2014年10月28日火曜日

香港問題から…


近頃、西欧民主主義、自由主義、合理主義の矛盾点が、いろいろなところに現われてきたように思う。誤解を恐れずに言えば、特に英語圏の国々(アメリカ・イギリスというアングロサクソン)が支配する世界での矛盾である。英語がグローバル社会の共通言語となって、英語圏の考え方(言語は文化であるから)が、当然の如くグローバルになってきた。

 

「イスラム国」もそのひとつと思う。民主主義、自由主義を御旗にしながら、イスラムの独裁者と手を組んだ欧米の矛盾が噴出した形だ。政治の問題とは関係なさそうだが「エボラ出血熱」のグローバルな広がりも、基となるアフリカの国々の欧米諸国に対する不信感が影響している側面もある。

 
 
 
 
 

そこで、今日、興味深い社説を読んだ。学生たちが中心街を占拠して一カ月になる香港の問題について述べられたもの。『米中対立か階級対立か』というタイトル。オバマ米大統領は、「香港市民の志を支持する」と声明を出したが、中国・香港政府の思惑は、米国と同じなのだという指摘だ。

 

香港の行政長官が20日に英米メディアに語った。

 

学生らの主張通り立候補制限を緩めれば、人口の半数を占める月収1800ドル未満の市民が選挙を支配するようになる。香港は財界が支配している。そして、財界が香港政府、中国共産党と結びついている。行政長官選挙の指名委員会も財界主導で、親中派の候補者しか選ばない。そうしないと低所得者の代表が立候補して勝ってしまう。……という、驚くべき率直さを表明したのであった。

 

「これは米国が求めているものではないでしょう。」、と言う事だ。つまり、これこそ共産主義だから。共産主義である中国は、実は、米国やその他の資本主義の国の如く「財界」を擁護しているのである。また反対に、民主主義、自由主義を押している米国は、中国と同様、財界を重要視している。

 

つまり、運動の背後には、「階級対立」がある。政権と財界の連合と低所得者との対立である。「民主主義」、「自由主義」はイギリス、フランスの市民革命から世界に広がった。が、市民革命とは、御存じの通り、実はブルジョア革命である。共和国の理念は、私有財産の保護である。世界では今まで、一度も「民衆の革命」と言うものは起っていな~~~い、と言う事なのよ。

 

中国共産党も、もとは貧困層の味方として、南京国民政府に立ち向かい、「言論の自由」や「政治犯釈放」を求めて戦っていたのにね。







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