2015年2月7日土曜日

「抗日映画で米アカデミィー賞に挑む」


前回の英語クラス「トピックス」でのわたしの発表は、「難し過ぎる」と言われちゃいました。「オランウータンの『人権』について」です。難しいかなあ。今回はアメリカ人の先生で、anthropoidという単語を知りませんでした。一人の生徒は「類人猿」という言葉を知りませんでした。

 

で、今回は朝日新聞が毎朝掲載している「ひと」からにしました。朝刊で毎日ひとりの人物を紹介しているコラムです。わたしが選んだのは、「抗日映画で米アカデミィー賞に挑む」です。

 

三浦研一さん51歳。彼は、中国の抗日映画などで日本人の軍人の役を長年務めています。写真も掲載されていますが、見るからに迫力ある強面の軍人タイプです。今まで約80作品に出演し、明治の頃の作品では陸奥宗光、昭和では山本五十六、東条英機、土肥原賢二などだそうです。

 

東京下町育ち。青山学院の大学院で中国の研究をし、北京に留学。そこで役者に転向しました。16年の芸歴です。

 

彼の言、

「名将と戦犯(彼が演じた人物)、どちらも人間。中国一般の視聴者には敵役でも、個々人の内面は演じ分けます。」

 

日中相互理解の「捨て石」と自称しています。日本人の友人は、中国で顔が売れると怖い目に遭うだろうと言われ、中国の友人は、日本に帰ると大変な目に遭うぞと。本人曰く、反日デモの時は仕事が減ったが、心配することは何もないとか。

 

米アカデミィー賞の審査を待つ作品の詳しい内容はわかりませんが、『活下去(生き続けろ)』と言う題名で、彼が扮する日本軍の隊長が中国の寒村に踏み込み、若い女性を拉致する話のようです。その中で、麻袋に身を潜めた少女をなぜか見逃してしまいます。中国の監督は、どうも野蛮な日本兵の中の「良心」を描きたかったようです。

 

日本軍による収奪場面の連続は、日本人の間に反中感情を引き起こしそうであるし、日本兵の良心という主題は中国内では相当きわどい問題あると、日中両方で批判を招きそうです。この作品は米アカデミィー賞、短篇実写部門ノミネートされ10作品の中に残りました。2月に本選を迎えるそうですが、今のところこれに関する報道は見かけておりません。

 



 

ここでわたしのポイントは、「どこにでも、どんなものからでも芸術は生まれるんだ」という事。才能ある人は、どんな題材からも己の志向を表現できるのだあ。高倉健さんが、死去されましたが、彼の東映映画は世間を席巻しました。その頃、「ヤクザ映画」の波に乗れなかった日活は、「日活ロマンポルノ」路線を引きました。低予算で内容も裸体を出さなければNGとかありましたが、かえってそれだけをクリアーすればOKと監督たちは自分の自由な発想で作品を制作できたようです。その中から数多の優れた監督、俳優が排出されました。

 

もうひとつ気になるのが、尾田栄一郎さん作「『ONE PIECE』が歌舞伎になる!」ということ。四代目市川猿之助さんが主演です。今年10月、11月に上演予定です。そもそも歌舞伎は、江戸時代庶民のものでした。それが、明治政府の「欧米列強」に負けるなというスローガンのもと、オペラに匹敵する日本独自のものを見つけよという指令で、見出されたのです。なので、結局、歌舞伎もコミックも同じ土俵のものと言えましょう。

 

ONE PIECE』は、世界中で読まれています。累計3億2千万部以上とか。登場人物も日本人とも何人ともつかぬ人たちですが内面はしっかり昔ながらの日本人。実際、見栄を切ったりとか、仇討だったりとか、歌舞伎の十八番が満載なのです。(余談ですが、アメリカ・ハリウッド映画が世界を席巻し、アメリカンな思考・志向・指向を世界基準にしたように、日本のコミック誌も日本の思考を世界基準にまで押し上げてくれると……良いな、っと思う所であります。)

 

 

これも同様、至る所に芸術ありではと。。。






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