2014年8月9日土曜日

『The Death of a Bachelor』


今回の「英語読書会」は、Jさんの当番でした。彼女は『世界の短編名作集50』を選んでいます。そこから、10ページ程度の短編を探し出してくるという訳です。だから、彼女が持ってくる短編は、いつもよく知られている傑作です。しかし今回の『The Death of a Bachelor』の著者はARTHUR SCHNITZLERで、わたしは勉強不足のせいか馴染みのない作家でした。でも、読んで行くうちに、なんかsounds familiarだな~、っと。

 

お話は、生涯独身を通した男が病で死に至ることになった時、一通の手紙を三人の友達に残します。この時彼は55歳なので、えらく平均寿命が短い時の話ですネ~~~。まだ、車もない時代のようなので、19世紀末から20世紀初めのことでしょうか。その三人の友達は、DOCTORMACHANTAUTHOR。医者は、臨終の席に呼ばれたとしても不思議はない、彼の掛かり付けの医者でした。商人は、彼の最後に契約の事などをクリアーにする為か…、と想像されます。でも、最後の作家はどうか???

 

この独身者は、三人が来るのを待たず亡くなります。集まった三人は、不思議に思います。「なぜ我々が」っと。そして、病室のとなりの部屋のデスクの引き出しから手紙を見つけるという段取り。その表書きには「to my friends」と。三人は、これで謎が解けるかと、封を切ります。

 

その手紙に書かれていたことは、なんと、「わたしは、君たちの妻と関係を持った。君たち『全員』のだ。」っと。この辺りが、なんだか読んだことがあるよな~~~、と思ったところです。わたし、家中の本棚を探しました。でも、わたしが持っている本はたいていホラーかサスペンスかSF。そして、シュールな現代小説です。こんな名作集に載っているような本は持っていないよな~~~、と思いつつ。ちょっとサスペンスかホラーっぽいので、そんな類のアンソロジーにあったのだろうかと探しましたが、無シ。

 

考えるところ、テレビドラマのサスペンスもので見たのではないかと。この短編と内容は違いますが、ただプロットを借りただけのドラマを見たような気がします。何人かの男性が、金持ちの別荘に招待される。そこで、その金持ちは亡くなったが、あなた達に手紙が残されていると渡される。その内容は、上記のもの。しかし、その続きは、この短編とは違い、お互いの過去が明かされオドロオドロしい殺人劇へ…、というもの。何人かが死んだあと、集められたうちの一人が実はその金持ち自身だったということで、復讐劇を遂げる…、何ていうものではなかったかしらん???

 

先生も、「この手紙で、ひと悶着が起ったところで、この死んだ男が実は死んでなかったと、ニヤッと笑って出て来るんじゃないかと思ったら、ほんとに死んでましたね。」と言っていました。現代にふさわしいのは、そんなオチでしょうか。

 


 
 
 

本の内容は、この三人はそれぞれ「自分と妻の関係」を回想しつつ、初めは怒りを感じるが、結論は「どうということもない」という心境に至るというもの。「争いの種」を残して死のうという独身貴族の思惑も虚しく、単なる「コップの中の嵐」と妻を寝取られた三人は、いつものように家路に就くのでした~~~。そして、何事もなかったように、彼らは妻との平穏な日々をこれからも送って行くのでしょう。

 

そんなお話でした。






にほんブログ村 英語ブログ 英語学習者へ
にほんブログ村

0 件のコメント:

コメントを投稿