2019年10月6日日曜日

ユビキタスーーUBIQUITOUS







UBIQUITOUS 私の好きな言葉です。好きな作家であるフィリップ・K・ディックの著作『ユービック』にも関連していますが、響きが何となく素敵でしょ。意味は、「至る所にある」です。

しかしながら、わたしが書きたいことは、「偏見はこの世の至る所に満ちている」という事。

よりわたしが関心のあるのは、女性に対する偏見。毎日見るテレビのコマーシャルでは、若いカワイイ女性が、媚びたような態度で何かを訴えかけている。また、父親と息子が外で野球などに興じて帰宅すると、迎えるのは母と娘。「汚い足で上がっちゃだめ。」とか、何とか言っている。また、建売住宅のコマーシャルでは、男が、「妻の喜ぶキッチンのある家」とかなんとか言っている。

こうやって、毎日毎日、女性の概念が固定化されていくのか。






少し前のニュースに、大学医学部の入学試験で男子学生が「下駄を履かせてもらっていた。」と言うのがあった。女子学生は同じ成績でも試験に合格とはならなかった。同じような現象は、社会の至る所に存在する。

わたしの趣味の囲碁の世界でも同様。女性が勝負に勝ったりすると、男性陣は(もちろん全ての男性ではないが)、気を悪くして、「囲碁をするより家ですることはないのか。」などと冗談交じりで言う。こうやって、女性は色々な機会を制限されているのだ。色々なことからシャットアウトされているのだ。

それが、元小学校の先生(何故か元・先生という人が囲碁界には多い)だったりすると、「ああ、この先生に教えられた女生徒は如何~。」と思う。

女性の方も、自分が強いとは言わない。反対に少々段位を落として自分の段位を紹介する。何故か?イジメにあうからだ。「わたしは、弱いです。だからイジメないで。」というアピール。わたしは、大きな顔をしているから風当たりが強い。






先月23日にあった、囲碁の第28期竜星戦で、年齢や性別を問わない一般棋戦で女性棋士が初めて準優勝した。上野愛咲美・女流棋聖だ。17歳。

そもそも女性棋士は、国内棋士481人のうち96人。そんな中で女性の上位進出が目立ち始めたのは、腕を磨く環境の変化がある。

日本棋院理事長である小林覚氏は、言う。

「昭和のころまで、研究会があっても女性は後ろに控えていて一言も発せず、男ばかりが意見を言っていた。それが近年は、男性のトップ棋士にもズバズバ意見を言えるようになった。男女の区別なく勉強ができるようになった。」

加えて、ネット対局の普及や囲碁AIの発達などで、自力で囲碁の腕を強化できるようになってきた。男性の「上から目線」に関係なく女性ものびのびと囲碁に勤しむことが出来る。


少しばかり、喜ばしい社会になってきたようだ。





0 件のコメント:

コメントを投稿