2015年4月22日水曜日

ご報告・4


前回ご報告いたしましたコモドドラゴンみたいな奴は、英語学校の先生ベンに聞きましたところ、Monitor Lizardという奴だそうです。コモドドラゴンの親戚筋で、身体は少々小さいですが、ウサギや小動物を食している模様。ベンが言うには、子犬も食べられるので、自分の飼い犬には注意しているとの事。

 

人間は大丈夫なのかと聞くと、彼の母親が来た時、こやつに追いかけられたとか。「逃げるから追いかけられるんだ。こちらが食べてやるぞ」という勢いで睨み付ければ大丈夫とか。

 

前回はあと10日ほどの滞在です、と書いたように思いますが、現在、あと1週間ほどです。1週間と言えば、これからペナンに来て1週間滞在するという人々もいるのだから、十分な期間がまだ残っている…、とは思うのですが、なんだかもう帰宅モードです。




 

しかし、最後の観光に励んでみようと、コモドドラゴンの親戚筋を見た翌日は、ホテルの近くの「朝市」なるものに行きました。と言っても、10時半までなので怠惰なわたしは10時頃に行きました。歩いて、7~8分の距離です。想像していた朝市とは違っていました。露天商がならぶ朝市を想像していたのです。が、ちゃんと屋根のある建物の中に、小さなお店が並んでいるといった感じでした。上海にいた時の朝市(朝しか営業しない市場)の感じでした。

 

お肉を買ってもホテルの部屋では調理できないし~~~、と思いつつ、果物屋さんが(たくさん)あったので、一つ選んで見てみました。りんごならいいかなと。というか、いつものパターンなんですけど。「野菜が足りないのでりんご」という。そして、りんごとビールという関係です。日本の「フジ」がありました。海外では日本のものを買わないというポリシーですが、もう長年生きてきたので、そろそろ「自分を甘やかしてもいいんじゃないか」という言い訳のもとに、フジを買ってしまいました。その言い訳として、海外で見かける小さいサイズの青リンゴとともに。

 

フジ…、美味しかったわあ~~~。日本で買うより美味しかったわあ~~~。皮が薄くて、瑞々しくて、甘かったわあ。その上、5リンギットだから、約34円×5です。日本で買うより安いと思うけどいかがでしょうか。

 

 

次に月曜日の学校の帰りにジョージタウンに行きました。「ここに行くぞ」という目的を持つと、行動が制限されてしまうので、今回は、「わたしは健康のために行きます。」という目的を立てました。つまり、ただ歩くという事。しかし、第二の目的はイスラミック・ミュージアム。地図は手に入れたので、大体の場所はわかります。が、いつもの如く、地図はあてにならない。その付近というのは確かなんですけど~~~。

 

で、なんだかステキなバティック(マレーシアろうけつ染め・草木染)の小さなお店があったので入りました。買い物ついでにイスラミック・ミュージアムの場所を聞いたところ、「クロッサー」と。「クロッサーなことは知っとるわい」と思いつつ、どう行けばいいですかと聞くと、再び「クロッサー」と。で、もう少し粘ってみると、「デンジャラス」と。なんだか、そこに行くまでの道で建設中のところがあって「デンジャラス」ということのようです。この「ふたつ」のインフォメーションしか得られなかったので、あきらめました。どうせ目的は「健康」ですから。

 

しかし、ステキなバーをその近くで見つけましたよ~~~。「LONG BAR」という名前です。名前の如く、間口は狭いが、長~~~いカウンターが奥の方まで、ずゥ~~~と、続いています。黒のカウンターです。内部は黒のモノトーンで統一されていました。ドアが開いていたので見えたのです。その時、相当歩いていたので、そしてわたしはお昼ご飯を食べないので、今ここでビールを飲んだら、果たしてバスに乗ってホテルまで帰れるだろうか?と。そして、少々怪しげな雰囲気なの。

 

