2015年8月14日金曜日

THE OTHER SIDE OF THE HEDGE --- by E. M. Forster


次回の英語読書会の課題です。ページ数が6ページ程でいつもより短いと思い、油断して読むのが遅くなりましたが、相当な難物でした。彼の代表作は、『ハワーズ・エンド』や『インドへの道』であるとウィキペディアにありました。両作とも題名は聞いたことがあるような感じですが読んではいないでしょう。古典は全然と言っていいほど読んでいませんから。

 

クラスメイトたちは、わたしが持っていくテキストが難しいと不満げな様子ですが、これはそれ以上に難しい。わたしのテキストの難しさは、彼女たちがその種類の本を読みなれていないという事にありますが、このお話は哲学的で難解です。ひとつの単語が何を意味しているのかを探るのが大変。ひとつ読み間違えるとお話が別物になっちゃいそうだからです。



 

 

話の内容は簡単です。男性が道を歩いていて疲れたので道端のマイル標石に腰かけます。WALKINGと書いてありますが、これは他に人との競争なのでしょうか。彼が腰かけていると追い抜いて行く人たちが、「頑張れ!」と声をかけていきます。

 

●ここで彼は、PEDOMETERを持っていたのですが、

My PEDPMETER told me that I was twenty-five; この「25」が何なんだろうと思いました。単に、「25歩」歩いたということか、あるいは、人生の万歩計で彼は今25歳という意味なのだろうかと。後の方を読んでみると、単なる万歩計のようでしたが??? でも、歩くという事を人生に譬えているような節もあります。それで人生に疲れ果てて坐り込んでしまったと。

 

At first I thought I was going to be like my brother, whom I had had to leave by the roadside a year or two round the corner.

これはどういう意味なのでしょうか。彼の兄は1~2年前に亡くなったということでしょうか。それを彼は、道端に置き去りにしたと表現しているのでしょうか。今の彼の状態のように。彼はマイルストーンに腰かけている。そして、人々は彼を抜き去り彼を置き去りにしているのか。

 

 

彼は坐っていたのですが疲れ果ててそこで腹這いに寝転がると、生垣が見えました。枯れ果てた生垣です。彼は、その中に入り込みたくなり進んでいくと蔦や棘に阻まれて前に行けなくなります。すると、突然は彼は水の中に。驚いて水面に浮かび上がり助けを呼ぶと、ひとりの男性が彼を助け上げます。そこが、”THE OTHER SIDE OF THE HEDGE” だったのです。

 

●彼は疲れ果てているのですが、これまでに持っていたものを道に落としてきたと言っています。

 

And I had already dropped several things---indeed, the road behind was strewn with the things we all had dropped; and ------,

My muscles were so weary that I could not even bear the weight of those things I still carried.

I slid off the milestone into the road, and lay there prostrate, with my face to the great parched hedge, praying that I might give up.

 

やはり、道を歩き進むことを人生に譬えていると思われるのですが……。

 

●生垣の中を進む時、彼はこうも言っています。

I should not have dared to try.  For we of the road do not admit in conversation that there is another side at all. 

I yielded to the temptation, saying to myself that I would come back in a minute.

 

ですから、「the road」が人生なんですよね。生きている時にもう一方のサイド(彼岸)に行きたいと思ってはいけないということですよね。

 

 

この場所は、光が溢れ清潔で彼が落ちたPOOLに囲まれた人工的な公園のような所でした。そこでは、人々が平和に楽しそうにそれぞれのしたい事をしています。彼が「ここはどこか」と尋ねると、男性は「NOWHERE」と答えます。また「彼等は何のためにそんな事をしているのか」と聞きますと、男性は「ただ好きな事をしているだけだ。子どものように」と答えました。彼は、それは人類の進歩に反すると抗議します。人は前進する為に何か懸命に行動しているのだと。

 

The blue sky was no longer a strip, and beneath it the earth had risen gradually into hills---clean, bare buttresses with beech trees in their folds, and meadows and clear pools at their feet.

-----and there was in the landscape a sense of human occupation—so that one might have called it a park, or garden, if the words did not imply a certain triviality and constraint.

 

●また、この楽園のような場所と幸せそうな人々についてこうも言っています。

But it was a barrier, and in a moment I lost all pleasure in the grass, the sky, the trees, the happy men and women, and realized that the place was but a prison, for all its beauty and extent.

 

 

ここから彼はこの場所と助けてくれた男性に違和感を持ち始めます。彼がもとの側に戻りたいと言うと、男性は立ち去る前にここにあるゲートを君に見せたいと言います。

 

”First, you must see the gates,” he replied, “for we have gates, though we never use them.”

 

 

しぶしぶ男性の後について歩いて行くとゲートがありました。ゲートは開いていて、その向こうに彼がいた場所が見えています。でも、男性はその場所は君のいたところではないと言います。よく似た場所のひとつだと。数えられないほど昔に人類がここから出て行ったゲートなのだと。

 

The gate opened outwards, and I exclaimed in amazement, for from it ran a road---just such a road as I had left---

He shut the gate and said: “But not your part of the road.  It is through this gate that humanity went out countless ages ago, when it was first seized with the desire to walk.”

 

 

とにかく彼はこの場所が気に入りません。停滞していると。人々は何にも貢献していない。人類の目的は進歩すること前進する事だと主張します。そして、夕方になります。彼はここに留まりたくないので、彼に供された食べ物も彼らが見ていない隙に投げ捨てます。お腹は空いていたのですが。

 

●彼は言います、

“Give me life, with its struggles and victories, with its failures and hatreds, with its deep moral meaning and its unknown goal!”

 

 

その時、男の人が彼に近づいてきました。彼はその男性から、持っていた飲み物を奪い取り飲みほします。それはビールより弱いアルコールでしたが、彼の疲れた体には強く、打ちのめされてしまいます。その薄れ行く意識の中で彼を助けた男性が言います。

 

As in a dream, I saw the old man shut the gate, and heard him say; “This is where your road ends, and through this gate humanity—all that is left of it –will come in to us.”

 

そして彼が飲み物を奪い取った男性は、彼の兄だったと悟ったのでした。

 

 

 

どうでしょうか。わたしの読み方は正しいのでしょうか。

 

男が道端で死にかけていた。生垣が天国に通じる道。彼はそれを自覚することなしに突き進んでいく。天国のような場所は、停滞していた。人は、苦悩の内に進歩を求めるが、楽園とは「苦悩」のない世界。つまり、人類が希求する「前進」の中に、人類のすべての災いの元があるということ。彼は最後にビールで癒されて、この楽園に満足するのでしょうか。兄と再会し、共に幸福なエンド(永久に続くエンド)を迎えたのでしょうか。







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