2021年2月13日土曜日

『暗黒のすべての色』





『サンリオSF文庫』はわたしの青春時代に創立された文庫ですが、すぐに廃刊となりました。1978年から1987年までのようです。この文庫は、特異な作家をフィーチャーするので有名で、その上、本の発刊期間も短かったので古本屋では高額で取引されていました。わたしも5冊ほど持っています。息子に高く売れるから相続後もむやみに古本屋に売らないようにと、言い渡そうとしたところ…、現在ではそうでもなさそうです。

 

先日、自分の本棚を眺めていました。その中にサンリオSF文庫を見つけたというわけです。なんで、サンリオSF文庫の本をまだ読んでいないんだろうと不思議に思い、ペラペラとページをめくるとなんだか面白そう。『暗黒のすべての色』。ロイド・ビッグルJr.のダーゼック・シリーズの中の一冊です。

 

それで、サンリオSF文庫は今どのくらいの値段で取引されているのだろうかと好奇心がわき、アマゾンで調べてみることに。なんと、100円以下でした。1円と書かれた本もありました。3000円から1万円で取引されていると言ううわさがあったのになあと。

 

他のサンリオSF文庫の本でJGバラードの『無幻会社』を調べたところ、300円程度。まあ、本で金儲けをしようとしたことが蛇道でしたね。

 


『暗黒のすべての色』は、SFです。1963年に書かれています。日本では1966年に刊行予定とされていますが、わたしが購入したのは1979年です。サンリオSF文庫の創立が遅れたのでしょうか。年代的にはフィリップ・K・ディックと同じです。未来のお話で、何年頃かはわかりませんが、宇宙に人類が行けるくらいの頃です。

 

お話は、潰れかけていたユニバーサル・トランス社がトランスミッターを発明し、そのおかげで経営を盛り返します。トランスミッターとは、転送機械です。物の運搬のために作られましたが、人の旅行にも使用されます。

 

人がドアを開ければ、その向こう側はロンドンとかパリとかと言うわけです。一瞬で好きな場所に行けます。もちろんその場所にユニバーサル・トランス社の駅があればと言うことですが。

 

それが、人の運搬の初日から、何人かの人が行方不明になりました。そこで、私立探偵ダーゼックの登場です。その会社は秘密裏に事を解決しようと私立探偵を雇いました。さて、この結末は……。

 

 

面白いことに、こんな機械が発明される時代であるにもかかわらず、彼らは未だに通信手段に「電話機」を使っています。交換手なども存在しています。昔のSF小説を読むと、こんなところもありますね。でも、そんなことも楽しみに、日々、昔むかしのSFを読み返しているのでしたあ。

 




2021年2月11日木曜日

文明に抗した弥生の人々

 



著者は寺前直人氏(駒沢大学准教授)です。この本は、明治期に弥生式土器が発見されてから、研究者たちが弥生時代をどうとらえていたかの変遷を追います。そして、西から来た文明が縄文社会を先進的に塗り替えていくという一面的な捉え方に異議を唱えます。

 

 

稲作の普及にともなって、人を殺すための道具やムラを守る施設が増えるが、一方で人間関係を緩和するための儀式も活発に行われていたということです。これは、「過剰な富がもたらす負の面を見抜いていたのである。」とあります。

 

富を得るための人々の葛藤やらなんやらのストレスですかねェ。

 

また、弥生中期に鉄や青銅が伝わったときは、武器にすれば殺傷能力が増し権威の象徴となるものを、あえて実用的でない形に変容し、武器としてはダサい石器を使い続けたと。そして、銅鐸。なぜ、あんなものを大量に作ったのか…、そんな成り立ちを丁寧に分析している本です。「出土品にある小さな痕跡から当時の人の心を読み解く考古学の底力」と評価されています。

 




そしてわたしの思ったことは、どこからか「文明人」がやって来たとき「未開人」は喜んでその「便利な道具」を皆ウェルカムしたわけではないという事です。返って「悪魔の道具」として退けたかも。