結局、この日はあきらめました。でも、まだ日にちはある!日本に戻るまでには、必ず行きます。








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2015年4月18日土曜日

ご報告 3


ペナンには3月31日に来ました。ですから、今18日間滞在しているという事。帰宅は、4月29日の予定なので、あと10日くらいです。ようやくもう帰ってもいいかなと思い始めました。今までのんびりしていて、さほど観光をしていないので、最後のこの10日間で観光しようか~、と思っています。

 

今までは、ジョージタウン(世界遺産の都市・ペナンの一番の都会)に2回、ペナン島を巡るHOPONHOPOFFバスに2回乗りました。どこから乗ってもいいし、どこで降りてもいいし、というバスです。24時間有効のチケットを買うという事。と言っても、24時間走っているわけではないので、どうなの?とも思います。まあ、翌日の朝、また乗れますが。ジョージタウンでは、CATという無料のタウンを一周するバスに乗りました。つまり、全部バスに乗っていただけ。ペナンの全体像を把握しようという試みです。(かっこよく言うと、です。ただ、怠惰なだけ。)

 
 
 
 

昨日、その2回目のHOPONHOPOFFに乗りました。2回目なのでちゃんとどこで降りてどこで乗ってと言う計画は立てましたよ。壮大な計画を立てたのですが、最初にナショナルパーク(ペナン国立公園)に行ったのが間違いの元。パークと言っても、とてつもない自然公園で、初心者としてはトレッキングコースを選んだのですが、そこにいたのは、ほぼわたし一人。西洋人の若いカップルはいました。が、その人たちのあとをついて行くのはなんだかはばかれるし…、と。もう、メチャ森の中です。海岸沿いの森です。で、見ちゃったんです、コモドドラゴンみたいなやつを。海岸にいました。5メートルくらいは離れていたところに居たと思いますがあ。コモドドラゴンはちょっと大袈裟ですが、でも、ワニくらいの大きさはありましたよ。1.5mから2メートル未満です。その姿は、バスに乗っていた時にも見て、「ゲゲゲェーーー」と思ったのです。でも、見間違いかもしれないとも思い…。(ヒトはあり得ないものを見ると幻影だと思う。)しかし、実際いました。写真を撮ろうかなと思いましたが、フラッシュに気付いて向かってくるかもしれないと…、やめました。

 

しばらく行くと標識がありました。右の道はモンキービーチ、左の方は、いろいろな渓谷の名前。それぞれ山道を2キロから4キロ歩かなければいけない様子。モンキービーチの方は、山道ではなく2キロほどだったので、行けそうな気もしましたが、一人で言って、サルに襲われらどうしようと。サルがたむろしているビーチだという予備知識はあったので。で、左の道を選びましたが、もろ山道でひとりで遭難したらイカン、と思い引き返しました。一人旅というのも「なんですね」。誰か連れが出来た時にもう一度挑戦します。体力もつけなければ。すれ違った、ご婦人がいたのですが、彼女は裸足でスタスタと登っていきましたよ。「ハロー」と言ってね。多分、ドイツ人だ。たいてい一人で行動しているたくましい女性はドイツ人だ。思い込みか。とにかく、結論は「自然は恐ろしい」だったのです。

 

 

そして、そこを後にして再びバスに乗りました。そしたら以前乗ったバスのガイドさん。でも、相手は乗客がたくさんなので覚えていないだろうと思い、言及せず。次のターゲットは「バタフライ・ファーム」でした。しかしなぜか通り過ぎていく様子。で、その次のストップで、「バタフライ・ファームはどうしたのだ。」と聞くと、「今、閉鎖している」との返事。まあ特に行かなくとも何という事もないので、じゃあ、ここでは降りないよ、と言うと、ここで5分間休憩するから、トイレに行きますか――という親切なお言葉。乗客は私しかいなかったのだ。ここで、あなたに会ったのは、2回目だと告げると、少々話が弾んだ。

 

次のターゲットは田舎町のメインストリートでありました。が、もうすでに2時。まだまだ計画は遠大だったんですけど…、とにかくそこで降りました。シップというレストランが目的。そして、ローカルな、なんか珍しいお土産を買えないかなと。

