳しい内容を新聞記事で読みました。

 

また、昆虫ばかりではなくペットやラットなどもその犠牲者になっているようです。『サイボーグ化する動物たち』という本を新聞の広告欄で見かけました。その宣伝文句は、「ペットのクローンから昆虫のドローンまで」です。

 

「リモコン操縦できるラット、製薬工場と化したヤギ…、現代科学が作り出した改造動物の最前線を探る。」

 

これは、SF小説のキャッチコピーではありません。現実の出来事です。例の如く、この本を読んだ訳ではありませんが、人間が他の動物にどんな事を施しているかは想像できそうです。

 



 

「昆虫サイボーグ登場」――最近読んだ記事のタイトルです。飛行する昆虫をドローンのように自由に操作するというもの。昨年3月に米科学雑誌に発表されました。開発したのはシンガポール南洋理工大の佐藤祐宗助教授ら。

 

甲虫のオオツノカブトムシの背中に無線の受信機を組み込んだ電子回路や小型の充電器を載せます。無線で指令を送ると、目や羽の根元近くに埋め込んだ計6本の電極を通じて神経が刺激され、それによって自由に操作できるという仕組みです。約30分連続で飛べます。

 

佐藤氏によりますと、電極を埋め込んでも甲虫の寿命は変わらないとのこと。「温度や位置情報のセンサーを載せて大量に被災地に放つことで、人間などが入れないがれきのすき間から、温度の違いを頼りに生存者を見つけるのに役立てられるのでは。」と言うことです。昆虫をまねた飛行ロボットも開発中ですが、まだ昆虫ほど複雑な飛行はできず、初めから飛ぶ能力を持つ昆虫を利用する方が効率的で、ロボットのようにすべてを制御する必要性もないのです。

 

また、昆虫に搭載する機器を動かす電気は必要です。その電気も自給できるようなシステムも開発されています。昆虫自身の体液を利用し発電しようという試みです。虫の体液に含まれる糖分の化学反応で発電する「バイオ燃料電池」です。このような発電の仕組みを応用すれば、超小型のロボットを人の血管に挿入し、血液からの発電で電気を得て体中の健康状態をチェックすることができるようになるとも。

 

昆虫をより早く飛ばすために人工の羽も研究されています。昆虫の羽に近い素材を加工し、厚さ2マイクロメートルの薄い羽を作り本物の羽と交換するのです。まだ、研究段階とのことですが。

 

 

昆虫のこととは言え、「人間がどこまで昆虫を操ったり改造」しても良いのかの倫理的議論はもちろん起るでしょう。そうでなければ、人類もオシマイですよね。






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