え~~~ッ、上海ウォーカーに載った話の言うなれば続きです。
日本人が二人来たと書きましたが、そのもう一人の話です。彼女も少々ヘンな人です。同じビルの25Fに住んでいます。わたしは19F。その時のいきさつはまたの機会にして、その後の話。今は同じビルに住んでいながらメール友達の仲です。
ある日の出来事:
昨日の夜25Fの住人にメールをした。明日いっしょに飲めるかと。今朝起きてすぐPCを開いた。彼女はいつもすぐに返事をくれる。なぜなら、仕事柄いつもPCが作動しているのだ。
今日は、12:30に日本からの客が来るので夜はいっしょに飲めないけど「KILL BILL 2」のDVDを渡すのでこちらに来ないかという。わたしはすぐに「これから顔を洗って化粧したらすぐ行く。」と返事した。それが10:30。
ちょっとしたら彼女から電話があった。化粧しなくてもいいからすぐにおいでと。わたしはもう化粧したからすぐ行くと言った。それが11時ごろ。
わたしも最近買ったDVD,「トロイ」、「真珠のイヤリングの少女」などを持って19階から25階に向かった。いつもの暗い廊下とガタガタさわぐエレベーターはちょっとわたしを憂鬱にさせたが、今日は「KILL BILL」という希望がある。そして日本人を訪問するという希望が。
彼女の部屋のチャイムを鳴らすと、すぐに出て来た。「どうぞ、どうぞ。」と言ってキッチンに通してくれた。彼女は何か料理をしている様子。彼女が椅子を勧めてくれたので、わたしは座ってから何をしているのか尋ねた。
彼女は、「にらクッキーを作っている。」と言った。なぜ、にらクッキーなのか?
「日本にいる友達が上海の独特の変わった食べ物の特集記事を書いている。今日、これを作って明日日本に戻る人にこれを持って行ってもらう。そう言われている。」
彼女はどこかで「にらクッキー」なるものを手に入れて、それと同じようなものを作ってそのレシピと実際に作ったものをその日本人に託すらしい。わたしもその上海製のクッキーを1枚勧められた。食べ物にはたいてい何の感動もないわたしに食べて感想を言えといわれても無理な話だが、脳内のあらゆる知識とボキャブラリーをかき集め駆使して、ようやく形ある感想を述べてみた。まずまずの合格点は取れたようだ。
彼女はこのクッキーには、だしの素が入っているようだ言った。わたしは、「へッー、なんでそんなことまでわかるの。」とちょっとおべんちゃらを言ってみた。彼女は「食いしん坊だからわかるのかも。」と言って、練っている小麦粉の中にシマヤだしの素を放り込んだ。少しゲテモノチックに聞こえるかもしれないが、わたしの食べたクッキーはちょっと塩味のクッキーで、にらの味は全然せず、普通に食べられるものだった。
しばらくとりとめもないことを話していたが、わたしはいつも帰るタイミングがつかめない。どのくらい居てどのくらいお話をしたら失礼じゃないかとか、相手はわたしにいてもらいたいのか帰ってもらいたいのか等と考えているといつも訳がわからなくなってしまう。3回目の暇乞いのとき漸くYESの返事を得た。家に戻ることにした。それが12時ごろ。彼女は最近買ったというDVDの山と枝豆をビールのおつまみにと言って私に持たせた。たいていの人がビールのおつまみにと言ってわたしに何かをくれる。何故?
家に着くと何も食べていないことに気づき、暖めたナンの中にマーガリンを塗ってスライスチーズを押し込んだ。今日は素晴らしく天気のいい日だ。わたしは窓辺の大きな机に向かって座り、上海の高層ビル群を見ながら、これをぱくつく。
すばらしく美しい日で、窓からはいっぱいの太陽の光とそよ風が入り、机の上には、ウィスキーと氷のはいったグラスが水滴をいっぱいつけて置かれてある。上海の完璧な休日がここにあった。
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