 

先ずは、「シップ」に行きました。その名の通り「船」の形のレストランです。スタッフも全員。乗組員の服装と、調査済み。しかし、レストランは、ヨーロッパのように夕方6時か7時からしかOPENしないのです。ここは、ガイドブックでは、お昼から開いているという事だったので行ってみました。が、客はわたし一人でした。なんだか、いつも一人になるところを選んでいるような気分です。それから、マレーシアはモスリムが90%。ビールはあまり提供されません。まして、3時頃に「ビール」と頼むのは気が引けます。が、頼みました。「ビールか」と言われました。

 

そのあと、「画廊・工芸品センター」という看板を見つけたのでそこへ行きました。ああ、ここもチェックしていた場所だと思い、少々のお土産物を買いました。他のお店よりはよかったよ。

 

という事で、もう疲れ果てたので、そのまま、ホテルの近くのバス停で降りて部屋に戻りました。こんな顛末です。でも、考えてみたら、事前にチェックしたところはほぼ行ったみたいです。なので、今日は、また、怠惰にホテルのプールとビーチで過ごしました。

 

と言うお話でした。そうそう、最後に乗ったバスのガイドさんは偶然また同じ人で、「ナイス・トゥ・ミート・ユー・アゲイン」の言い合いでした。






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2015年4月13日月曜日

「3人の親からのベビー」 以前と違う角度から

 
今、ペナン島にいます。週3回プライベートレッスンを英語学校で受けています。こちらに来る前に、プライベートレッスンはどんな感じなのかをこの学校を手配してくれたエージェントに聞いたところ、プライベートなのでなんでもOKとの事。また、自分で題材を決めて行けばいいんじゃないかとのサジェスチョンをもらい、そうすることにしました。10回のプライベートレッスンなら割安だとのことで、10回に決めて、自分のトピックスを決めました。まあ、最初の日からトピックは話さないだろうと思い9個のトピックを用意して臨みました。

 

今日は持って行ったトピックのひとつの「3人の親からのベビー」について話しました。前回書いた先生、ギリシャ人のベンではなく、今日はフランス人のドミニク。彼女は、わたしのテーマに関心がないらしく、前回のセッションも乗り気うす(「オランウータンに人権を」です)。今回も、そんなもんだろうと思い臨みました。つまり、彼女はテキスト・ブック通りに教えたいタイプの先生でした。

 

 

で、ここでその欲求不満を解消すべく、書きます。

 

わたしのプレゼンはこんな感じ。

 

この3人の親からのベビーは、ミトコンドリア遺伝子に問題がある妻がそのリスクを解消すべく、他の女性のミトコンドリア遺伝子をもらいこどもを作るものです。つまり、夫婦の遺伝子+他の女性の遺伝子です。わたしは、この「ミトコンドリア」に一番の関心があるのですが、今回はそれを置いておいて、このような体外受精医療における2~3の問題点を話したいと言いました。

 

 


 

とにかく英国議会は、この体外受精を法律的にできる法案を通しました。しかし、学者たち(英国の)は、今の時点で問題はないと認めるものの、引き続き追跡調査をする必要があると言っています。これは、以前の試験管ベビーの時と同じです。これも英国が最初に始めました。生理学者ロバート・G・エドワードが1978年に最初の試験管ベビーを手がけました。赤ちゃんの名前は、ルイーズ。その約30年後、わたしは新聞紙上で、ルイーズは子供を生めることが確認されたとの記事を見ました。つまり言いたいことは、彼らは、親の希望を受け止めてかなえたが、生まれる子供の事は考えていなかったという事です。彼らが人間として、パーフェクトであるかどうかを無視していたという事です。これが問題点の一つです。

 

二つ目は、自分の父親がだれなのか知りたい子供たちの問題です。今、DSRというサイトがあります。多分、DonorSiblingRegistrationと思います。このサイトはアメリカ人のウェンディ・クレーマーという方が作りました。彼も息子を試験管ベビーで授かりましたが、息子ライアンが10歳の時、どうしても自分の父親のことが知りたいと、母親にネットで検索してもいいかと頼みました。ドナーナンバーで検索できるそうです。で、彼に兄弟がいることがわかったのです。