 

何年か前に、アマゾン川流域のまだ世間に知られていない部族が、航空写真で捉えられ、新聞の一面を飾っていたことを思い出しました。撮影された彼らは顔を真っ赤な顔料で塗りたくり、皆、槍を振り上げて怒り、飛行機に対して敵対の感情を表していました。

 

「文明人」は、彼らを文明の利器も知らない可哀そうな人々と言えるでしょうか。『ゾミア』という本を読んだ時も同様な感想でした。ゾミアとは、ベトナムの中央高原からインドの北東部にかけて広がり、東南アジア大陸部の五ヵ国と中国の四省を含む丘陵地帯です。そこに住む一億の人びとは、国家の圧力から逃れ文字も持ちません。しかしそれは、権力からの自由と自治のためなのです。

 

彼らは、初めから文字を持たない「原始人」ではなかった。文字を手段として民衆を縛る国家への反逆として文字を捨てたのです。文字は、誰が何を持っているか、そしてそのために税を幾ら払わなければいけないかなどを知る為の道具として使われ、人々を国家に縛り付けたのです。

 

この本もまた、「我々は何故このようにこの社会で生きているのだろうか。」と言う問い、疑問に応える、あるいは、考えさせられるものでした。






2021年2月9日火曜日

一言の願い

 




「はがきの名文コンクール」と言うのに、昨年応募しました。「一言の願い」です。奈良県御所市にある「一言主神社」に願い事を書くと言う趣旨の様です。


わたしが書いた文章は、


「偏見によるあらゆる差別をなくしてもらいたい。『女性』として生きてきて、理不尽な扱いを多く受けてきたが、ふと気が付いた。これは『文明』が始まって以来の長い歴史的なマインドコントロールなのだと。精神科学が発展してきている現在、その対処法も解明されていると思われる。一刻も早くこのマインドコントロールを解く学校教育の開始を祈願する。」


結果は落選でした。


しかし、最近のニュース。オリンピック森会長の発言です。彼の発言に対して、様々な批評が噴出しました。これをこのままなかったことにするな……という論調。世界の反応も大きいです。


時代は、少し変わったなあ、と思いました。今までだったら、そのまま見過ごされていた発言です。わたしも彼の発言を「このまま」スルーしないで、とことん追及すべきだと思います。それが、日本の体質を変える一歩となりそうな。。。感じィ。。。





2021年2月3日水曜日

知らぬ間に2月になっていた。

 




何故でしょう?今までは、「嗚呼、もう2月だあ~。」とか、感じていたのに。


今日の朝日新聞に「折々のことば」が掲載されていませんでした。「筆者がしばらく休養をとった後、再開します。」との事。ちょっと、残念。こんなこともあるんだあ~。


私、10年日記を付けています。空欄も多いのですが。それで、去年の同じころの「折々のことば」を見つけました。





「物事について考えを固めてしまわす、見えているものを疑うよう心を開いておけば、世界を眺める目も丁寧になる。」    ポール・オースター


米国の作家であるポール・オースターは、ラジオのリスナーたちの悲喜こもごもの体験談を集めた本を出しています。わたしは、その本を英語の勉強のために買いました。


「爆笑もののヘマ、胸を絞めつけられるような偶然。さまざまの夢、混乱。自分が答えを持つ訳ではない事柄に人は翻弄されつつ生きるのだから。」と。まさに、そんな人々の体験談でした。


しかしながら、私は、上記の「折々のことば」を違うように受け止めました。日々、「疑う事は大切」という私の信条。どんな場面でも、相手の言う事を疑って、自分で考えるのが一番。


囲碁をやっていますが、先生の言う事も鵜呑みにせず「疑ってかかる」のは、囲碁向上のために必要。また、私より高段者の言う事も、全部正しいわけではありません。

ノーベル化学賞をとった日本の科学者が、言っていました。「先輩の科学者が言う事、今まで書かれている論文、全てを疑う事が、新たな発見に通じる。」と。


感動するわあ~。