 

それで、彼の父親クレーマーは独自でサイトを立ち上げ、今世界で43000人以上がこのサイトに登録し、11000組の親子や兄弟がこのサイトで繋がりました。その中には、一人の精子のドナーで200人以上の兄弟姉妹がいるケースもありました。100人以上のケースでは、今のところ10ケース以上見つかりました。もう一人、同じアメリカ人でビル・コードレーという方がいます。彼は、彼自身が試験管ベビーで、懸命な調査の結果、父親(ドナー)を探し出しました。その後、彼は、DNAサイトを覗くのが日課となり、2週間に一人は、彼の兄弟姉妹を見つけているそうです。

 

三つめはデザイナーベビー。次の例はデザイナーベビーとは言えないかもしれません。しかし一つのケースは、「救世主ベビー」。英国の例を新聞で読みました。重い遺伝子性の病気を持った子供のために、親がその子を助けることのできる遺伝子を持った子供を生みました。その子が生まれるとすぐ、その臍帯から血液を作り出す細胞を取り出し、兄であるチャーリーに移植されました。チャーリーは元気になりました。父親は、大きくなったら、弟にいっぱい奢るようにと言っているそうです。

 

ロシアのケースは、「死んだ息子の子が欲しい」です。母親が、亡くなった息子の子供が欲しいと、彼の冷凍精子を使ってこどもを作りました。もちろん、卵子は他の卵子提供者のものです。これまでに二人の子供得ました。つまり彼女にとっては、孫という事です。彼女の夫は、この事に反対し、彼らは離婚しました。彼女は今、シングルマザーとして米国で暮らしています。

 

また、米国には有償の精子バンクがあります。そこで精子を買えば、望み通りのDNAを手に入れることができるという事ですね。

 

 

「三人の親からのベビー」とは、少々離れてしまいましたが、言いたいことは、この事で新たにどんな問題が起こるかわからないという事です。自然界に「二人以上の遺伝子を持った存在はない」ということは確かです。そして、この遺伝子は、これからずっと受け続かれて行くことも確かなことです。

 








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2015年4月10日金曜日

無題

今、面白いほど、雨が降っています。8時PM。バルコニーに出て、あたりを見回したら、泣けてきそうでした。

同時に、ハッピーな感覚に満たされました。


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ご報告  2



ペナンに来て、ほぼ10日間立ちました。今週から英語のプライベートレッスンも始まりました。週3回です。英語に関していろいろ興味を魅かれたことがあります。

 

先ずは、ペナンのわたしが通っている英語学校の先生たち。ネイティヴ英語スピーカーではありません。今まで手に入れた情報では、オリジナリーで、ギリシャ人、フランス人、オランダ人です。今までの経験で、英語学校に通った場合、たいていはネイティブ・スピーカーか現地の先生。現地の先生は、英語は第二言語ですが、日常的に使っているのでネイティブ・スピーカーと同じでしょう。

 

ネイティヴ(英語圏で生まれた人)ではない英語の先生に会ったのは上海でした。彼らは最悪でした。時期が、10年前なので、今はいいかもしれませんが。つまり英語の知識はなく、ただ、日常英会話は話せるという程度。しかし、今回の先生たちは違いました。まだ二人にしか会っていませんが。(たぶん、わたしの先生はこの二人でしょう。)

 

英語ネイティヴよりいいかも。マルタや南アフリカに行ったとき、現地の先生に教えてもらいました。彼らは、日本にいる英語の先生より数段上でした。思うに、彼らは英語を学んだからかと(日本の英語の先生たちは、英語が話せるという事のみにベースを置いています)。英語を学ぶ上でのノウハウをより理解しています。それから、これが一番言いたいことですが、「英語を話しているんだぞ」という上から目線がないことです。

 


 

英語圏の人は、英語ですべてを解決できるので、他の文化への思いがいまいちです。いつも思うのですが、わたしが、海外で「ありがとう」と言われたら、「オオッ、」と思います。反対に、わたしが、エジプトなどで「ショコラン」というと、彼らは「オオッ」となります。自分たちの言葉を話してくれてありがとうということです。が、わたし達が英語圏で「サンキュウ」と言っても、彼らは感謝しません。「オオッ、よく英語を知っているね。」って感じです。

 

つまり言いたいことは、英語圏の人でない先生と英語を話すとき、彼らは、英語の特権から離れているという事です。つまり英語圏の文化からです。彼らは英語圏の文化を押し付けないということ。わたしが英語圏の文化から外れたことを行ったとき、彼らは「ハッハハー」と言う感じ(アメリカ人・オーストラリア人の場合)、または、「フンッ」(イギリス人の場合)。これは、日本にいる英語の先生の場合の事です。

 

今回のギリシャ人の先生は、わたしが、いろいろこのような先生の不満を言ったとき、彼は言いました。

 

「僕もアメリカの大学で学んでいた時(アメリカで博士号を取ったとの事)、全部発音を覚えなおした。英語を覚えなおした。僕が、論文を書いた時、先生は単語とかスペルを直すが、全部間違ったスペルや文法に直された。」と。

 

 

こんなことですよ。英語を一括りに表現することはできません。英語と言っても、それぞれの国で、独自の文化を担っているのです。私たちが、標準的英語を求めることは、彼らのそれぞれの文化を無視していることになるのです。また反対に、彼らの「これが英語だ」という独自の考えに惑わされてはいけないということです。彼らは英語の方言を話しているだけなのです(英語と一括りにしなければ、彼らは彼らの独自の言語を話しているという事)。

 

 

もうひとつ言いたいことは、英語がグローバル社会の共通言語だと言うなら、英語が壊れても文句を言うな、という事です。

 

 

疲れたので、次回に続くという事で、

 

失礼します。






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2015年4月8日水曜日

読書感想文:『日本人の身体』 安田登著


 
ペナンに持ってきた本の一冊が『日本人の身体』です。なぜこの本を購入したかと言うと、古武術家・甲野善紀氏の著書『身体から革命を起こす』の流れを組む本かなと思ったからです。著者は能楽師ですから、能の観点からの身体の所作とかそんなことかなと…。全然違いました。

 

『身体から革命を起こす』のポイントは、日本人の身体の動きは西洋人の身体の動きと違っていた。「文明開化」の時期に日本政府が西洋の運動の理論を受け入れたので、日本人の身体は本来の自然との調和を離れて違うものになってしまった。と、簡単におおざっぱに言うとそんなところです。そしてその違うものになってしまった現代人の身体はどのようにすると取り戻せることができるか…、という具体的な対策とその理論的解決がこの本でした。

 

『日本人の身体』は、基本的には同じ考えですが、「身体」本来の動きを取り戻そうというプロパガンダではなく、どう違うかを丁寧に歴史から説き起こしています。つまり、観念的に「日本人の身体」をどうとらえるべきかを説いていて随所に興味を惹かれます。

 
 
 
 

彼によりますと、日本には「からだ」という言葉がなかったそうです。「身」という言葉はありました。身は「実」と同源の言葉で、中身の詰まった「身体」です。中身とは命や魂で、つまり「身体と魂(精神)」という二元論ではなかった。すべてを抱合していたのです。納得できませんか。わたしはこれまで身体と魂を分化して考えることに納得できませんでした。この物質的な身体に精神的な魂が存在するという考えが納得できません。我々の身体は所詮物質なのです。で、我が意を至りでした。

 

日本には、その頃「魂」という言葉はなかったのです。著者は、『古事記』の中に「たま」という言葉は出てくるが、そのほとんどが「勾玉」のことを言っていると指摘しています。西洋では、紀元前8世紀半ばのホメロスの『イーリアス』で、すでに身体と魂が「言葉として」分離しているとか。

 

しかし、東洋でも身体と魂が分離して理解されるようになってきます。東洋哲学はその分離をひとつに戻そうとする試みと感じます。荘子や孔子しかり。己の身体を意識しないようにするところから心身の一体化が生まれ、何も考えることなく身体を動かすことができるようになります。一流のスポーツ選手や武術家あるいは演奏家や俳優、芸術家も「無我」になるという修行を経てきたのではないでしょうか(そして身体を意識しなくなる)。

 

 

この何事も「分化しない」ということが、東洋のそして日本人の特徴と思われます。つまり、境界線が曖昧ということ。あなたとわたしの境界線が曖昧、内と外が曖昧(空間的意味です)、いろいろなことを「曖昧にしておく」ことこそ「世界平和」と「宇宙との一体感」を得る極意なのです。ちょっと飛躍しすぎですか。

 

「溜息と内臓」という章は、とても刺激的です。ヒトは内臓を内に秘めています。だから内臓か。つまり、外の世界と断絶して進化に励んだということ。内臓とは粘膜。我々の粘膜が外と繋がっているところは、眼、鼻、口、閘門そして女性の場合はSEX機関です。しかし、植物は内臓を外に出していると著者は言っています。ちょっと理解不能ですが、そう理解します。で、植物は内臓を外に出しているから、宇宙と繋がっていると。環境との間に境界がないという意味です。だから、草木そのものは、神と繋がっているのです。私の言う神は、自然です。宇宙です。

 

そして、この「内臓」がただ者ではない。つまり、内臓に「魂」が宿っているのです。脳ではない、心臓でもない…。脳と内臓は、かなり親密な関係にあります。例えば、悩むと胃潰瘍になるとか…、そんなところです。「断腸の思い」という言葉もそれを表しています。日本人は、かなり前から(著者は古事記の例を取っています。)内臓に心があったと感じていました。しかし、腹にある脳は、情動とか「思い」を司っていたようです。理性的な思考は「脳」ということ。しかし、我々が幸せに生きるにはどちらが重要かということです。理性か情緒か(私見ながら)。

 

そして「息」。私たちは、「息を吹き込む」とか「息を合わせる」とかいう言葉を持っています。引用しますとこんな風です。

 

日本人の身体の基本は、自他の区別もなく、また環境と自己との差別もない曖昧な身体でした。ふだんはそれは曖昧な境界線の中に留まっていますが、なにかあるとすぐに溢れ出し、他人と一体化し、自然と一体化しようとします。「あはれ」とは、他人や環境と一体化せんとあふれ出した、蠢く自己の霊性そのものなのです。

 

つまり、息を合わせることによって、人類は発展してきたということ。息を合わせなければ、ヒトは、獲物を狩ることすらできなかったのです。いくらテクノロジー(弓とか矢とか)が発達しても。これがハーモニーです。インディビジュアリティを志向する産業革命以降のアイディアよりも、それ以前のハーモニーを大切にする世界こそ生物として我々が目指すところではないでしょうか。

 

我々とは言えませんね。私が共感するところです。

 

 








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2015年4月3日金曜日

『日本人の身体』



きょうは、ペナン島4日目です。昨日は、たくさん歩き回ったので、今日はのんびりすることにしました。つまり、プールサイドで持ってきた本を読むことにしたのです。宿泊先のレインボーパラダイスは、朝食付きです。6時半から10時半の間にブッフェで朝ご飯が供給されます。で、わたしは、8時半から9時の間に行くように努力しています。いくらバカンスとは言え怠惰に陥らないように。(充分怠惰か。。。)

 

その朝食を終え、部屋に帰ってプールに臨みました。プールからビーチにつながっているので、せっかくだからビーチの方へ。しかし、いい場所にビーチパラソルとベンチがないので、なんというの?ビーチの椅子?をいいところに移動しようと試みたのですが……、こんな時、力が必要なのね~~~。もっと若い頃なら平気なのですが、今はチョット。こんな時一人旅を恨みますね。とは言え、力仕事のために誰かをつれていく訳にはいかないのでネ。

 

で、

「マダム~~~。」と来ましたよ。ホテルのスタッフが。彼が、ここが良いでしょう。ロケーションもいいし、日当たりも最高と、全部セッティングしてくれました。それで、準備完了、読書三昧となったのです。

 

 

持ってきた本の一冊が『日本人の身体』です。この本を買ったいきさつは書いたでしょうか???なぜこの本を購入したかと言うと、古武術家・甲野善紀氏の著書『身体から革命を起こす』の流れを組む本かなと思ったからです。著者は能楽師ですから、能の観点からの身体の所作とかそんなことかなと。全然違いました。とは言え、まだ3分の2ほどしか読んでいませんが。

 

(ゲッ、今、最悪。間違えて、タイガービールのカクテルみたいなやつを買ったみたいで、メチャ甘いの。もちろん最後まで飲ませていただきますが。)

 

『身体から革命を起こす』は、日本人の身体の動きは西洋の動きと違っていた。「文明開化」の時期に日本政府が西洋の運動の理論を受け入れたので、日本人の身体は本来の自然との調和を離れて違うものになってしまった。と、簡単におおざっぱに言うとそんなところです。

 

『日本人の身体』は、基本的には同じ考えですが、「身体」本来の動きを取り戻そうというプロパガンダではなく、どう違うかを丁寧に歴史から説き起こしています。つまり、前者は、具体的に「どうすべきか」という提言。後者は、観念的に「日本人の身体」をどうとらえるべきかを説いています。

 

 

 

全部読み終えてから、続きを書きたいと思います。スイマセン。中途半端で。

 

 







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2015年4月2日木曜日

滞在三日目。

昨日、コタムに行くと書いたような気がしますが、「コムタ」です。行ってきました。でも、やはりすぐ道に迷いました。と言うのは、違う場所でバスを降りてしまったから。経験上何とかなるものですから・・・、そのまま歩き続けました。で、何とかなりました。コムタに行って、無料バスのCATに乗り、一応、ジョージタウンの全貌を掴むという計画でしたが、そのバス停が見つからず、見つけた時には、もう疲れ果てて、またの機会にしようっと、引き返してきました。もう、わかりましたので、次はすぐ乗れますよ!






ブラブラ歩きまわって、確実に道路の渡り方には慣れました。上海よりは簡単だ。人はやさしい。それからもうひとつ思い出したことは、上海で中国人の友達が言っていたこと。

「道にところどころある蓋を信じてはいけないよ。日本じゃないんだから。踏むと落ちることあるよ。」

もう昔の事なので忘れていまたが、ちょっと踏んだらベコンと曲がって、大慌て。。。肝に銘じます。


では、また!







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2015年4月1日水曜日

試運転

なんとかブログUPにたどり着けそうです。

昨日、ペナンに着きました。ホテルに着いたのはおよそ8時半。1時間のタイムラグがありますが。そして、今日です。

着いた時は、土砂降りの雨。雨季の初期だとか・・・。聞いとらんよ~~~と、いう事です。でも、昼間は上天気で夕方から降るとか、迎えに来てくれたクーさんが言っていました。それからもうひとつ、彼が言うには、「明日から消費税が始まる。」ということ。これも聞いとらんよ~~~。

今更何を言っても始まらないので、この状況で楽しむつもりです。今日は、軽くバスに乗って、近所を探索しました。つまり、ちょっと行って、引き返したということです。明日は、もう少しわかりやすい場所に遠出しようと思います。コタムがターゲット。ジョージタウンの中心地です。

後は・・・、今日はプールで泳いだので、明日はプライベートビーチから海岸線をお散歩しようかなとも。なんか、今のところいつものホリデイの焼き直しのような状況ですが(つまり、近くのコンビニでビールを買って、パンを買って・・・、ホテルの部屋で酒盛りするという事。レストランの営業時間が6時からだったので、早いとこ飲んじゃいました。)、飛躍しようと考え中。










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